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服ってなんだろう

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「いいもの」って最初からそう感じることもあるけれど
一度使うと「もう、もどれなくなるもの」もありますよね。
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折鶴のカフス

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「カフス」というのは、好きという人はかなりこだわる。

でも、なかなか気に入ったのを探すのは大変だ。

もちろん有名ブランド各社が作ってはいるが

だいたいがロゴマークが大きく書かれたものばかりだ。

デザインよりはブランドのイメージ戦略のひとつになっているのだろう。


なかなか見つからないので作ってみた。

デザインは「折鶴」。

僕は実際に鶴を折って、それを見ながら描いた。

「千羽になったら夢が叶う」とか、「幸運に恵まれるように」とか、いろいろな思いをこめた。

そのときは、いくらかかるのかも、そもそも仕事を請けてもらえるかどうかも知らなかった。
(当時は余裕があった。というより何も知らなかった。)

僕が仕事を始めたときのことだ。

初心、忘れてはいけない。

4ヶ月ほど掛かってそれは仕上がった。

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では、僕のピンクのシャツを紹介します。

パリの小さなテーラー。

僕の家から歩いて3分ほどのところにあった小さな間口のテーラー。

きっと、地元の人だけがオーダーするのだろう。

奥へ続く細長いその店の中は床から天井までシャツが並んでいた。

緑のペンキに塗られた軋(きし)むドア。

そして、木製の小さく仕切られた棚にシャツが並んでいた。

僕は生地にはこだわる。

綿100%で程よく品のある光沢があるものが好きだ。

襟はワイド、ダブルカフス。

前立ては細いほうが好きだ。

この店に並んでいるシャツはカラーのものが多いようだ。

ここはフランス、色にはこだわるのだろう。

フランス製のスカーフを見て、

日本の職人が「あの色はなかなかでない。」と言っていたことを思い出す。

最初に選んだのはブルー。

考えてみると僕のシャツコレクションは圧倒的に青が多い。

同じようなものは買わないようにしていてもやはり選んでしまう。

目に留まったのはピンクだ。

それも綾織のように斜めに織られている。

でも、「すぐに汚すよなぁ。」

「派手かなぁ。」と気になってしまう。

小さな鏡を見ながらずいぶんと迷った。

結局、購入することに決めた。


日本に帰ってきてもしばらくは着なかった気がする。

でも、今はとても気に入っている。

友人にも評判が良い。よかった。


服は着なければ似合わない。最初は違和感を感じるのが普通だ。

なかなか、もったいなくて着れないものもある。

背伸びをして買ってしまったものもある。

思わず、店員に勧められて断れなかったものもあるだろう。

でも、着てあげてほしい。服も自分も馴染んでゆくから。




写真のカフスは僕のデザイン。
わかりにくいが日本の「折鶴」からインスピレーションをもらった。
千羽作れたら夢が叶(かな)うかな?

小さな冒険

僕はピンクのシャツを一枚持っている。

パリで購入した。

街の小さなテラーだ。

値段も手持ちで出せる金額だった。

僕はそのまだ青味が残っている熟れはじめた桃のような、明るいピンク色の生地をひと目で気に入った。

でも、ピンクは着たことのない色だ。

勇気がいる。

いろいろと迷ったが僕はその店で2枚のシャツを買った。


日本に帰ってきて僕はそのシャツを着て出掛ける。

女性からの評判がよいようだ。

「そのシャツ、作ったの。」とよく聞かれる。

僕はスーツを着ないからシャツとジーンズが僕流だ。

(忘れてはいけない、そして、革靴。)

