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 行き止まりの運河のそばにある集落から 表通りに至る橋の下のアーケードにある
 店の並ぶ辺りまでやって来ると 街の様相は 一変していた。
 夕暮れから夜の闇へと時は変貌し、人々の姿が 電気の灯りの下に浮かび上がってくる。
 店仕舞い前なのか アーケードの人々の顔つきにもほっとした表情も浮かんでいる。
 冷房のないアーケードの中の店は吹き抜ける風任せの涼しさを頼みにしているが、
 夕方を過ぎれば、多少なりとも気温も下がってくる。

 アーケードの脇の通りでは 店仕舞をするにはまだ時間があるらしく、昔ながらの
 タイの生活雑貨を商っている店以外は やってくる客相手に 惣菜を売る露店の人々は
 忙しく立ち働いている。
 裸電球の暖かい灯りが 昔ながらのバンコクの路上の姿を 甦らせている。
 4,50年前からのバンコクの姿が 変わることなくこのプラカノン市場界隈には
 今も消え去ることなく 残っているのである。

 こうした庶民の愛する生活の場所を惜しげもなく 壊し続け、味も素っ気もない
 現代的なビルに変えてきたのが ここ15年の間のバンコクの歴史である。
 古い市場は スーパーマーケットに変わり、ショッピングモールへと姿を変える。
 買い手と売り手の人間らしい交流は失われ、そこにはただ物とお金があるだけの
 世界に変わってしまった。

 この橋の下のアーケードには20年以上前にも来たことがある。
 橋の下のアーケードにこんなに店が入っていると驚いたものだが、それが20年経った
 今でも同じ姿で残っているというのは もっと大きな驚きだ。
 ここに住む人の生活も ここで商いをする人も 昔と変わることなく そのままの
 生活をしている。

 生活雑貨の店も、床屋も美容院も、路上の屋台も 垢抜けることもなく、装飾よりも
 実用を大切にする庶民の心が生きている。
 つまらない装飾にお金をかけて 値段を吊り上げていく世界より、あるものを
 そのまま大事に使い、無駄を省いて 値段を抑えてくれる世界の方が 庶民にとっては
 余程有難い。

 もう店仕舞になったのか 椅子の並んだ美容院には 客の姿も 美容師の姿もない。
 その椅子の向こうを見ると 店の奥で 何人かの女たちが座り込んでいる。
 カメラを構えていると 呼びかけるので 近づいて行くと 今日の仕事を終え、
 一杯やっている最中だった。
 彼らの知っている日本語は 「あなた」、その「あなた」を連発している。
 20年前は 若かった女性たちである。
 若かった時代に憶えた日本語の一つが 「あなた」なのかもしれない。

 20年以上前にここを訪れたとき、このアーケードの向こうにあるアパートの一室に
 住んでいるタイ人の家族に会いに来たのであるが、その家族の1番下の娘も 60歳を
 過ぎた日本人男性の愛人だった。
 その後 二人の間には 娘が出来たが、その日本人もいつのまにかバンコクに来なく
 なり、音沙汰は途絶えてしまった。
 夜 働く女たちにとっても このプラカノンの街は生活し易かったのだろう。
 夜の歓楽街 パッポンに行くにも スクムビット界隈に行くにも バス一本で行ける
 便利な場所だった。
 その上、家賃も物価も安かった。

 奥の部屋に座り込んで仕事の疲れを 一杯の酒で癒す女たちの酒の勧めをことわって、
 再び通りを歩き始めた。



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 運河に浮かぶ島のような集落を離れ、水門の上に上がると 集落の住人が 水門を
 管理する施設の中にいる。
 その向こうには 沈みかけている夕陽が見える。
 施設の向こう側にある橋から 夕陽を背景にした運河の流れを見たかったので、
 「施設の中を抜けても 大丈夫か」と尋ねると 「問題はない」と応えてくれる。
 もう一つの集落の脇にも 橋に向かう細い道があるが、犬がやたら多くて、
 咬み付かれる可能性もある。

 施設の中に入ると 水門の向こう側の運河に釣り糸をたれて、釣りをしている人もいる。
 運河や川では よく見かける風景である。
 タイ人は どうも釣り好きの国民のようだ。
 釣りの成果はあまりにようだが、日長一日のんびり過ごすことが 好きらしい。
 施設の表門の方へ向かうと 先ほど集落の中の草花好きの家にいた女性が 表門へと
 案内してくれる。
 明るく、親切な女性である。

 表門を出て 橋の上に上がると ここでも 運河にいる魚を採っている。
 ここでは 投げ網を使っている。
 東北タイから出稼ぎにやって来ている人たちのようだ。
 しかし、若者たちが大半で、投げ網はそれほど得意ではないようだ。
 子供たちの何人かは 土曜日の休日を 運河の水の中に飛び込んでは 遊び呆けている。
 のんびりした休日の光景である。

 広い運河の向こうの空では、夕陽が沈みかけている。
 僅かに残っているバンコクの自然の中の夕陽、これを見ることで 何か人間らしさを
 取り戻したような気持ちになる。
 日も暮れかかってきた。
 急いで来た道を引き返す。

 夕闇が迫り、集落の家々にも明かりが燈り始めている。
 灯りの中に浮かび上がり人々は 一様に座り込み、夕暮れの時間をのんびり過ごして
 いる。
 これから、あわただしい夕食の準備が 始まるのだろうか。
 高速道路の照明灯の灯りが 集落の前の運河の水面に映り、
 幻想的な光景に変わっている。
 集落を抜け、表通りへと急いだ。



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