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ヒノマチコのブログ
機械じかけの予言者

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思ったことを述べます



 たまには時計紹介記事や、お出かけ時に連れ出す時計の話ではない内容の記事を記してみようと思います。とはいえ、最初に言っておきますが大したことを述べるわけでもないので、興味ない人はスルーして下さい(笑)。

 タイトルに挙げた通り、セイコー「ロードマーベル」について昔から思っていることを今回はダラダラと記します。

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 1958年(昭和33年)、国産初の最高級紳士用腕時計として第二精工舎諏訪工場(後の諏訪精工舎)より登場した「ロードマーベル」。まだ「グランドセイコー」(1960年登場)が世に出ていない時の国産初の最高級腕時計です。まぁ、結局は初代「グランドセイコー」に国産の最高級機の座を譲るのですが、最高級機のノウハウを教えた時計なのですよね。言い換えれば初代「グランドセイコー」の恩師でもある「ロードマーベル先生」ということなんです。国産の古時計が好きな人や、興味のある人は必ずこの時計を目にし、好意を持ち「手に入れたい」と思うものです。私のブログでも過去記事にて紹介していますが、本当にいい時計なんですよね。ここではアレが凄いだとか、ここが素晴らしいとかの話は割愛します。このブログを読んで下さる皆様はもう「ロードマーベル」の素晴らしさはよくご存じでしょうから。

 数々の腕時計を開発し世に送り出してきた「世界のSEIKO」さん。今現在のセイコーの腕時計販売事情とは違い、昔はペットネームというものが各々の腕時計についていました。この「ロードマーベル」という製品名もペットネームにあたります。当時は今と違って商品の開発展開が早く、開発しては発売され消えていくの繰り返しだった腕時計市場です。しかし、この「ロードマーベル」だけは他の腕時計達と違うところがあり面白いのです。今回私が述べたいのはこの部分なのです。

 まず、他の時計と何が違うのか。。。、1958年に登場した当時より「ロードマーベル」というペットネームで、1978年までの20年もの間販売されていた製品です。こんなにも単一ペットネームにて長期に亘って販売された製品はないでしょう。。。国産時計史に於いて思いつきません。しかし、このことは国産古時計が好きな方には有名なことで誰しも知っていることでしょう。
 そこで私が思ったことは、長期に亘る製品展開はこの「ロードマーベル」の販売期間に及ばないにしても他の製品にもありました。「キングセイコー」、「グランドセイコー」、「オリエントスター」、「シチズンホーマー」等々。しかし、これらの製品とは明らかに歩んだ路線が違うのです。それはカレンダー機構や自動巻機構が設けられず、最初から最後までずっと一貫してただの中三針手巻腕時計だったところです。要は時代のニーズに背いたシンプルデザインの頑固ものだった訳です。

 腕時計というものは精度の向上は勿論のこと、それ以外に防水性、自動巻、日付表記、曜日表記、などといった様々な機構が付加されていきました。特に日本は高度経済期を迎え、日々忙しく働く日本人のニーズに応え(または合わせ)、カレンダー機構は必須であった1963年以降の社会人の腕時計事情、もちろん1970年を過ぎても状況は変わらず、むしろ当たり前の機構でした。しかし「ロードマーベル」はそんなことはお構いなしで、カレンダー機構を付加した製品を世に送り出さないままでした。私からしたらこれはかなり凄い事なんです。あの「キングセイコー」ですら初代ノンデイトの次に秒規正、そしてカレンダーの順番で展開しています。「グランドセイコー」では、初代ノンデイトの次に二代目としてカレンダー製品です。他の高級ラインで言っても、オリエントの「グランプリ」もすぐにカレンダーに自動巻です。シチズンの「クロノマスター」も仲良くカレンダー付です。それが普通の流れなんです。そもそも当時のこれらの防水やカレンダーなどの、あったら有難い機構というものは高級品として必須なものであり、高級品には有って当たり前というものでした。それは「ロードマーベル」だって防水ケースになり、振動数もアップしましたが、カレンダーは唯一付加されないままでした。今よりも昔の感覚で言うなれば、「高級品の腕時計は手巻式である」という概念がありますが、「ロードマーベル」はそれを守っているだけに留まらず、更にカレンダーもないノンデイトのままだったのです。

