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1話から読む方はコチラから。 「実は・・・」 オジはそこで一旦言葉を切ると、息苦しい程近くで自分を取り囲んでいる4人に 「焦る気持ちは分かるけど、もっと離れろよ。」 と言って、手でしっしっと払う真似をした。 不満げに各自が自分の席に座るのを見届けると、ゆっくりした口調で 「電話の相手は、女の子だったんだ。」 と言って困ったように目をシパシパさせた。 4人はオジが何を言っているのか一瞬理解できず、頭の中で何度かその言葉を反復した後、 「えぇぇぇ〜!!」 「何で!」 「ウソやろ!?」 「冗談!!」 と叫びながら立ち上がった。 人が混乱している姿を見ると逆に自分は冷静になるものである。 オジはさっきまで自分がこんな状態にあったのだなぁ、などと冷静に彼らを見つめながら、 「まあ、落ちつけよ。」 と言い、静かにお茶をすすった。 オジの話によると、「話がしたいんだ。」と声をかけると 相手はしばらく黙っていたが、意を決したように小さく息を吸い込むと意外にはっきりした声で 「杉山佳根さんですか?」と聞いてきたと言う。 相手が男だと決め付けていたオジは面食らって、思わず「はい。」と答えてしまった。 その女の子は1ヶ月ほど前に何度かヨシネを見かけて、どうしても話がしたくて電話をしたのだそうだ。 「1ヶ月前って言うと、洋子さんが盲腸で入院してた頃だよな。」 オジは手を伸ばしてテーブルの上のリンゴをつまんだ。 「うん、何日か学校の帰りに病院に寄ったんだよね。 そう言えばあの電話がかかってくるようになったのって、ママが退院してしばらくしてからだなぁ。」 「多分病院に行く途中のヨシを見かけたんだ。」 「さすが色男っ!うらやましいぜ!」 タケシはヨシネの肩をバンバン叩いた。 「誰が色男よっ!」 ヨシネは座ったままタケシのスネに蹴りを入れた。 「しかし、道ですれ違っただけなのに、何でヨシの名前と電話番号を知ってるんだ?」 クマが納得出来ないと言うように腕組みをして言った。 「自転車の後ろに書いてあったのを覚えてたって言ってたぞ。」 「あ、その手があったか。」 クマは速攻納得して、こぶしをもう一方の手の平にパンと打ち付けた。 「しかし何でヨシなんだよ。ここにこんなイケメンがいるのによ。」 そう言うとタケシは上を向いて髪の毛をかき上げた。 ヨシネはチラッと睨むと、もう一度スネに蹴りをお見舞いした。 「それにしても男の子に間違われるなんてヨッシーらしいよね。」 アヤが笑いながら言うと 「俺はこいつが女って事のほうが間違いだと思うけどな。」 タケシはそう言うと今度はヨシネに蹴られないよう素早く正座して足を隠した。 「最初はただ単に声が聞きたくて電話したらしいけど、なかなか本人が出ないから 『本人の声を聞くまで』と思って毎日電話してたんだそうだ。」 「本人出てたよ。」 ヨシネは口をとがらせた。 「仕方ないじゃないか、相手はお前のこと男だと思ってるんだから。」 「ってことはオジをヨシだと勘違いしたって訳だ!」 クマがペシッと膝を叩いた。 「勘違いだとしても一応話はしたんだから、もう電話してくることはないんだよね。」 ヨシネは「ふぅっ」と息を吐きながらソファにもたれた。 「いや、電話はかかってこないと思うけど・・・」 オジは言いにくそうにそこで言葉を切ると 一口お茶を飲んで 「会う事になったんだ。」と言った。 「はぁ!?会う!?」 ソファにもたれていたヨシネがガバッと跳ね起きた。 |
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うらやましいような・・・女の子がかわいそうなような・・・
2008/3/27(木) 午後 5:36
あっきらさん、女の子がかわいそう・・・実はそのフレーズ後で出てくるんですよ〜。鋭いっ!
2008/3/27(木) 午後 8:02
すみれも、高一の時、手紙渡すの、恥ずかしくて、ハンカチの中に
小さな手紙を、入れて自転車のハンドルに結んだ事!
思い出しましたぁ〜〜〜〜〜〜☆
2008/3/29(土) 午後 6:30
わぁ〜、かわいい。
そんなことされたら誰でもクラッときちゃいますよね〜。
2008/3/29(土) 午後 10:11