弁護士の法的独白

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 今日は,朝日・産経・毎日・読売が,社説で,薬害エイズ事件の松村元厚生省生物製剤課長に対する最高裁の有罪判決確定を取り上げていました。




 この事件の最大の意義は,読売が社説の冒頭で指摘しているとおり,「職務上,なすべきことを怠った『不作為』が理由で,官僚個人の有罪が初めて最高裁で確定した事件」ということでしょう。

 毎日の社説は,「薬害に限らず,公務員の事なかれ主義に根差した事件は多いのに,官僚の不作為による有罪が確定するのは初めてというのも,考えてみれば妙な話だ」として,この事件の有罪判決は至極当然であることを前提としているように見えます。


 ただ,この業務上過失致死事件,2人の患者の死亡について刑事責任を問われたもので,1人は昭和60年5月12日から同年6月7日まで,もう1人は昭和61年4月1日から3日までに非加熱製剤の投与を受けています。

 そして,前者については松村氏の無罪判決は既に確定しており,後者について,このたび有罪判決が確定したものです。前者の事件が無罪になった理由は,

 昭和60年12月頃までは血友病治療のために非加熱製剤を使用せざるを得ない状況であり,昭和60年5月当時においては,血友病治療医においてさえそうした治療方針が採用されていたものであったから,血友病治療の経験もない行政官にすぎない被告人が,その治療方針を改めさせる義務があったとはいえない,

 というものであり,こうした非加熱製剤をめぐる状況が,昭和60年12月以降の約4ヶ月でどう変化したかが後者の事件の争点になっていたわけですから,決して「有罪が当然」という話ではなかったと思います。


 こんな重要な事件なのに,裁判所は,この事件の1審判決をweb上で公開してないのですね…。この事件では,高裁・最高裁の結論は1審判決と同じですから,1審判決が非常に大切なのですが。

 長すぎて誰も読まないかもしれませんが,ひっそりと,東京地裁平成13年9月28日の1審判決の「量刑の理由」の部分を,次の記事として載せておきます(長すぎて1つの記事に収まりませんでした)。


 被告人を糾弾することは,既にマスコミが十分やっていると思いますので,あまり日が当たっていないと思われる部分を強調しておきました。

 「これだから公務員はダメだ」的な社説を展開している毎日新聞ですが,そこまで他人を非難できるほど立派な仕事をしている人は,世の中にそう多くないのではないかというのが,私の認識です。

 私自身,自信がありませんしね…。

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memorandumさん,トラバありがとうございました。同じところを見ていらっしゃる方がいるものですね。

「刑事裁判は罪を裁くところであり、功績を賞賛するところではないのだ」との記事,本当にそのとおりです。

第三者的に見て,「裁判所の有罪判決が確定したのだから,やはり罪に値する落ち度はあったのだろう」という思いはありますが,それが人格のすべてではないはずですよね。

2008/3/7(金) 午前 0:41 [ hinabeneko ]

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矜持という言葉をかみしめたいと思います。

職業人である以上、家族を食わしていくために、
社会に参加するために仕事をしている。
どんな職業であれ社会に対して影響を与える。
今、自分がしていることが、
人々の為になっているか、
家族の為になっているか、
よく考えるべきだと思います。

職業に貴賎なしや?
否、
業は賎なり、
されど賎を貴に高めることが
職業である、
なんですよね…

2008/3/7(金) 午前 10:07 [ oyunam ]

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