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今日の朝日新聞の1面トップは,各地の社会保険事務所が,本人に無断で不正に,国民年金保険料を免除したり,納付を猶予したりしていたことが明らかになったというニュースでした。
http://www.asahi.com/national/update/0522/TKY200605220309.html
確かに,本人に無断でこのような処分をすることは違法ではありますが,実際に保険料を支払う資力がない人にとっては,免除処分によって年金受給権が確保されることもあるわけで,これを「保険料の未納率を低く見せかけるための組織的な操作」と言い切ってしまうのも,やや気の毒な感じがします。
国民年金保険料の徴収については,これとは別に気になっていることがありまして…
弁護士などが裁判所から破産管財人に選任されると,破産者の持っている財産を全て換価して債権者に配当します。私も,そのような破産管財人業務を日常的にやっています。
多くの場合は,破産者より,債権を踏み倒される立場の債権者に同情するのですが,中には,親戚や知り合いから頼まれて保証人になったばっかりに破産しなければならなくなった人もいるわけです。
保証人になる方が悪いと言えばそれまでですが,1円の得もなく財産だけ取られるのですから,やはり同情します。
換価した財産を配当する順序として,破産法上,国民年金保険料や税金のようないわゆる公租公課は,一般債権者よりも優先的に弁済されます。
前述のような「かわいそうな破産者」に国民年金保険料の未納がある場合などは,破産管財人として集めた財産を,「主債務者に高利で貸し込んだあげくの果てに保証人を立てさせたような債権者」に配当するよりは,破産者の国民年金保険料の支払に充ててやりたい,というバランス感覚が働くわけです。
そこで社会保険事務所に対して,「国民年金保険料の未納分について『交付要求』すれば,破産財団から支払をしますよ〜」と持ちかけてみても,「交付要求なんてしたことがない」と言って,社会保険事務所は交付要求して来ないのです。
私は交付要求制度について全く無知で,社会保険事務所が本当に法律上交付要求可能なのかどうか,条文にまで当たったことはありませんが,できない理由もないと思っています。
これだけ,国民年金保険料の未納が問題になっているご時世にこちらから払うと言っているものを受け取らないというのもどうかと思いますし,そのお金を前述のような「抜け目ない」債権者に配当しなければならないのも,なんとも後味が悪いのです。
全体の未納率にはほとんど影響しないでしょうが,姿勢として,「払う」という話があったときには乗ってみてはどうでしょうか。
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「組織的な操作」と言い切ることが気の毒とのご意見、同感です。ところで「交付要求制度」なんて初めて聞きました。社保事務所の窓口レベルだと公務員が応対してないケースも多いです。(公務員って国民への応対を直接したがらないです。特に良い老後の電話番号など)課長レベルの公務員を呼んで交渉すれば少し違うかも知れないです。
2006/5/23(火) 午後 8:37 [ iyo*h*njp ]
もともと本人においてなされる手続きであったとは理解していますが、やはり公務員の信用を著しく失墜させる行為でとても残念です。また「交付要求」に関する対応は、勤務実績は評価しても、業務の成果を評価しない成績評価の実態があり、ただの余計な仕事なんでしょうねぇ。やはり残念です。
2006/5/24(水) 午後 0:51
その後も社会保険庁バッシングが続いていますね。もともと一番悪いのは,国民年金保険料を納めず,かつ,免除申請等も提出しない,被保険者本人であろうと思うのですけどね。もちろん違法行為はいけませんが,今回の不正免除で誰かに迷惑がかかったかというと,どうなのでしょうか…。
2006/5/25(木) 午前 10:06 [ hinabeneko ]
破産と国民年金の関係は考えたことがありませんでした。破産者にしてみると、国民年金の支払に充当してもらったほうが嬉しいですね。社保庁は保険料徴収に熱意がないのでしょうか。
2006/5/25(木) 午後 10:23 [ mar*co1*71 ]
単に債務者が浪費して破産したような事件であれば,いくら破産者が「国民年金の支払に充てて欲しい」と言っても聞く耳持たないのですけど。社保庁は,こうして叩かれることで,今後改善がみられるといいですね。
2006/5/26(金) 午後 0:44 [ hinabeneko ]