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ララ「キキ〜、何してるにゃ?」
キキ「にゃんでもにゃい……」
ララ「にゃあ〜、じゃあ遊ぶにゃ〜」
キキ「今はダメにゃ、あっち行くにゃ」
ララ「………!! 倦怠期……」
キキ「………」
ララ「ちゃんとツッコむにゃ〜〜(猫体当たり)!!」
キキ「にゃっ! やめるにゃ!」
(キキが持っていた紙の束が散らばる)
キキ「あ〜あ、バラバラになっちゃったにゃ」
ララ「にゃんだ、これ?」
キキ「あ、いいにゃ。ボクが片付けるから、ララは触っちゃダメにゃ」
ララ「きらーん、にゃ(猫目キラリ)」
キキ「あ……」
ララ「にゃにか面白いものの匂いがするにゃあああ〜〜」
キキ「あちゃあ……」
ララ「にゃ? これは小説かにゃ? タイトルはにゃににゃに……『そしてまた、さく』……にゃ、にゃあっ!?」
キキ「驚くのも無理はにゃいにゃ」
ララ「だって、だってこれは……『そしてまた、桜の花の咲くころに』って、書いてあるにゃ!」
キキ「そうにゃ。Cuttyさん主催『第一回タイトルコンテスト』に投稿され、見事に冴さんの琴線に触れ、『第一回青葉賞』をいただいた、あの作品にゃ」
ララ「わざとらしい説明にゃあ……」
キキ「その節は、大変お世話ににゃりましたにゃあ」
ララ「取ってつけたような御礼だにゃあ」
キキ「じゃ、そういうことで」
ララ「……いやいや、にゃんでだにゃ!」
キキ「ボケがツッコんでどうするにゃ?」
ララ「そういうことではにゃくて、どうしてこれがこんなところに? 大体、あれは「私が『書かなかった』小説」の『タイトルコンテスト』であって、中身にゃんてにゃいはずだにゃ。しかもこれは……400字詰めで300枚くらいあるじゃにゃいか!」
キキ「はいはい、丁寧な説明ありがとにゃ。だから触っちゃダメって言ったにょに」
ララ「これは一体どういうことにゃ! さあ、説明するにゃ。ウチの他によそに猫が……」
キキ「無理にボケを挟まにゃくていいにゃ」
ララ「じゃあ説明するにゃ。あの話には中身があったということにゃのかっ!!」
キキ「……ふう、にゃ。まったく、せっかくCuttyさんや冴さんがイメージを膨らませてくれたというにょに」
ララ「ウチが悪いのか? 悪いのはhimaじゃにゃいにょか!」
キキ「別に何も言ってにゃいにゃあ。まあ、誰が悪いってこともにゃいと思うけど。所詮は日の目を見にゃかったわけにゃし」
ララ「どういうことにゃ?」
キキ「これを見るにゃ」
ララ「にゃ? タイトル『そしてまた、桜の花の咲くころに』……氏名、住所、年齢、あらすじ……こ、これは……」
キキ「いわゆる表紙、という奴にゃ」
ララ「つまりこれは、どこかに応募したというわけかにゃ!」
キキ「そういうことにゃ」
ララ「一体どこに?」
キキ「『角川学園小説大賞』……にゃ」
ララ「にゃは〜、それはあの米澤穂信や滝本竜彦を生み出した……」
キキ「その通りにゃ。しかもその両者よりも前の第一回、にゃ」
ララ「……第一回って、いつのことにゃ?」
キキ「そうにゃ。1996年、himaが高校三年生のときのことにゃ」
ララ「高校三年生って、大学受験とか就職活動とかあるんじゃにゃいのか?」
キキ「あったにゃ」
ララ「甘酸っぱい恋愛とかも!」
キキ「なかったにゃ」
ララ「けんもほにょにょ……何やらドップラー効果で遠ざかる『ちくしょおおおお〜!』って怒号が聞こえたようにゃ……」
キキ「気のせいにゃ」
ララ「恋愛はなかった、と。つまり今と一緒だにゃ」
キキ「それで、himaは受験組だったわけにゃんだけど、何を思ったか、そればっかりじゃつまらにゃいと思ったわけだにゃ」
ララ「……試験が近づくと部屋がきれいににゃる、あれかにゃ?」
キキ「そんにゃものだにゃ。どうせ一日中勉強なんてできるわけにゃいって、一日中ワープロに向かってたんにゃ」
ララ「豚足最高!」
キキ「本末転倒」
ララ「……しゅん(猫しょんぼり)」
キキ「ともあれ、とんがりまくってすっころんだhimaは、大事な大事な夏休みから11月くらいまでを、棒に振ったというわけにゃ」
ララ「で、結果は?」
キキ「そんにゃの、箸にも棒にもひっかからないに決まってるにゃあ」
