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27日から映画が公開されました。
瀬尾まいこさんの【幸福な食卓】を紹介しますね。この本を読んだのは去年の六月頃。
その頃は都市部にある資格学校へ通っていたので、学校からの帰りがけには、
必ずと言ってもいいほど書店へ立ち寄っていました。大きな街の本屋さんは品揃えが良くて助かります。
さて、【幸福な食卓】はある家族の物語です。
――「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」春休みの最後の日、朝の食卓で父さんが言った。
私は口に突っ込んでいたトマトをごくりと飲み込んでから「何それ?」と言って、
直ちゃんはいつもの穏やかな口調で「あらまあ」と言った――こんな感じで物語が始まります。
ある梅雨の日の午後、自殺に失敗した父。
そこまで夫を追い詰めていたことに気がつかなかったと自分を責めて家出した母、
いつもひょうひょうとしてるけれど心の中で何かが欠けているようなお兄ちゃん。そして私の物語。
家族にそれぞれの役割があるのだとすれば、それぞれがその役割を放棄している。
父親の自殺未遂を境にゆっくりとバラバラになってしまった家族。そんな家族の物語。
なんて書いちゃうと何だよコレ、すごく暗い雰囲気じゃない?と思うでしょ。
ところがどっこい、家族の設定はそんななんだけど、日々のエピソードはほんわかしていて温かい。
特にお兄ちゃんと佐和子の間にあるほのぼの感は絶品です。
誰でも気付かないうちに誰かに護られている。それは家族だったり、友人だったり、恋人だったり。
たしかにそうだね感謝しなきゃ。うんうん・・・。
ある出来事によって家族は回復の兆しを見せます。だから一応ハッピーエンドになるのかな。
でも、終盤に起こった出来事にについてですが、私はこの手のエピソードはあまり好きじゃない。
もっと別の方法があったんじゃないかなぁと思います。最近の恋愛小説ってこんなのばっかりだし・・・。
しかも、最後のマフラーの一件はどうしてそういう風になるの理解できない。
どう解釈したらいいのだろう。誰か教えてちょうだい。いやほんとマジで・・・。
――父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。
そして、その悲しい出来事のあとも…。
とても切なくて、ちょっとおかしくてあたたまる、心にふわりと響く長編小説。
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