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目次はコチラです。 駅へ続く道沿いにはコンビニ、本屋、雑貨屋など、 美香が立ち寄りそうな店が並んでいるが、いちいち自転車を止めて中を覗いている時間はなかった。 (とにかく美香が電車に乗るのだけは阻止しなければ!) ナオキの頭の中では『駅へ向う』イコール『電車に乗る』という公式が成り立ち その間にある『店に寄る』という選択肢はあり得なかった。 結果、ばあちゃんがよく歌っていた『あずさ2号』の 『8時ちょおどのぉぉ〜、あずさ2号でぇぇ〜、私は私はあなたから、旅立ち〜ますぅぅ〜』というフレーズが 頭の中でエンドレスで回り続け、『電車に乗ったら最後』ってな気分になっていた。 (何か楽しい事を考えなきゃ!) 『あずさ2号』を頭の中から追い出そうと、ふと右手にあるファミレスに目をやったナオキは 窓越にピンクのTシャツが動くのを見た。 顔ははっきり見えなかったが、よく美香が着ている金色のラメで『Lacky』とロゴが入ったTシャに似ている。 さっきアパートの廊下で見た時もそのTシャツを着ていたっけ。 (ひょっとしたら!) ナオキは慌てて自転車のハンドルを切ると、駐車場の隅にある自転車置き場に乱暴に自転車を突っ込んだ。 そしてみつからないように腰を低くしてピンクのTシャツが見えた窓に近づくと 窓の外に植えてあるゴールドクレストの陰から中を覗いた。 案の定ナオキが見たピンクのTシャツは窓際の席に座った美香だった。 (『あずさ2号』に乗る前にみつかって良かった〜。) (ちょうどいいや、ここで話をしよう。) ナオキが店に入ろうと腰を浮かした時、美香の前に誰かが座っている事に気づいた。 (あれっ?一人じゃないのか?) ナオキは中腰のままズリズリッと移動して相手の顔が見える位置に回り込んだ。 (うそだろっ!?) 美香の前に座っていたのはナオキがバイトしているコンビニに時々来る学生だった。 (何故だ!?まさか僕って二股かけられてたのか!?) (いや、付き合っていると思っていたのは自分だけで、あの男が美香ちゃんの彼なのかもしれない。) さっきまで必死で美香をさがしていた自分は何だったんだろう。 美香は自分の事など気にもかけずに他の男と会っているじゃないか。 (こんな事なら『あずさ2号』でどこかへ旅立ってくれた方がよかった!) (こういう時、普通だったら『何だその男はっ!おまえ二股かけてたのか!?』って怒鳴り込むのかなぁ?) ナオキは今の状態が全て他人事の様な気がして、気持ちがどんどん萎えていくのを感じた。 その反面二人から目を離すことができず、その場から動くこともできなかった。 (何だよ!何だよ!) 悲しいのと悔しいのと惨めな気持ちが入り混じって ナオキはゴールドクレストの陰でウンコ座りをしたまま、手に触れる葉っぱを片っぱしからむしっていった。 |
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中と外の様子が、本当に良く分かります。改めて、恋愛って、
ゲームなんだなぁ〜〜と、思います。でも、一つ間違えば、
怖いゲームになるよね。早く続きプリーズドキドキ"o(〃・ω・〃)o"ワクワク〜ポチ☆
2008/4/5(土) 午後 2:17
恋愛って難しいですよね。
些細なことで行き違ったりして・・・。
時には駆け引きも必要だしね。
2008/4/5(土) 午後 11:56