視聴覚室−アニメ

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 毎年春を呼び込むお楽しみ、ワンピース劇場版。今回のタイトル、正式には『ワンピース THE MOVIE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜』という。長い。

 航海士・ナミが突然の高熱に襲われ、パニックに陥る麦わら海賊団は、近くにあった冬島に医者を探して停泊する。しかし、その国は数年前に海賊によって壊滅的なダメージを受けていた。しかもその際、医療を独占していた国王は国中の医者を連れて逃げてしまっていて、医者と言えば気まぐれに村を訪れ、“魔女”と怖れられるドクターくれは、ただ一人。
 彼女は雪山の上にそびえる城に住んでいるという。それを聞いたルフィはナミを背負って雪山に挑む。
 そこへ、かつて国を捨てた王・ワポルが、兄のムッシュールと共に帰ってくる。
 国を捨てた王、そして国を救おうとした一人の医者。医者を志すトナカイ・チョッパー。国とは、医者とは、海賊とは、哀しい過去が語られるとき、明るい未来への船出が始まる。

 麦わら海賊団の船医であるトナカイ、トニー・トニー・チョッパーが仲間になる、ドラム王国でのエピソードを、時系列を変えて再構成した内容。
 前回のアラバスタのように、ダイジェストっぽくなってしまうのかと思っていたけど、そんなこともなく楽しめた。何と言っても見所、泣き所は分かっていたので、その部分がどう作られているのかに集中することができた。ラストシーンの気合いの入り方はただごとではなかったと思う。
 いつもどおりの感想として、バトルシーンの少なさが物足りなくはあったものの、今回はどちらかというとドラマの方を重視したという印象。

 特筆すべきは、チョッパー役、大谷育江の“泣き”。
 哀しくて、やるせなくて、でも嬉しくて嬉しくてたまらなくて、こみ上げる感情が先走り過ぎて、声にならずにほとばしる嗚咽はまっすぐに心に響く。
 あの“泣き”があってこその桜。もちろん、その泣きをいただいたのは言うまでもない。



 原作の映画化は間違いがないので、安心して観られるのは悪くない。
 悪くないのだが、安定していて面白みに欠ける。二作連続でそれが続いたので、次はどうなるのかなあと思っていたら、エンドロールの後に次回作の予告が。

 尾田栄一郎監修、完全オリジナルストーリー!

 大きく出たテロップに、心が弾む。
 予告を観る限り、かなり大きな話のようで早くも来年の楽しみができてしまった。

 遠野貴樹(タカキ)が自分より一年遅れて転校してきた篠原明里(アカリ)と出会ったのは、東京の小学校でのこと。家庭環境や性格の似ていた2人は間もなく打ち解け、多くの時間を共に過ごす。
 しかし、小学校卒業と同時にアカリは栃木に転校することに。半年後に文通が始まるが、今度はタカキが中学校一年の終わりに遠く鹿児島に引っ越すこととなった。
 幼い2人の間に立ちふさがる、圧倒的な距離の壁。近くにあるはずの心の距離を忘れないため、タカキは東京を離れる一週間前、アカリに会いに行く決意をする。
   ――第一話『桜花抄』

 鹿児島で高校生となったタカキだったが、その思いはいまだアカリのそばにあった。そんなタカキを、彼が転校してきたその日からずっと想い続けていた少女・澄田花苗(カナエ)。
 タカキとの距離を近づけられないままに迎えた高校三年生の夏。卒業後の進路を決められないカナエの心にあったものはただ一つ――ずっと続けているサーフィンで波に乗ることが出来たら、タカキに告白をする――その決意。
 いつでも優しく、他の男子とは違っているタカキ。数年ぶりに打ち上げロケットが発射されたその日、波に乗ることに成功したカナエはどこか遠くを眺めるタカキの隣を歩いていた。
   ――第二話『コスモナウト』

 タカキは東京に戻り、そして大人になり、会社を辞め、3年間の交際を続けていた女性に別れを告げられ、春を迎えた。
 桜を眺めながら踏み切りを待つタカキの胸に去来するのは少年の日の思い出。降り積もる桜の花びらの中、タカキは昨日と同じ明日に向かい、かすかに笑って歩き始める。
   ――『秒速5センチメートル』



