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今日、書き込む気はさらさらなかった。 だのに、なんでかキーを打ちたくなった。 散々仕事でタイピング仕切った指なのに、 スナップ利かせた手首なのに、 どうして打つのか。A〜Zを駆使し、ひっきりなしに押すENTER。 君は何億もの情報を私に与えるし、私は君の記憶に残してやってる。 私は今日書いたことを明日にでもきっと忘れてしまう。 けれど君は忘れない。 まったく君は偉いよ。 でもね、私が今君を窓から放り投げてその足で下まで降りてって メタメタに踏んづけてやったのなら。 君の中の私の記憶は死んでしまうのだよ。 君以外の別のやつから、ここの記憶は甦るのだよ。 君も私も同じなのだよ。 脳が体が死ねばなんにも無くなって、骨組だけが残るのだよ。 君と私は毎日毎日否応なしに見つめあっているね。 視力低下は君のせい。 だって私は君を間近でじろじろ見ていないのに。 君の発するものが別のところに行って、そこから応答する光の道。 君の繋がりはその双方向性だけなんだけど。 だから君が死んだらその繋がりもなくなってしまう。 私が死んでも誰かが私を思い出すんだよ。私は君よりもなまなましい繋がりがあるんだから。 いづれは、君も私も傍らの煙草のように死人になるよ。 枯れ落ちた花みたいだね。 でも君は枯れないか。私が日常で不意に付けてしまった傷くらいで 外見は変わずいつまでも若々しいんだね。 君と私が触れ合うのは、ほんの指先くらい。 どうしてこんなに温かいのだろう。 造られた温もりよ。 もう少し、触れていようか。
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