 「ロードマーベル」が展開された20年間は、他の製品と肩を並べてもウズウズしてしまいがちで、もどかしさもあった感じだと思います。次のモデルが出るたびに、またノンデイト。。。その繰り返しなんですからね。単一ペットネーム製品としては当時、時代に乗り遅れていた製品展開だったはずです。よく言えば、登場した1958年からの国産最高級紳士用腕時計としてのポリシーやメンツはかたくなに守った貞操観念のある腕時計です。でも、実際のところ途中から「ロードマーベル」は言うほど高級品でもなくなりました。グランドやキングにその座を譲ったというより奪われた形です。国産機では頂点に君臨していた最高級機からの準高級機(上級機かも?)となっていきます。そこも引っかかるところなんです。そこまで高級品でもない時計にカレンダーすら付加しない。。。。もし、付加していたらもっと売り上げが伸びたりしていたのではないだろうか。。。機能と価格のバランスを考えれば、GSやKSをも超えた人気があったかもしれない。。。普通開発時は色々考えると思います。私はそんなことを考えると「何故。。。」この二文字ばっかり頭の中に浮かんできます。拘りがあったとしてもカレンダーを付加するのは当たり前だった時代なんです。そういう意味ではこの「ロードマーベル」は摩訶不思議な腕時計です。

 逆に「こういった拘りのあるペットネームの製品があってもいいじゃない!」とも思いますが、こういうことができる余裕のあるメーカーって・・・・・・そうです、「世界のSEIKO」さんなんですよね(笑)。。。^^

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 この「ロードマーベル」がやってきたことというのは、、、何か良い例え話があればいいのですが。。。車で言うならば、トヨタの初代クラウンが、デザインやエンジンの排気量などが時代と共に変わっていきますが、現代にもなってナビもオーディオも無ければエアバッグも無く、窓はクルクル式で、スピード過多(100キロ)でキンコンキンコンと。。。それらも言い過ぎかなぁ、たとえが難しいですが、いつまで時代のニーズに背いているんだ!と言いたくなるようなクラウンとでも言えばいいのでしょうかね(笑)。カメラで言うなら今でもフィルム式の一眼レフで勝負しているニコンFでしょうか。。。パソコンで例えるなら、、、まだパソコンですらないワープロのままで勿論ネットなんか繋がらないただのワープロのまま今も勝負しているような機体でしょうかね。^^
 結局はいい例えが思い浮かびませんが、良い意味でも悪い意味でもブレない時計とでも言えば無難に聞こえるでしょうかね。そんな唯一無二の「ロードマーベル」なのでした。皆さん、人生で迷ったら「ロードマーベル」を思い出して下さい。少しの修正点はあったものの、その周りに流されずにブレない根性が20年もの長期販売に繋がったのですから。。。

 このように、「ロードマーベル」という時計に対して私の感じたことを記してみました。人によって捉え方や感じ方はそれぞれです。私の視点から見た見解ですので、どうでもいい話であり、内容の薄い記事かもしれませんね(笑)。
 いずれにしましても、ここまで御拝読いただきありがとうございました^^




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この記事に

  • ヒノマチコさんの知識は本当貴重です。ロードマーベルはどこか不思議な魅力があることは感じていたのですが、まさかこんな歴史があるとは知りませんでした。久しぶりに良い時計記事を読ませて頂きました。ありがとうございます。

    自分はまだロードマーベルを所有したことがありませんが、この記事を読み、かなり興味が出てました。買いたい!

    [ tou***** ]

    2019/1/12(土) 午後 8:25

    返信する
  • ロードマーベルもgsもksも初代はノンデイト手巻きです。ついでに言うと、12時側はSEIKO のロゴではなくペットネームです。それがなんだか格好よいなとはずっと思ってました。唯一無二感が半端ない。二代目三代目に関してもノンデイト手巻きの古式なフォーマルなドレスウォッチをセイコーが残してくれた。それがロードマーベルなのかなと個人的には思います。ホント、国産機械式では貴重なモデルだと感じます。

    [ psu***** ]

    2019/1/13(日) 午後 5:55

    返信する
  • 顔アイコン

    こんばんは。
    蛇足ですが、この間までBS12で放送していた「時間ですよ」昭和46年版でまさしく「時間」がテーマの回がありました。銭湯の旦那さん(故船越英二氏)の時計はアラビアインデックスのロードマーベルでした。グランドでもキングでも、勿論舶来品ではなく、ロードマーベル。あまり儲かってない自営業者の腕にはロードマーベルくらいが絶妙の選択だと思いました。( ゚Д゚)

    [ とらお ]

    2019/1/13(日) 午後 9:50

    返信する
  • > has*****さん

    こんばんは。
    いつもありがとうございます。
    想いが伝わったでしょうか(笑)。
    まぁ、色々と見てきたからこそ分かることでもあります。セイコー陣営のロードマーベルに対する展開の意図は分かりませんが、色々と推測するのも楽しいものです^_^

    ヒノマチコ

    2019/1/13(日) 午後 10:38

    返信する
  • > kot*****さん

    こんばんは。
    いつもありがとうございます!