 最初から最後まで、とにかくベタだ。
 幼い日に出会った初恋は、転校という圧倒的な力の前に引き裂かれ、つながっていた心は時間によって絆を薄くしていく。
 息が詰まるほどの片思いは涙によって溶かされて、伝えるべき言葉は夜のさざめきの中にまぎれてしまう。
 過去は過去でしかなく、あと戻りの出来ない日常を生きていく。起こりえない奇跡に落胆することすらできず、ただただ秒針のリズムにしたがって足を動かし続ける。

 どれだけ言葉を飾ってもベタはベタで、観る人によっては何の独創性もない青臭く幼稚な恋愛物語にしか映らないだろう。だけど僕は、そんなベタが好きだ。
 ベタは着古したジーンズのように体に馴染み、もたらされる感動はとても身近なものに感じられ、心に馴染む。そしてそれを極限まで丁寧に描き出すことができたら、派手さや鮮烈さはなくても、とても温かくて深い感動をもたらしてくれる。心の奥にすんなりと収まる、昔なじみのような感動を。
 こぼれたのは涙ではなくて、少しだけ湿り気を帯びた嘆息――求めていたものに間違いはなかった。

 大好きなアニメーション監督、新海誠の作品がようやく岡山に来てくれたので喜んで地元のミニシアターへ。過度な期待はすまいと思いつつも、楽しみで楽しみで仕方がなかった。
 内容は前述の通りにベタそのものだが、こういうもどかしくて切ない話は大好きなので問題はなし。
 光、雪、電車、足音、空、桜、街並。新海誠のアニメの繊細な描写はとにかく美しく、日常的だ。
 綿密なロケハンと精緻な作業に支えられたその背景や表情の数々は、物語の奥行きを無限に深めてくれると同時に、当たり前の毎日の中にあるドラマなのだと教えてくれる。

 人を好きになる。離れ離れになる。会いに行く。感情のままに必死になる姿が描かれた第一話はとにかくツボだった。たぶん、これまでに似たような話はいくらでもあったのだろうし、もっと有名で面白いものもあるのかもしれない。だけど僕は、このシンプルな物語がとても好きで、涙を流すことも忘れるくらいにハマった。
 こんな綺麗な思い出や、ひたむきな感情も味わったことはないから、ここで僕が抱いたのはシンパシーではなくて憧れなんだと思う。
 タカキがアカリに会いに行くために乗った電車を走らせるレールのように、感情は時に蛇行し、ときに起伏を持ちながらも、目的地までまっすぐに向かって伸び続ける。ただ、彼らは時刻表も路線図も持っていないから、いつもその列車の進むがままに揺られ続け、翻弄されてしまう。そのままならなさを素直に表現することができている2人の物語。
 感情の路線はきちんと整理され、心の各所に置かれた停車駅の名前も、分岐点の場所もかなり把握した今となっては、あんなにもひたむきで切ない喜びや悲しみを感じることは、たぶんできない。だからこそ、2人のたどたどしい思いに憧れ、欠けているものが埋まったようなすんなりとした感動を得ることができたのだろう。

 それを受け、この作品のためにアレンジされた山崎まさよしの『One more time,One more chance』に載せて送られる第三話は……何というかもうズルい。
 第一話では涙を忘れたけど、第三話は呼吸を忘れた。BGMに合わせ、タカキとアカリの記憶をなぞっていく数多くの瞬間。各場面とメロディとのマッチングのさせ方が絶妙で、このまま終わらなければいいのにと思った。
 その一方で「狙ってるなあ……」と苦笑いもこぼれたりはしたけれど。



 観終わった後は、自分の靴が立てる足音や、細くこぼれる雨糸、商店から立ち上るソースの香りも、新しく買った帽子の感触も、何もかもがクリアに感じられた。曇天の空の下にもかかわらず、世界が澄んでいるように思えた。
 新海誠の描く世界の、力の大きさを再確認。

 早くDVDになればいいのに……その前にもう一度観に行くか……

 原作では伏線も含めると12巻〜23巻まで続き、今なお最高のシリーズとの呼び声も高い、砂漠の国・アラバスタ編。
 王下七武海の名の下に、アラバスタで英雄としてあがめられるサー・クロコダイル。彼はその裏でアラバスタを手中に収めるためにバロック・ワークスという影の軍団を組織し、秘密裏に計画を進行していた。
 クロコダイルの陰謀に気づいたビビは、その計画を止めるために麦わら海賊団とともに行動するが、アラバスタではクロコダイルの手のひらで踊らされた大規模な反乱が起こる。ビビの必死の努力も空しく、反乱軍と王国軍は全面衝突。王都は戦火に包まれる。
 ビビは、そして麦わら海賊団は、アラバスタを、仲間を救うことができるのか。



