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ネワール族社会には、グティと呼ばれる相互扶助組織があるが、
どうもそのグティも、二つに分けられるようである。
ひとつは、同じ地区(トール)に住むもの同士が、お金を出し合い、市の援助を受けながら、
地区の改善(例えば、道・広場の整備等)を協力して図ると言う形のもの。
もう一つは、より重要なものであるが、ネワールカーストの中で、同じ、
もしくは、同質的なカーストが、宗教的行事、葬儀などを協力し合って行うというもの。
前者のグティは、カーストに関係なく、同じ地区に住んでいる者同士で行われるが、
後者のグティは、同一、あるいは同質カーストの者だけで行われる。
同一、同質のカーストのグティのついて、話を進めてみよう。
ネワールの仏教徒カーストの上位に位置する、サッキャ、バジャチャーレは宗教行事、
祭礼の形が同じであることから、同じグティに属し、葬儀の際の協力、自分たちの管理する寺、
仏塔などの祭礼も協力し合って、順番制で執り行うのである。
ところが、同じトール(地区)に住み、同じ仏教徒カーストであっても、
彼らより下位にあるカーストのタムラカール、シッラカール、コンサカール、
トラザー(チベット貿易商)等とは、グティを一緒に行わない。
しかし、彼ら同士は、グティを同じくする。
更に下のカースト、マハルザン(農民カースト)においても、同じようにより
上のカーストとは、グティを共に行うことはない。
ランジットカール(染め職人)、マナンダール(食用油の製造、および販売),
タンデュカール(マハルザンより下の農民カースト)、コパーリ(仕立て職人)、
サヒ、ポーレ等も、より上のカーストとは、グティを同じくせず、
単独で 自分たちのグティを持つ。
仏教徒カーストの例を見て明らかなように、ネワール族のカーストは、非常に複雑で、
ネワール族であっても、互いに他のカーストの宗教の習慣、親戚同士の行事など、
知らないのが現状だ。
ネワール族のヒンズー教を主に信じるカーストにおいても、同じ構造になっている。
マッラ時代の支配階級であったのは、ヒンズー教を信じるカーストであったようで、
マッラ(王族)、プラダン(王の側近)、ラーズバンダーリ、マスケ、アマティ、
アチャーズ、ジョイシなどのカーストグループは、グティを同じくする。
彼らが、祭礼を行うときには、バウン族の僧侶を呼ぶことが多いようだ。
又、他には,ラゾパデャヨと呼ばれるインドから、マッラ王の皇子の家庭教師として
招聘されたカースト、ロナジット・グプタと呼ばれる上位カーストの子弟の教師として
招聘されたカーストなどがあるが、彼らのグティも、単独にカースト内だけで行われる。
それともう一つ、重要なことは、互いに異なるグティを持つカースト間の結婚はない。
異なるカーストの人間が、入り込んでくることで、宗教的な穢れが生じると、
考えられているからだ。
結婚のみならず、下位カーストとともに食事をすることもないし、
下位カーストの触った水も飲まない。年寄りのいる家では、
今なお、このことは、厳しく守られている。
面白いことには、仏教徒カーストの場合、ほとんどが、はっきりした技能を持ったカーストで
あるが、ヒンズー教カーストは、ほとんどが 官吏である。
このことの意味を知ることで、マッラ王朝時代の支配構造も明らかになるであろうと思われる。
1380年から1394年に在位したジャヤスティティ王の時代に
当時のネワール族の職業・職種に従って、作り上げられた64にも及ぶ職階カースト、
それが、ヒンズー教のカーストの影響を受け、上下関係を作り、
そして、グティのグループを作っていったのである。
このグティをいう相互扶助組織は、単に、協力しあうと言うだけでなく、
カーストの区別をはっきりさせ、カースト内の結束を固めると言う目的もあるように感じられる。
しかし、現在においては、あまりに固定的になってしまったグティのために、
柔軟性に富むカースト間の生き生きした交流が、失われ、ネワール族の活力を
失わせているようにも思われる。
ネワール族の文化、カースト制、宗教の形、生活習慣を知るには、グティの理解は、
不可欠なのである。
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