最近はIT業界の人はほとんどスーツを着ないから僕は目立たなくなったが

以前は電車の中で、ばったり会った友人に「今日は休み?どうしたの?」と

聞かれたこともある。

今は国会もカジュアルになった。

奥様の負担は増えたのかもしれないが、いくらか顔を覚えやすくなった。

迷彩色の保護効果で後のほうでうとうとしていた政治家も変わるかもしれない。

もっとも、襟が緩んで、熟睡されても困るが。

とにかく、身に着けているものを褒められるのは嬉しい。

昔、女の子が言っていた。

「かわいいものを着ているとみんなが声をかけてくれるの」。

彼女は高校を中退していた。

日本でデザインの勉強をしているとき、いつも隣の席に座っていた。

ルイ・ヴィトンのバッグに動物のワッペンをボンドでしっかりと張っているところが僕は好きだった。

そして、彼女とはイタリアでも会うことになった。

僕の父は質素な人だ。

(最近は余裕が出来たのか、いろいろ買ったりしているようだが。)

「服なんて着れればいい。贅沢をしてはいかん。」という人だった。

自分ひとりで買いに出掛けたことはないだろう。

母が父に「もう少し、気を遣ってくれればいいのに。」とよく言っていた。

着ている自分は自分の服を見ることはないが、

周りの人には景色に入るわけだ。

僕は地下鉄が「きもの」の人でいっぱいだったら、綺麗だろうか、と想像してみることがある。

イタリアに向かう飛行機の中でオランダ人に言われた。

「みんな、白いシャツでSlave(奴隷)のようだ。」と、

僕はむっとしたが言い返せなかった。

確かにスーツを着ているとユニフォームのようで安心する。

それに背筋も伸びる。

僕もスーツに憧れていたひとりだ。


僕が持っているシャツはほとんどがイタリア製だ。

生まれつき腕が長いこともある。

アルマーニ、ベルサーチ、イブ・サンローラン、ダナ・キャラン...。
(「仕事柄、ライバル(?)の研究のため。」と言っている。最近は買わなくなった。)

有名、無名、いろいろある。

よくイタリア人を表現するときに

「この人たち生れた時からスーツを着ているの!」と女性が言う。

イタリア人はジーンズにもアイロンをかける。なんてこともある。

引退した爺さんも気持ちを引き締めるようにネクタイをする。

何十年も続けてきた習慣だろう。

「襟を正す」という言葉はきっと日本にあったことばだと思う。



「服」も見ていたい景色に加えてくれたら嬉しいと思う。

(そういう僕もパジャマのまま仕事したりしているけれど...。)

(真っ赤なフェラーリに憧れる素直な気持ちで)

靴底の張替えを頼んだ。イタリアのM社の靴だ。ローマ法王も御用達のメーカーで僕がミラノに住んでいた時に買った靴でもう6年目になる。その靴でイタリアの街を歩き回った、思い入れのある一つだ。サテンの輝きのある黒い革をオフホワイトの太い糸で縫ってある、カジュアルに見えるが形は伝統的なスタイルでデザインのとてもよい、イタリアらしい気に入りの1足だ。

僕は靴好きでもある、といってもたくさん数を持っているわけではない。ただ、研き始めると1足を終えるのに1時間は費やす、古いシャツの切れ端、汚れを落とすブラシ、靴墨を塗るブラシ、磨き上げるブラシ、3種類を使い分けている。もちろん靴墨も1足それぞれすべてにあわせて使い分けている。

そんな僕だからソールの張替えを頼むのも心配だった。「ミラノの店に靴の修理を頼んでいるから、取りに行ってくる。」、なんてイタリアまで頼みに行くわけにもいかない。そんなことを言ったら妻に叱られてしまう。

銀座のMデパートに依頼した。以前、同じデパートの日本橋店でヒールの修理をしているがソール全部は初めてだ。

僕がイタリアの靴を好きな理由は履くと自分の背筋が伸びるような気がするからだ。すっと自分の視線を高くしてくれる胸を張った姿勢がいい。ネクタイを着けないシャツのボタンを外した胸元を綺麗に見せてくれる。そんなところが好きだ。ジーンズのときもそれだけでエレガントになる。

靴は唯一の地球に触れているものだから大切にしたい。

「ああ、大丈夫だろうか。」ソールの高さのバランス、糸の色、革の厚さ、硬さ。心配になってしまう。
とにかく一度は試してみよう。待つことにした。

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