ネパールの政治

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今年3月に東ネパールのガウルという町で、29人の若いマオイストが、マデシの暴徒に殺害されるが、どうもネパールの混乱を企てる何者かによって雇われたインドのギャング集団の仕業である可能性が高いとされている。インドのプロギャング集団は、何キロにも渡って男女問わず、若いマオイストを追い掛け回し、殺戮を繰り返したのである。中にか強姦され、乳房を切り取られ、殺害された女性も少なからずいたのである。その時の軍部、警察の調査のいい加減さは、あきれてものも言えない有様だった。
 そうこうする内に、8月に起こったカトマンズの三つの場所における無差別爆弾テロ、このテロに対しても、政府、軍部、警察は、まともに対応しているとは到底思えないなおざりなものであった。市民を護ろうと言う気概、姿勢が露ほども感じれないのである。
 
 こんな政府、警察、軍部の中で、西ネパールのタライ、カピルバストゥ郡のビシャンプルのネパール人、それもネパール山岳民族を狙った大量殺戮は、始まったのである。百台の車の焼き討ち、ネパール山岳地方出身のネパール人の家の放火、3百軒、殺戮された山岳地方のネパール人の数は、今現在30人を超え、今なお行方不明の人も数多くおり、死者の数は、さらに増える様相を見せている。
 こういう状況の中で、軍や治安警察は何をしていたのか、予測出来たはずなのである。誰が、ネパール庶民の安全を護るのか、それは、治安警察や、軍ではなくなっている。
 国境を接しているインド側の、ビハール、ウッタル・プラディシュでは、地主と小作の騒動が起こると、地主側が、プロのギャング集団を雇って、見せしめに 小作人の村の村人を焼き討ちし、大量殺人するのはよくある話である。今回も、何者かに雇われたギャング集団の可能性が高いのである。
 ネパールの軍も治安警察も、真剣に取り組まないであろうことは、目に見えている。一体ネパールのどの山岳民族が殺されたのか、明らかにしてほしいものである。殺されたのが ライ、リンブー、グルン、マガール、タマンであるのか、バウン族、チェットリ族なのか、その辺を、はっきりと見極めたいものである。
 ネパール国民を護ろうとしない軍、治安警察にどんな意味があると言うのだ。

 マオイストが本当に民衆のための政党であるなら、大量虐殺におびえる人々を救ってほしいものである。例え、武器を手にしても。そうすれば、人々は、マオイストを民衆の味方であると認めるだろう。
 それほど、ネパール軍も治安警察も、腐りきっているのである。今、暫定政府に残っている似非政治家と同じように。

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 ツリケルで行われているマオイストの集会現場を覗いてみる。集会の中に入る際には、ボディチェックが必要である。カトマンズ市民より、カトマンズ近郊から動員された人間の方が多いようである。
 カトマンズに昔から住み付いている市民には、人気はない。カトマンズに出稼ぎに来ている人間には人気がある。カトマンズ市民は、甘い言葉には容易には乗らないからだ。
 マオイストの幹部が入ってきた18ヶ月前に比べると、動員数もかなり減ってきているように思われる。暫定政府の中での指導部の活動が、評価されていない証なのかもしれない。
 激しい演説に対しても、聴衆は皆、さめていると言う感じで熱気が感じられなかった。マオイストもも一度、草の根運動から始める必要があろう。そうしないと、確実に人心は離れていくに違いあるまい。
 人々は、指導部の与える幻想を求めているのではなく、より豊かな生活の糧を求めているのである。
 そんなことを思いながら、会場を後にした。


