ネパール キルティプール

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 ここに一つの井戸がある。私がこの街にいた23年前にもあった湧かずの井戸だ。
 その時も もう水は湧かず、子供たちが物を放り込んでは、叱られていた井戸だ。
 使う目的も失われてしまった井戸、交通の邪魔にもなってしまう井戸、
 しかし このトールの住民は、ひたすらにこの井戸を護り続けているような気がする。

 何か重要ないわれでもあるのだろうか。
 この井戸は 水の便の悪いキルティプールの住民の水の神への祈りを
 あらわしているのだろうか。
 キルティプールの街中で、私が見た唯一の井戸だ。

 23年前は、ここに空井戸があると思って眺めていただけであったが、
 20年以上も経っても、未だに存在し続けていることに、不思議な感慨を覚える。
 何も変わらない、何も変えないというこの土地の意志を現しているのかもしれない。

 至るところに 神々の棲家があるキルティプールなら、この井戸も神々の棲家であっても 
 おかしくはないのだ。
 乾期の旱魃の折には、祭礼をして、水の神々に祈りをささげたのかもしれない。
 その象徴が、この井戸であったのだろう。
 時は流れ、人は変わっても、石で作られた物は残っていく。
 神々の棲家も残っていく。
 人が破壊しない限り。
 

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 キルティプールの丘の一番高いところに、クマメエソール・パルバティ寺がある。
 シバ神の妻であった山の神 パルバティを祭っている。
 何人かのネワール族の若者が、なにやら話に夢中である。

 この寺院に立つと、カトマンズが一望できる。なんと家々の増えたことか。
 カトマンズ盆地の中を環状に走るリングロードの内側が、旧市街地であるが、
 家を建てる土地などもう残っていない。
 あるとしてもほんのわずかだ。 

 ここ20年のうちにカトマンズの人口は増え続け、20年前には、カトマンズの人口の
 6,7割りを占めていたネワールの人口も、今では、2,3割程度になってしまった。

 1990年の民主化以降、政治家の大半を占めるバウン族の割合が増えてきたようだ。
 地方区で当選したバウン族の政治家が、村の親戚一同をカトマンズに呼び寄せる。
 特権を利用して、公務員の地位につける。賄賂は平気で受け取る。
 政治家になる前は、ただの村の口のうまいおっちゃんだったのが、三菱パジェロを乗り回し、
 土地を買いあさり、家を建てる。
 インド系の立派な顔立ち、押しの強さ、いかにも立派そうに見えるが、田舎ものなのである。
 規則、法律を破ることなど、平気の平左なのである。
 自分の村で、素朴な山岳民族を、口先でだましていたのと同じことを、
 カトマンズでやるのである。
 バウン族が ネパールを駄目にしたとよく耳にするカトマンズだ。
 カーストの一番上に立ちながら、品位がないのである。

 ネワール族にとっては、いかにも苦々しいことであろう。
 国全体で5パーセント、カトマンズだけであれば、2,30パーセント、
 政府にとっては、もう ネワール族は、怖い存在ではなくなったのである。
 確かにカトマンズに住むネワール族は、教育水準が高く、生活レベルも高い。
 しかし それだけのことである。
 あのマッラ王朝の末裔が、再びその才能を発揮せず、
 朽ちていくのはまことに残念なことである。


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 老人たちが、集まって四方山話に夢中だ。彼らが座っている場所は、
 各トールごとにある寄り合い所だ。
 こうした寄り合い所は、街のいたるところにある。政治の話、友達のこと、
 家庭のことと様々のことが 話題に上る。
 キルティプールでは老人問題はないのである。孤独死はないのである。
 各カーストの中、トールの中では、誰がどうしているのかは、皆 知っているのである。
 特に血縁関係を大事にするネワール族の社会では、若者にとっては、わずらわしいことではあるが、
 それは彼らの年をとってからの社会保障になるのである。

 ネワールの家族制度は、ジョイントファミリーだとよくいわれる。
 女は、結婚すると家を出て行くが、男は、嫁をもらっても出て行かない。
 長男の家族、次男の家族、三男の家族が同じ屋根の下に生活することはざらなのである。
 10人家族など当たり前のことである。

 自分たちの王国であったカトマンズ盆地を、チェットリー、バウン族に奪われたネワール族の 
 征服民族に対する防衛の知恵であったのかもしれない。家族、親戚の絆が、本当に強いのである。
 それによって弱い立場に立たされた自分たちを護ってきたのである。

 キルティプールの街の下には、広大な敷地を持つトリブバン大学がある。
 その敷地は、ネワール族のものであったのである。
 それを実勢価格でなく、政府の言いなりの安い値段で、売らなくてはならなかったのだ。
 その為に土地を持たない農民も現れることになる。
 ただひたすら耐えるだけである。
 時の政府は、ひたすら、ネワール族を恐れ続けた。
 カトマンズ盆地の中では、ネワール族の人口が一番多く、又、まとまりと、
 高い文化を持っており、容易に手なずけるには、賢く、したたかであったからだ。


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 この街の中心には、ため池がある。乾期の水不足に備えて、造られたものだ。
 雨期も終わりに近づいているこの池には、緑色の水が、満々と湛えられている。
 20年の昔には、この池の周りで、女たちが、おしゃべりに花を咲かせながら、
 洗濯をしていたものだが、街に大きな貯水タンクが、備えられてからは、
 各家庭に、水道が引かれ、緑色に濁った水で、洗濯をすることもなくなった。

