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ヒノマチコのブログ
機械じかけの予言者

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SEIKO(セイコー)
LORD MARVEL(ロードマーベル) 
23石 初期型(彫字)
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 「ロードマーベル」が発売されたのは1958年(昭和33年)5月です。当時、国産初の最高級紳士用腕時計として第二精工舎諏訪工場から発売されました。196012月に「初代グランドセイコー」が発売されると、最高級品ではなくなったものの「キングセイコー」、「クラウンスペシャル」と共に「高級ライン」での販売は継続されていました。腕時計のグレードがわかる簡単な目安として、石数の差があります。普及機は17石以下、実用機は19石・21石、準高級機は21石・23石、そして高級機は23石以上となっています。高級機となる条件は石数に加え、精度、耐久性、高級感などの要素も必要になります。そして、その時計を買った人がどれだけ満足できるかということです。この「ロードマーベル」は当時とすれば高価でしたがメーカーの予想を大きく上回り販売されました。購入者はこの時計に酔いしれ大切に末永く愛用しました。このような満足感を与えた「ロードマーベル」こそ、高級機と呼ぶに相応しい製品でした。
 「ロードマーベル」というペットネームの製品は1958年から1967年の間に製造され、機械が4種類あります。もちろん機械が変わればデザインも変わります。今回紹介している「ロードマーベル」は初代の製品で、初期頃のキャリバーナンバーなしの掘り込み文字板ハマグリ型ケースの製品になります。
 基礎となったムーブメントは、「マーベル」です。「マーベル」を可能な限り最高級製品に仕上げた機械と思って下さい。磨き込まれた丸穴車や角穴車、各受板に綺麗に彫刻された金色に輝く文字、またネジの一本一本までも磨き上げられています。ムーブメントの特徴は、とにかく時間精度を保証できる設計となっており、ムーブメントにセイコー初のシリアルナンバーが刻印いることです。発売当初の極僅少のSマーク付最初期製品は、耐震装置が“S-1型”になっており、その後“S-2型”へとすぐ切り替わっていきます。
 文字板の特徴として、6時上に“Special Dial(スペシャルダイヤル)”通称“SDマーク”といわれる太陽のような星型のマークが表記されています。これは、時刻を表すインデックスが18Kまたは14K無垢が使用されていることを意味するマークなのです。そして、12時下の筆記体「Seiko Lord Marvel」と彫文字で表記されていますが、これは初期型になります。最初期型は書体の上にSマークが入ります。彫文字の後は印字へと変わっていきます。
 ケースですが、ここで紹介する14K80ミクロン総金メッキと、ステン、18K金無垢のものがあります。形状は最初期のSマークのものがよく「マーベル」等で使われていたような14型の形状をしています。その後のここで紹介するような初期型は蛤型と呼ばれるJ14型のケースになります。しかし、最初期型と初期型の間の変遷期に極少量のデザインのものがあります。文字板のペットネームの書体もやや癖があるもので、裏蓋も最初期と初期型の中間のような形状です。そして、後期型になってくると、裏蓋側にパッキンを用いた15型のケースになります。
 「ロードマーベル」の安定した高精度は、1961年から通産省中央計量検定所が実施した「長期精度比較試験」第1回〜3回の全てに於いて第1位という快挙で、外国製品より優秀であることが実証されました。あの「グランドセイコー」より、この初期型「ロードマーベル」の精度の方が良かったらしいです。
 1958年の大卒初任給がおよそ13000円の時代に、この「ロードマーベル」の販売価格は12800円でした。給料一月分ぐらいの高級時計だったのです。
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1958(昭和33)製造開始
・第二精工舎諏訪工場製 
80ミクロン14K総金張り 
23
・手巻き 
・非防水 
・プラスチック風防 
Cal.№無し 
11.1/2型ムーブメント 
・毎時18000振動 
・スナップバック 
S-2型耐震装置 
・掘り込み文字板





他のモデルは以下の過去ブログよりどうぞ。










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    こんばんは。

    ロードマーベルのLMをお持ちとは凄いですね。。。
    LMK(5740A)は整備した事が有りますが、初期型は憧れです。。。
    ところで、片振り修正用の稼動ヒゲ持ちはこの機械からでしたよね?
    整備する者としては、この機構が有るととても助かるんです…。 笑)

    [ とんぬら ]

    2014/9/15(月) 午後 11:50

    返信する
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    とんぬら 様

    コメントありがとうございます。
    そうですね。片振り修正装置が採用されています。セイコーではこの製品以降から積極的に採用されていきます。この初期のロードマーベルは、この機構で調整した後は固定しなければなりませんので、止めネジが設けられてるのも特徴です。後期型からはこの止めネジが無くなりますね。
    私はこの装置をいじって調整するほど技量がないので、なるほど・・・と思うまでです。
    このような機構の説明はブログでは割愛しています。色々な機種の特徴をあげればきりがないし、読んでくれた方みなさんもわからないことなので。。。でも、さすがはとんぬら様です。こういうコメントをいただけるとは当時の設計者が喜んでおられると思います。

    ヒノマチコ

    2014/9/16(火) 午前 9:23

    返信する
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    素晴らしい時計です。
    文字板が、僕のあこがれのGS firstにそっくりです。
    こんなに状態の良いロードマーベル初期型も珍しいのではありませんか?

    ・・・。

    [ のんき ]

    2014/9/28(日) 午後 3:36

    返信する
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    のんき 様

    ありがとうございます!
    比較的様態も良いですね。国産古時計に目覚めた当初、一番最初に欲しかった時計が、この初期の「ロードマーベル」でした。しかし状態がいいものが無く、次に目を付けていたものが「クラウン」でしたので、第一号は「クラウン」でした。ですからこの「ロードマーベル」は随分あとにゲットしました。

    ヒノマチコ

    2014/9/28(日) 午後 3:44

    返信する
  • nao**yan さん

    ナイスをいただきありがとうございます。

    ヒノマチコ

    2017/11/11(土) 午後 9:10

    返信する

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