 ある程度、予想はできていたことだけど、尺が足りてない。あの長大なストーリーは90分では収まりきらない。原作やテレビシリーズを知らない人には分からない部分の方が多かったんじゃないだろうか。もっとも、そういう人はターゲットに入っていないからいいのかも知れないが。その点、なんとなく不親切な感じがした。
 当然のことながらルフィVSクロコダイルというメインの戦い以外は大幅にはしょられてしまっているのも不満。

 その分――というかなんと言うか――カット割りや映像の演出には力が入っていて(それが余計にダイジェスト感を助長している気がしないでもないのだが)、原作でなじみのあるカットが迫力ある映像で観られたのは満足。出崎作品もかくや……という、あの演出。でも、映画の中でやりすぎると若干リズムが停滞する感は否めない。

 ファンを意識して作られた(あくまで僕の印象だが)だけあって、おさえるべき名台詞はきちんとフォローされているし、声優陣も気合の乗りが違う。その部分の見せ方も凝っていて、凝りすぎて多少話が飛んでしまっていたとしても、ファンなら条件反射で目頭が熱くなる……はず。僕はなった。
 ただただ、これがやりたくて作ったんだろうな……というラストシーンはものすごい意気込みで作りこまれていたし。最初の「仲間のしるし」のシーンはもうワンカット足りない感じがしたのだが。

 実際、最初に書いた理由により、それほど期待をしていなかったので大きな落胆もなし。少なくとも『呪われた聖剣』よりは楽しめる(笑)



 さて、今回の記事はただ一人のお方のために書いたようなもの。本来ならその方をエスコートする約束だったのだけど、待ちきれなくて封切りの日に行ってしまいました。
 もしご覧になるのでしたら、改めてお手を取らせていただきます。

 2005年公開。
 去年、観た直後に書きなぐった感想ですが、これを読むと何となくあの興奮が思い返されて、週末にDVDを買ってしまいそうな勢いになります。



 単刀直入に言う――最高に面白かった。

 パンフレットやCMには賑やかなロゴが使われているのに、本編では驚くほどにあっさりとしたタイトルが出てきたところで「おや?」と思った。オープニングがとにかく静かなのだ。そのシンプルなタイトルバックの後は、オマツリ島へと入っていくゴーイングメリー号を浜辺や岸壁から眺める人の後姿を何カットかいれ、ゆっくりとスタッフの紹介。そして上陸してはしゃぐルフィの姿、となる。さらに、オマツリ男爵の登場から地獄の試練へと続いていくにつれ「いつもとは演出が違うのか」と得心。気付いてからは、細かい所を見逃すまい、と何となくワクワクしながらスクリーンに釘付けになった。

 そういう見方をしていたせいもあったと思う――最高に面白かった。

 テーマがとにかく明確で、しかもくどくなかった。前作の「呪われた聖剣」よりも、はるかに設定は難解で、ゲストキャラの抱えているものは複雑で深いものだったはずなのに、くどくどしい説明は一切なし。でも、一貫したテーマが90分通して全登場人物の言葉や行動に表れているので、理解に苦しむことはなかった。少しだけ、キーになる<リリーカーネーション>については言葉足らずだったような気もしたけど、あれはあれでよかったと思う。アニメなんだから。他の部分のテンションがあれだけ高かったんだから、少しは甘えてもいいはずだ。
 アクションシーンの動きも軽快で、前半はスラプスティック的な仕上がりになっていたので、キャラクターの個性も余す所なく発揮されていた。ルフィとブリーフの追いかけっこの場面では、宮崎アニメを髣髴とさせるようなBGMを絡ませた遊びなんかもあっておもしろかった。サンジの料理対決もかっこよかったし。