  **暫定政府を離れた理由**

 1.共和制が認められなかった。

 2.比例代表制の導入が認められなかった。

 3.キャンプにいるマオイストの兵士に対して、給料が支払われていない。

 4.選挙の監視役として、ネパール軍だけを使えば、選挙の公正が、保障されない。

  **今後の運動**

  選挙の妨害に向けて、平和裏に運動を進めていくが、政府側、王党派が武器によって、その運動を  妨害しようとすれば、再び、武器を取ることもありうる。

 ネパール時間午後2時のタイムリミットが過ぎ、マオイストは、暫定政府を、離れることが決定、暫定政府のマオイストの大臣たちもその職を辞す。
 今、それが、ツリケルにて、報告されているはずである。
 インドラ・ザットラ、ダサイン、ティハールというネパール最大のお祭りを控えたこの時期、マオイストは、街頭でどんな運動を展開していくのだろうか。観光シーズンも始まったばかりである。どこまで一般市民の賛同を得られると言うのか。まさに正念場を迎えた今回の決定である。
 政府内にいれば、保護されていた指導部も、いったん政権の外に立てば、危険にさらされるということも、あきらかのことだ。
 王軍、治安警察との軋轢が、さらに厳しくなるのは、必須である。
 サイは、投げられたが、勝つ見通しはあるのだろうか。再び、血で血を洗う戦いに戻っていくのだろうか。今のマオイストの下部組織は、プラチャンダの下から、離れつつあるように思える。

 午後2時のタイムリミットまで、コイララとプラチャンダ、それに残りの政党の首脳も集まって、妥協点を話し合っているようだが、テレビのニュースで伝わってくるのは、そのくらいのことだ。
 関心を持っているのは、ネパールの知識階級のみで、一般庶民にとっては、雲の上の出来事であるし、政治に期待するものはなにもないのだ。
 今、一般庶民庶民にとって、関心のあることといえば、野菜の高騰、毎日の食卓に必要なたまねぎ、ジャガイモの異常な値上がり、その値段は4,5ヶ月前の2,3倍にも跳ね上がっている、こうした値上がりに対する政府の対策だが、政治ゲームにうつつを抜かしている政治家たちには、そんな庶民の苦しみは見えない。
 ガソリン対策、ダムの水位が下がって電力の供給が減る乾期の対策、水不足 誰一人として抜本的な対策をとろうとしない。
 共和制もいい、選挙の比例代表制もいい、その前に、日々の生活にかかわる改善を真っ先に進めてほしいものである。
 庶民が、マオイストに期待したことはこうしたささやかな事の改善である。他の汚職を繰り返してきた政党には初めから期待などなかった。名うての汚職政治家コイララが、首相の地位にあることすら、異常である。
 彼は、砂糖を求めて 彼に群がるありのような他のバウン族、チェットリ族の期待を背負っているだけだ。
 王軍という虎の威を借りて、身の保全を謀っているに過ぎない。バウン、チェットリに今のネパールの混乱を解決するすべはない。ネパールのバウン族は、インドのガンジー、ネルーのような国を思うバウンではないのだ。民族融和などという考えなど毛頭ないのだ。
 先住民族が、新しい社会を求めるならば、今すぐ、体制を支える軍隊、警察治安部隊から、去るべきだ。そうしなければ、同族同士で殺しあう悲劇は避けられない。

 マオイストが、暫定政権から離れ、街頭での運動を展開していくことを決定したということだ。
 コイララが、共和政と比例選挙制を認めないからという理由で。
 コイララもプラチャンダもごね得の応酬で、そこには、新しいネパールに対するヴィジョンは見えてこない。既存の利権を護ろうとするバウン族の勢力と利権を新たに得ようとする新興バウン族との争い以上のものは見えてこない。
 太って腹を突き出した、革命家など私は、信用しない。汚職を繰り返し、一族一党お金の上に胡坐をかいている政治家など私は、信用しない。
 山の民を甘い言葉で、翻弄する政治家、革命家、簡単に騙される単純素朴な山の民も 私は信用しない。
 一方は、軍隊、警察治安部隊 もう一方は、マオイスト 二つに別れ、山の民同士が殺しあう図は、あまりにグロテスクだ。
 ネパールの長い歴史の中で 相変わらず、バウン族、チェットリ族に利用され続ける山の民たち、そこに民族自決の道などないことにどうして気がつかないのか。あまりに愚か過ぎる。
 下級警察官、下級兵士として、命令されれば、同じマガールを、同じグルンを、タマンを、ライを、リンブーを、戦いの中で殺すというのか。
 そういう形が、再び生まれてくることを私は恐れる。賢くなければ、人に利用されるだけである。利用されないだけの賢さだけは、身につけてもらいたいと願うばかりである。そうでなければ、生活の向上などありはしない。地位の向上などありはしない。
 今日は、朝から大雨、マオイストの集会場になっているツリケルも同じように大荒れになるのだろうか。王党派の動き、軍隊の動きには要注意である。

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