日記

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いられない人

人事ってのは、むずかしいね。
面接されることはあっても、面接する側になったことはないが、あれは神経戦だと思う。
履歴書にある経歴と、面接の印象だけでは、正直、判断しかねるんでね。
華々しい過去の持ち主なのに、なぜ、今ここで面接をうけている?っていう本当のところ。
面接の受け答えの内容、態度、顔の表情だけでは、中身はほとんどわからない。
世の中、けっこう役者が多いから、見抜くのは大変だ。
どんな極悪人でも、仕事さえきっちりしてくれたらいいようなもんだが、どう繕ってもボロが出る。
遅かれ早かれ、そういうことになる。
いられない人は、どうあっても、いられない。
そういうの、もう何度も見ている。
結局、心根がよくなけりゃ、だめだってこと。
最近少し、見分けがつくようになったよ。
瞳堂は、人見堂でもあるんでね。

♪ 羽 鐶 箸 香合 釜のふた
   鐶かけおきて 釜しきを出す
   炉掃いて 下火なおして 灰蒔いて
   掃いて 炭つぎ 掃いて 香焚く

15cm四方ぐらいの白い和紙に、こんなふうに、筆で書かれたものが出てきた。
これは、裏千家茶道の初炭手前の手順を、覚えやすくしたものだ。
昔、こっちがあまりに出来ないんで、稽古中に、師匠が懐から紙を取り出して、筆でさらさら書いてくれた。
みごとな白髪をキッと結った、明治生まれのこの婆さんは、小柄ながら、当時、東京一おっかないと言われていた。
師匠の前で、緊張で手が震える弟子もいる中、こっちは何故かのびのび出来て、一度もおこられることはなかった。
出来の悪い子ほど可愛いって言うけど、こっちはよっぽどだったようで、さっきのと同じような紙が、うちには4枚残っている。

独坐大雄峯

独坐大雄峯(どくざ だいゆうほう)
ひとり この雄大な山に坐していること

ありがたいと思うことって、何ですか?
あらためて言われると、答えに困るけどね。
うれしかったことや楽しかったことは、過去にいくつか、あるにはある。
でも、そういうことではない。
自分の人生を、冷たい水でジャブジャブ洗えば、そんなエピソードなんて、アッという間にあとかたもなく流れてっちゃうもんね。
さらしてさらして、その後、何が残るのか?
わざわざ言ってみるまでもないことばっかりだ。
朝日が出て、新しい光を全身にうけることも、ありがたいことだ。
飯一杯食うだけでも、ありがたい。
あなたに逢えたことも、そう。
考えたら、すべて奇跡でできている。
生きてるだけで、ありがたいってこと。
まさに、独坐大雄峯。

取り壊し

老朽化ってことで、取り壊すことになった。
東京オリンピックより前に建てたんだから、人間でいえば還暦間近だ。
団地っていっても、長屋をタテに4段重ねたような感じで、下町風の近所付き合いがあった。
おととい見に行ったら、半分壊されていて、今日見たら、何もなくなっていた。
形がなくなってみると、思いだけが甦ってくる。
不思議なもんで、いつも日が当たっていて、楽しいことばかりだったように思う。
隣近所でいざこざもあったし、誰かが死んだりしたにはしたが、そんなことまでが、良い思い出になる。
死ぬまであそこに住んでたら、何も思いはしなかったろうよ。
心ってのは、ゆさぶられなきゃそのまんまだが、事あるごとに、大きくも、強くも、優しくもなるんだろう。
団地さよなら、取り壊しありがとう。

春は原宿

春は原宿 やうやう白くなりゆく山際
少しあかりて 紫だちたる雲の 細くたなびきたる

原宿は、いつも人でいっぱいだけど、春はまた格別だな。
受験が終わり、卒業して春休み、新しい生活が始まる前の、宙ぶらりんな微妙な感じ。
今も昔も、竹下通りはチャラチャラしてて、人は一時楽しんで、通り過ぎてゆくだけだ。
こんなに人だらけで、何が楽しいんだろう?
若いころから、そう思ってた。
それでも頽らないね、原宿は。
街の魅力に、人が踊らされるんだろう。
そういうの、冷めた目で見てたけど、ドップリと夢中になれるってのは、ちょっとうらやましくもあるね。
これから先、何かにときめくことがあるだろうか。
バカを承知でやりゃあよかったよ。
ふり返れば、なぜか哀しい、春は原宿。

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