 シンプルなテーマを追いかけたアニメらしいアニメだった――最高に面白かった。

 物語の流れがスムーズだったのもよかった。デービーバックファイトのような馬鹿馬鹿しい対決からゆっくりと核心へと迫っていくその流れ。ここまでが前半、ここからが後半、という線引きができる感じではなく、前半が始まってしばらくした辺りでひっそりと後半もスタートしていたという感じ。
 そしてラストへとつながっていく過程にもスピード感と緊迫感が満載。土曜日だけに結構な数の子供が来ていて、最初は笑ったりツッコんだりしながら観ていたのに、徐々に口数が少なくなり、最終的には明らかに息を呑んでスクリーンに引き込まれていたのがすごかった。観客席に充満する緊張感。子供は素直だ。
 ラストバトルのルフィ対オマツリ男爵のシーンは圧巻。仲間たちが死んでしまったと告げられたルフィの悲壮感がたまらなかった。男爵に向かって伸ばそうとした手足を男爵の矢によって岩に釘付けにされてしまい、前に進もうとしてもゴムであるが故に少しずつ後ろへと引きずられていく。ルフィのもどかしさや哀しさを表現するのに、あれ以上の方法があっただろうか。
 その演出には時間の流れも一役買っていたと思う。上陸したのは朝。地獄の試練は昼間。そしてラストバトルは怪しい月の出る夜。前半部分のスラプスティックな楽しさと、それとは激しくギャップのあるシリアスな後半部分。明るい太陽の下に展開していった部分と、怪しい月の夜空の下で繰り広げられた部分。シンプルなやり方だと思う。当たり前の手法なのかもしれない。でも、それ以上のものを感じた。

 何度でも観たいと思った――最高に面白かった。
 
 いいアニメはとにかく理屈抜きのパワーがある。ワンピースという素材のよさがあったんだろうけど、それを最大限に発揮した作品だったと思う。

 難破していた海賊船からお宝を見つけ出した麦わら海賊団。しかし船は嵐に巻き込まれ、さらに宝箱からは謎の老婆・ローバが現れる。ローバは「島に伝わる宝物をあげるから命だけは……」と必死に命乞い。ナミやサンジは唐突な発言を疑うが、ルフィは老婆の島へ舵を切ることを命じる。しかしローバの住む<カメ島>でルフィたちを待ち受けていたのは……

 前作の『オマツリ男爵』のときとは印象がガラリと変わって、原作のコミカルな部分とアクションパートが前面に押し出されていた印象。しかし実際のところ、あまりというかほとんど戦闘シーンと呼べるものはない。しかし、降り注ぐ無数の弓矢を迎撃するゾロや、サンダーボルトテンポを放つナミ、滝から落下する船を救うサンジとルフィ、そしてラストの合体技……と、とにかくよく動いていた。
 島に伝わる歌から宝のありかを探っていくという謎解き要素も、あまり深入りしないでさらりと流す。そうすることで内容を複雑にすることなく、ストーリーがテンポを重視して軽やかな駆け足のように展開していく。
 なんというか、安定していてとても観やすい仕上がりになっていたように思う。

 この“よく動く”というのが僕がアニメを観る上で一番気にする部分。
 それは作画のクオリティの問題でもあるし、内容の問題でもある。アクションが満載の内容でも全然“動い”ていないものもあれば、アクションなんてほとんどないのにきちんと“動い”ているものある。
 つまりそれは、キャラクターに命があるか否かの問題。作品がスタッフにどれくらい愛されているかの尺度と言ってもいい。
 前々作の『呪われた聖剣』ではほとんど見られなかったこの“動き”。これが前作から大いに出てきているので、観に行くのが楽しみだしなんとなく安心。

 一番シビれたシーンはサンジの「ムートン……ショット!」
 観ていない人にはさっぱりだろうが、この……部分のタメがめちゃくちゃカッコよかった。共感してくれる人がいると嬉しいんだけどなあ。
 二番目はさっきも書いたラストの合体技。敵と戦わなくてもそれぞれのアクションを魅せることができるのが『麦わら海賊団』のすごいところ。

 で、今回ラスボスに抜擢されてしまって大いに水を差してくれたあの人について。思ったほど、ひどくはなかった。でも、出てくれなくてよかった。心から不思議――なんであんなことするんだろうなあ。サブで出ていた極楽トンボの二人は意外と違和感なし。

 最後にもう一言。
 ナミの胸が不自然に揺れ過ぎ……どうせならもっとリアルに……うん。ま、いいや。

 ともあれ、おもしろかった。

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