ここから本文です
ヒノマチコのブログ
機械じかけの予言者

書庫全体表示

SEIKO(セイコー)
MERCY(マーシー)
国産2代目腕時計 4石
イメージ 1
 この「マーシー」は1914年(大正3年)に国産の二代目腕時計として登場しました。国産時計史に於いて、国産初の腕時計は1913年(大正2年)に登場した「ローレル」です。「ローレル」はあまりにも有名な時計です。しかし、ここで紹介する二代目の国産腕時計「マーシー」はあまり知られていないような存在です。「ローレル」はその後に何度も初代に肖るような形でそのペットネームは使い続けられましたが、「マーシー」の名は、隠れた名称となって後世に知れ渡ることはありませんでした。中古市場に於いて、「ローレル」よりも見かけることのない製品です。国産機として二代目の腕時計なので、どうしても初代の「ローレル」と比べられてしまいます。「ローレル」は確かに大変貴重なもので、2014年には日本機械遺産にも選ばれています。その存在意義と知名度と歴史的価値は凄いものです。しかし、二代目の「マーシー」は着目はされないものの、その希少価値は「ローレル」以上のものがあると私は思います。
 この製品は「ローレル」同様に、懐中型の時計も展開されており、同一ペットネームでありながら、腕型と懐中型の展開がありました。
 ムーブメントですが、4石の13型サイズとなっています。「ローレル」が7石だったのに対し、「マーシー」では4石ですからその内容は簡略化されたものになっています。しかし、サイズは一回り大きくなりました。簡略化されたものの中でも、貴石配置はテンプの上下4石のみで、受けは一番受も三番受もくっついた一枚の総受となっています。テンワはチラネジ付きのようにも見えますが、その形に打ち抜いて加工して似せた見た目だけのテンワになっています。高価だった「ローレル」よりも、求めやすくするようコストダウンさせたものかと思われます。そして、その後の昭和2年に登場する「モリス型」のムーブメントと、その見た目の形状がもう似てきています。
 文字板ですが、基本として瀬戸干支を採用しており、「ローレル」と同様の展開になっています。他のデザインもあるかもしれませんが、現存機が全くないような時計ですので、他の製品を調べるほどの情報がありません。ここで紹介するものは一般的な腕時計型「マーシー」のデザインといえます。大き目のアラビア数字に赤色の12時がとても印象的で、視認性にも優れているようにも思います。
 ケースですが、「ローレル」同様にいくつかのタイプがあるかもしれませんが、オリジナルのものにどのようなデザインがあるのか確認が難しいです。銀製、金製、メッキ製、そのケース材質も分かりません。
 1921年(大正10年)の大卒初任給が50円の時代、この製品の販売価格は11円25銭でした。ちなみに同年の「ローレル」は16円75銭ですので、「ローレル」の方が4円50銭も高価な時計だったということが分かります。登場した1914年の販売価格がどのくらいのものだったかは分かりませんが、この時代の時計といったら掛け時計のクロック、懐中時計が主になってきますので、腕時計は高価であり需要がまだまだな時代でした。
 それから名称の「マーシー」ですが、当時の舶来製品の「シーマ」を逆読みさせて、国産機でありながら、見た目は舶来製品のようにしていたそうです。その時代らしいエピソードです。「MERCY(マーシー)」のスペルの意味は「慈悲」という単語になります。意味を知ると、こんな不思議な名称をペットネームにする時計メーカーがあるでしょうか?本来なら売れるようにする為にも、製品の個性にあった名や、明るく希望に満ちた名が採用されるものだと思いますが、さすがに「慈悲」は相応しいようにうにはあまり思えません。例えば「LAUREL(ローレル)」は「月桂樹」という意味です。月桂樹の花言葉は、「栄光、勝利、栄誉」というもので、これからの精工舎を見据えていくような希望ある名称です。そのようなことを色々と考えてしまうのですが、噂になっている「シーマ」の逆読み説は、妥当な見解なのかもしれませんね。
イメージ 2
イメージ 3


1914年(大正3年)発売開始 
・精工舎製 
・パリス環ケース 
・手巻き 
・非防水
Cal.なし 
・4石 
・毎時18000振動 
13型ムーブメント 
・琺瑯文字板 
・ブルースチールペア針



ヒノマチコのブログを応援してくださる方は下のURLをクリックしていただくとありがたいです。

人気ブログランキング→ https://blog.with2.net/in.php?1692514


この記事に

  • 顔アイコン

    今日は(^^)
    少し元気になられたようで、良かったです(^^)

    ローレルは有名ですが、マーシー、、、知りませんでした(^^;)

    いつも勉強になります。

    ありがとうございます(^_^)

    [ nao**yan ]

    2018/2/19(月) 午後 1:46

    返信する
  • こんにちは(^_^)

    「ローレル」は今でも見ることはありますが「マーシー」は全く見かけませんね。
    「ローレル」の名前はセイコーの中でも特別だったようで私が所有しているローレルの文字盤もSEIKOの上にlaurelの表示がされてます。

    そんな偉大な「ローレル」の陰に隠れた「マーシー」日野さんの元で保存されているのが嬉しいです(^^)

    それにしても「シーマ」を反対に読んで「マーシー」\(^o^)/
    このセンス!私は大好きです(^_^)v
    色んな思惑があったのでしょうが中々やるじゃないですか(^∇^)

    そして「セイコー」の隆盛と「シーマ」の今・・

    [ kot***** ]

