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1話から読む方はコチラから。 翔子がアノ人と会えるかもしれないと、淡い期待を抱きながら歩く駅からの道。 あの日『優秀アカデミー』へ向う翔子の横をビュンっと追い抜いて行ったアノ人。 黒のジャージに首にかけた赤いタオルが印象的だった。 (何てスピード。危ないじゃない!) 翔子はちょっと腹を立てたが、 小学生みたいにがむしゃらに自転車をこぐ華奢な後姿から何故か目が離せなかった。 次の日も、その次の日もアノ人は翔子をすごいスピードで追い抜いて行った。 歩いている翔子を無視したように、すれすれで横をすり抜けていくアノ人に 「危ないじゃない!」と言ってやろうと身構えるのだが 翔子が声を出そうと思った時にはいつもずっと先を走っていた。 4日目、翔子は今日こそ注意してやろうと、万全の態勢で身構えながら歩いていた。 後ろからシャーッという自転車の音が聞こえた瞬間 翔子は横を向いて「危ないじゃない!」と言った・・・ つもりだったが、「あ!」っと言う間に通り過ぎて行ってしまった。 (今の声、聞こえたかなぁ?) 聞こえていて欲しいような、聞こえたら困るような・・・。 あんなに意気込んでいたのに声を出した途端、何故だかドクンドクンと不安げに心臓が鼓動し始めた。 (「何か用?」って戻ってきたらどうしよう) そう思った瞬間、アノ人はスピードを緩めて自転車を降りた。 (うそっ!) 翔子はきょろきょろとあたりを見回して隠れ場所を探した。 しかし、幸か不幸かこっちに戻ってくる様子はなく 自転車を押しながら少し前を歩いていたおばあさんに何か話しかけると おばあさんの持っていた荷物をかごに乗せて並んで歩き始めた。 おばあさんに寄り添うように、少し体を傾けながら自転車を引いて歩いて行く後姿は 優しさにあふれていて翔子を感動させた。 (やっぱりいいヤツじゃん!) (ってか、何でやっぱり!?) 腹を立ててはいたが心のどこかでアノ人のことが気になっていたのは確かだった。 そう言えば、アノ人が通った後にはいつも一陣の風が吹き抜けていくのだが いつからだろう、その風が心地よくなっていたのは。 そして次の日、アノ人と交差点で並んだ。 アノ人は信号待ちをしていた翔子の横にキッ!と自転車を止めると、首にかけた赤いタオルで額の汗をぬぐった。 翔子は自分の心臓の音が聞こえるのではないかと心配で、少しだけ後ずさりした。 ゆるいウエーブのかかった栗色の髪。 細い首筋から続く華奢な肩。 翔子は斜め後ろからそっとその人を盗み見た。 信号が赤に変わった途端、アノひとは腰を浮かせたまま自転車をこいで いつものように、勢いよく走って行った。 一陣の風を残して。 その風はいつもより穏やかだったが、翔子の心を激しく揺さぶった。 その時翔子は、アノ人に恋をしている自分に気付いた。 そして、塾に通う道がアノ人と自分を繋ぐ唯一の道となった。 ・・・なのにそれ以来、アノ人は現れない。 塾のない日も自習という名目で塾に通った。 会えなくても塾にいるとアノ人の近くにいるような気がして、自習室で勉強をしながらアノ人を想った。 なのに、いつからか翔子とアノ人の間にアイツが割り込んでくるようになったのだ。
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えっ!ちょと待って。。。落ち着いて。。。文中で、翔子が「美香」
に、変わってない???その後は、また、戻ってるけど・・・
何で、来なくなったのよ??うそっ〜〜 アイツって??ポチ
2008/3/16(日) 午後 2:51
うわ〜、ホントだ、間違えてる!ご指摘ありがとう。
だめですね〜登場人物の名前を間違えちゃ!訂正しておきました。
う〜ん、何で来なくなっちゃたんでしょう?
2008/3/16(日) 午後 3:23
自分のコメ見て。笑いそう!
2008/5/22(木) 午後 9:07
この時はわかんなかったんだもんね。
今読むと笑えるけど。
2008/5/22(木) 午後 9:56