ララ「ま、そりゃそうだにゃ、ところで……にゃ」
キキ「どうしたにゃ? お話としてはそんなところだにゃ」
ララ「いや、その……」
キキ「どうしたんにゃ?」
ララ「水を差すというのは分かってるんにゃけど……」
キキ「あえて、聞くのかにゃ? 素敵なイメージを広げてもらっているというのに」
ララ「そこを、あえて」
キキ「季節は、春。主人公はもうすぐ中学三年生になる男の子にゃ。彼は成績も容姿も平凡なサッカー部員にゃ」
ララ「ふむふむ」
キキ「彼には親友が2人。テニス部のキャプテンと、野球部レギュラーでムードメーカー。学年でも目立つ存在だにゃ」
ララ「ほほ〜」
キキ「そして始業式を翌日に控えたその日、部活を終えた彼は中学三年生ににゃることに漠然とした不安のようなもにょを感じていたにゃ」
ララ「不安?」
キキ「このままぼんやりと受験に向かっていくこと、サッカーは好きだけど、このまま続けるかどうか分からにゃいこと、などなど、まあ、思春期特有のあれやこれやにゃ」
ララ「にゃるほどにゃるほど」
キキ「そんにゃ不安をブラブラとさせながら、芽吹き始めた桜の下を歩いていると……」
ララ「いると……?」
キキ「道の向こうから女の子が猛然と走ってくるのが見えてきたにゃ!」
ララ「にゃにゃっ?」
キキ「そしてよく見ると、その子は黒いスーツを着た男たち数人に追われている!」
ララ「にゃんと?」
キキ「あっけに取られた少年が立ち尽くしていると、にゃんと女の子は彼の首に腕を巻きつけて、彼を拘束したんだにゃ」
ララ「こーそく?」
キキ「そして女の子は「あなたは私の人質だから」と、とんでもない宣言をしたかと思いきや、こう言い放ったんにゃ!!」
――彼の命が惜しかったら、私を逃がしなさい!!
ララ「にゃんだそれは……」
キキ「……で、その後いろいろあって、まあ彼女は当然、三年生に上がった彼のクラスに転校してくるわけだけども」
ララ「はしょり過ぎにゃ!」
キキ「実は彼女にはとても重大な秘密があったにゃ」
ララ「秘密?」
キキ「そう、彼女はその手で触れたものを元の姿に戻す『治癒の力』を持つ一族だったにゃ」
ララ「と、唐突にファンタジーだにゃ」
キキ「さらにもう一人、彼女を狙う女の子が現れて……」
ララ「まさかその子も?」
キキ「そうにゃ。彼女は『治癒の力』と対になる『破壊の力』を持つ一族で、ある理由から女の子を狙っているんにゃ」
ララ「あ、あ〜、そういうことかにゃあ」
キキ「そう、それで彼は彼女の手を取って走るわけにゃ。彼女を狙う者や、自分にのしかかる不安、とにかく色んなものを振り切るために……」
ララ「ふにゅう……青臭い話だにゃあ」
キキ「おりしも1996年、かのエヴァンゲリオンが大ブームになっていたときのことだから、主人公の彼は鬱陶しいほどに悩みまくるにゃ」
ララ「影響受けすぎにゃ……」
キキ「その一方で、田中芳樹がラピュタを目指して書いたという『アップフェルラント物語』のようなボーイミーツガールも目指していたもんだから……」
ララ「あ〜、もういいにゃ。支離滅裂になっているのが目に見えるようにゃ」
キキ「まあ、そういうことにゃ。それでも、こんな風にコンテストに出すくらいだから、思い入れはあるようだにゃ」
ララ「にゃるほどにゃあ。でも単純にゃhimaのことだから、今回のことでイメージを膨らませて、また書こうとしてそうで怖ろしいにゃ」
キキ「にゃはは……まあ、話はこれくらいにしておくにゃ」
ララ「そうだにゃ。色んにゃ意味で」
キキ「それではみにゃさん、最後までお付き合いいただいてありがとうでしたにゃ」
ララ「終わりにあたり、もう一度、素敵な企画を生み出してくださったCuttyさんと」
キキ「『青葉賞』をくださった冴さんに、心よりお礼申し上げますにゃあ」
ララ「ところで……」
キキ「ん?」
ララ「今回のコンテストって、「私の『書かにゃかった』……むぎゅにゃっ!?」
キキ「それではみにゃさん、また会う日までにゃあ〜〜!(猫退場)」
ララ「ルール違反じゃにゃいのかにゃああぁぁ〜!?(猫ドップラー効果)」
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