    2018/2/19(月) 午後 4:22

    返信する
  • 顔アイコン

    マーシーのほうがローレルより大きいので、好きなんですけど不動状態でほったらかしです。なんとかならないかな〜と思いながらかなりの月日が経ちました。

    [ 精工舎の時計を集めてるヨ。 ]

    2018/2/19(月) 午後 5:16

    返信する
  • シーマの逆読みでマーシーですか(笑)真面目一筋の精工舎にもおちゃめな顔があるのですね。ますます好きになりました。それにしても視認性抜群!いい顔してますよね。

    まめ太。

    2018/2/19(月) 午後 10:46

    返信する
  • > nao**yanさん

    ナイスにコメントありがとうございます。
    そうですね^ ^
    少しずつですが、気持ちも仕事も落ち着いてきました。ご心配をお掛けしております。
    お気遣いいただいた皆様に感謝の気持ちを込めて、国産機の中でも希少品なマーシーを紹介させてもらいました。
    マーシーって言うものがあったんですねぇ。。。田代のマーシーではないですよ(笑)。

    ヒノマチコ

    2018/2/20(火) 午後 0:26

    返信する
  • なでしこ さん

    ナイスをいただきありがとうございます。

    ヒノマチコ

    2018/2/20(火) 午後 0:48

    返信する
  • > kot*****さん

    こんにちは。
    ナイスにコメントありがとうございます。
    「ローレル」より「マーシー」の方が希少性は高く、現存機がかなり僅少になるかと思われます。私がコレクションとして所有していていいものなのかはよく分かりませんが、デザイン等はとてもいい時計に思います^^
    当時の「セイコー」もあやかった、スイス機の「シーマ」ですが、今となっては。。。ですね。

    ヒノマチコ

    2018/2/20(火) 午後 0:58

    返信する
  • > 精工舎の時計を集めてるヨ。さん

    ナイスにコメントありがとうございます。
    確かにサイズが大きいので、現代でも使用していても何ら問題もない腕時計ですね。まぁ、精度は全くの別物としてですけどね^^
    お持ちの不動マーシーが早く復活できるといいですよね。

    ヒノマチコ

    2018/2/20(火) 午後 1:02

    返信する
  • CAN さん

    ナイスをいただきありがとうございます。

    ヒノマチコ

    2018/2/20(火) 午後 1:02

    返信する
  • ドラのび太 さん

    ナイスをいただきありがとうございます。

    ヒノマチコ

    2018/2/20(火) 午後 1:03

    返信する
  • > まめ太。さん

    コメントありがとうございます。
    真面目なセイコーとはいえ、当時のセイコーの技術はスイス機を真似すること、見習うことで内容よりも形からといったような展開方法でしたので、今となっては御茶目のようにも思えますが、当時は真剣に考えた末の答えだったのでしょうね^^
    これも国産時計史の歩んだ道ですね!

    ヒノマチコ

    2018/2/20(火) 午後 1:07

    返信する
  • とんぬら さん

    ナイスをいただきありがとうございます。

    ヒノマチコ

    2018/2/20(火) 午後 1:08

    返信する
  • 顔アイコン

    ああ、もう、なんと、ビックリしました。
    写真とはいえ、個人のブログで見ることのできる時計
    とは思っておりませんでしたので、思わず「わぁ」と声を出しちゃいました。

    噂になっている「シーマ」の逆読み説、日野さまもそう思われるのですね。噂だけかなあ、と思っていたのですが日野様が理路整然と
    見解を拝読して、ああ、なるほどなるほどと頷いた私です。

    [ mis*e*a3* ]

    2018/2/22(木) 午後 8:52

    返信する
  • > mis*e*a3*さん

    コメントありがとうございます。
    そんな反応をしてくださり恐縮です!確かにマーシー腕時計は大変貴重なものなので、滅多にお目にかかれないかもしれませんね。御縁あって私の手元にやってまいりました^ ^
    噂のシーマ逆読み説の見解は、個人的に思ったことを記したまでで真意は分かりません。けど、当日の国産機では当たり前にあり得ることですので、妥当な線かもしれませんよね^ ^
    それにしても、このマーシー良いデザインですよね!

    ヒノマチコ

    2018/2/22(木) 午後 9:46

    返信する
  • 顔アイコン

    > ヒノマチコさん

    ほんと、良いデザインですね。

    興奮しすぎておくり仮名を間違えてますね、私。

    日野様が理路整然と見解を拝読して、
    日野様の理路整然とした見解を拝読して

    ですね!

    ここ1週間ほど、悲しいことと、ごたごたしたこととが
    重なり、ちょっと落ち込んだり、ぐったりしていたんですが
    マーシーを拝見して元気になりました!

    [ mis*e*a3* ]

    2018/2/23(金) 午前 0:24

    返信する
  • > mis*e*a3*さん

    珍しいものを見掛けた時などは、私もついつい興奮してしまいます。その辺は皆さん同じのようですね(笑)。私など何でもないときでも誤字脱字ばかりでお恥ずかしいかぎりです^^

    そうでしたかぁ。。。落ち込むような日が続かれたのですね。元気なくなってしまいますよね。。。そのような時にこのマーシーをアップできて良かったです!現実から少し離れたい時は、趣味の時間に目を向けることが一番いいかもしれませんね^^
    mis*e*a3* さんが元気になれるような記事が更新できるかは分かりませんが、時間がある時にでもまた訪問ください(^o^)/

    ヒノマチコ

    2018/2/23(金) 午前 7:38

    返信する
  • has***** さん

    ナイスをいただきありがとうございます。

    ヒノマチコ

    2018/2/23(金) 午前 7:39

    返信する

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
  • 名前
  • パスワード
  • ブログ

開くトラックバック(0)

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事