 貯水タンクが出来るまでは、本当に大変だったのだ。
 毎回の食事に使う水を手に入れることで精一杯だったのだ。
 高い丘の上にあるキルティプールでは、井戸を掘っても、水は出ない。
 朝と夕に政府から、供給される丘の下の水場まで、女たちは、何度も水の入った、
 20キロ近い黄銅の甕をを腰に抱えて、長い階段を上り下りしなければならなかったのだ。
 皆、列を成して自分の番を待っていたものだ。 
 これがなくなっただけで、女たちの重労働は軽減された。

 ため池のあるこの場所は、街の人たちの重要な決定の話し合いの際には 
 街の人たちで埋め尽くされる。何かあれば、この場所が使われるのである。
 この池は、ネワールの重要なお祭りであるガイ・ザットラの時には、楽しみの場所にも変わる。
 各トール(地区)から選ばれた若者たちが、この池に投げ入れられた水牛の足を、
 池の中に飛び込んで奪い合うのだ。水牛は、ネワール族の大切な食料だ。
 人々は、自分のトールから出た若者を応援することに熱中する。
 そんな興奮の中で、ガイ・ザットラのお祭りは、終焉していくのである。


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 何でこんなところに門を造っているのだろう。門の屋根部分にオレンジ色の瓦を貼っている。
 不思議に思って、その仕事を監督している中年の男に聞いてみる。
 「この下にレストランとミュウジアムがある。一度来て見てくれ。」と言う。
 のども渇き、それなら、何か冷たいのもでも飲もうと思って、案内の男の後についていく。
 門をくぐり、坂を下っていくと、その道々の建物の壁に、様々の古いネワールの民具が所狭しと
 飾られている。
 これは、農作業に使う道具、これはロキシを作る壺、これはチャンを作るときの壺と、
 説明してくれる。
 20メートルほど下ると、少し広いところに出る。
 そこは見晴らしの良い場所で、古い農家のわきに 一段高くしたレストランを造っている。
 ネワール方式で 床に座って食事を摂るようになっていると言う。まだ完成していないのだ。
 話を聞いていると、このレストランは、この近辺のタンマール・トール(地区)に住む
 マハルザン(農民カースト)の70近い世帯が、協力し合って、作っているとのこと。 

 このキルティプールでは、9割がたが 農民カーストであるマハルザンだといわれている。
 彼らより上位のカーストには、シュレスタ(商業に従事)、バッジャチャーレ(祭祀を司る)、
 サッキャ(仏教徒、金、銀の細工をする)、プラダン(王の相談役)、ジョイシ(占い師)
 などがあり、それぞれが、かたまって住んでいる。
 そのそれぞれのかたまって住んでいる地域をトールと言う。
 マハルザンは、人口が多いから、いくつかのトールがあるのであろう。

 その中の一つが、タンマール・トールである。まだ、造っている最中、このトールの、男も女も、
 期待に胸を弾ませている。
 9月8日が開店の日に当たるようだ。その日の開店日の食事券を100ルピーで売っている。
 ゲストハウスも付随しているようだ。
 ビジネスには、あまり長けないマハルザン、上位カーストの連中から、
 「全く ジャプー(上位カーストの人が、使う蔑称)のやることは。」と馬鹿にされないよう、
 成功してもらいたいものである。
 
 ネワール族の文化が、花開いたのは、13世紀から18世紀中期までのマッラ王朝時代だ。
 今あるカトマンズの重要な遺跡は、その当時に造られたものである。
 時の王は、仏教を崇め、街の整備に努め、もうこの時代から、ヒッティと呼ばれる共同水場、
 下水道も完備され、街の所々には、乾期の水不足に備えてため池も多く造られたようだ。
 インド・チベット貿易で財を成した商人たちは、こぞって喜捨し、多くの仏教寺院、
 ヒンズー教の寺院が建てられたのもこの時期だ。
 その繁栄豊かなネワールの里、カトマンズが ゴルカの豪族 プリティビ・ナラヤン・サハに 
 突然の侵略を受け、支配を譲り渡すことになってしまうのである。

 それ以来、ネワール族の苦難の道は続く。
 ネワール族の賢い支配階級は、新しい権力に取り入るため、宗教を仏教からヒンズー教に変え、
 下級官吏の職を得ていく。
 土地とともに生きてきたマハルザンは、容易に生活を変えようとはしない。変える必要もないのだ。
 彼らには、耕す土地があり、たくましい体力があり、生活を支えていく職能がある。
 彼らは不器用に頑固に マッラ王朝時代からの営みを 当たり前のように続けていく。
 彼らの信仰は、マッラ王朝時代から、そのまま受け継がれてきているだ。
 ところが、一方 上位カーストのネワール族は、信仰をヒンズー教に変え、礼拝の時には、
 ネワール族の僧侶でなく、バウン(ブラーマン)族の僧侶を呼ぶことになってしまうことになる。
 それもこれも身の保全ためだ。
 侵略者を憎みながらも、従順を示さなくては、生きていけないのである。
 彼らは、行政を司るカーストであって、物を産みだす人間ではないからだ。
 そこにネワール族の悲しみがあるのだ。
 マハルザンと上位カースト、一見共生しているかのように見えて、
 本当は、心を許しあってはいないのである。
 この250年の他民族による支配は、ネワール族を2つに分断してしまったのである。
 もうマッラ王朝時代のように互いに、支えあってきた豊かな共生はないのである。


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