    言われてみれば、、、ですよね^_^
    やはり当初から最後まで、ロードマーベルは先生でもあった訳なのです。
    まさにペットネーム通りの時計です!

    ヒノマチコ

    2019/1/13(日) 午後 10:43

    返信する
  • > tou*****さん

    コメントありがとうございます。
    私の考えることが貴重な意見となるかは分かりませんが、そのように言っていただけて恐縮です。
    このロードマーベルという時計は内容も勿論いいのですが、私はこのペットネームの響きも好きなんですよね。とってもセンスが良く、格好いいですよね^_^
    是非とも手に入れてみてください!

    ヒノマチコ

    2019/1/13(日) 午後 10:50

    返信する
  • > psu*****さん

    コメントありがとうございます。
    往年の名機の初代は年代的にも皆ノンデイトですよね。セイコー表記の規定前の製品こそ味のあるデザインが多いのは誰もが思うとこでもあります。本当にロードマーベルの存在というのは貴重ですよね。

    ヒノマチコ

    2019/1/13(日) 午後 10:56

    返信する
  • たしかに同一ペットネームで
    カレンダーも搭載せずいった時計は
    ロードマーベルだけなんですね。
    存在理由は需要がやはりあったからなんでしょうね。
    最近電車の中で使い込まれたハイビートロードマーベルを使っている人を見てちょっと感動しました。その風防の劣化具合がカッコ良かったのです。

    ぷらな

    2019/1/13(日) 午後 10:57

    返信する
  • > とらおさん

    こんばんは。
    コメントありがとうございます。
    日頃寒い日が続きますね。仕事が忙しくなってきていますので風邪を引きたくないところです。
    ロードマーベルの立ち位置は、人によっては捉え方が違いますので、ある意味変幻自在なカメレオンウォッチではないでしょうか。国産機の中でも本当に面白い時計ですよね。

    ヒノマチコ

    2019/1/13(日) 午後 11:01

    返信する
  • > ぷらなさん

    コメントありがとうございます。
    基本的なスタイルがそのままのロードマーベル。それで20年。本当に凄い時計ですよね。やはりそれなりの需要やファンがいたのかもしれませんよね。
    電車の中でそんなマニアックな方がいたのですね。風防が劣化しているということは形見の時計なのでしょうかね。でもそういう時計を街で見かけると嬉しい気持ちになるのも良く分かります。

    ヒノマチコ

    2019/1/13(日) 午後 11:08

    返信する
  • ロードマーベル、わたしもファンです。以前に勢いで入手しまして使っています。女性の腕にも大き過ぎない素敵な
    時計ですよね。

    まめ太。

    2019/1/14(月) 午後 3:31

    返信する
  • 顔アイコン

    こんばんは。

    明けましておめでとうございます。
    今頃になって大変失礼いたします。 笑)

    そうか…、確かに日付も曜日も備えていませんね。。。
    全然気が付きませんでした。。。 (;´Д`)

    私みたいに時計の分解をしていると、基準時計ってものが必要になります。
    私の場合はシチズンの電波ソーラーなのですが、もしかして時計技術者の為にわざと余計な物を排していたという説はどうでしょうか?
    精度や整備性は抜群のロードマーベルですから、基準時計としての需要は有ったように思うのですが…。

    [ とんぬら ]

    2019/1/15(火) 午前 1:43

    返信する
  • > まめ太。さん

    コメントありがとうございます!
    ・・・えっ!?
    お、お待ちなのですか!?
    女性の方でロードマーベルをお求めになりご使用されているなんて、、、素敵過ぎる話ではないですか!!
    感服です^_^

    ヒノマチコ

    2019/1/15(火) 午前 6:49

    返信する
  • > とんぬらさん

    おはようございます。
    いつもありがとうございます!

    そして、あけましておめでとうございます(笑)。

    そうなのですよね。何にもない顔で突き進んでいた時計なんですよね。このことは言われて気付く方が結構多いのではないかと思います。
    基準時計説ですね^_^
    確かに精度良好機だけあって、あり得る話かもしれませんよね。でもこうして色々な仮説を立てることができるのも技術の差が見えてくる機械式時計のいいところかもしれませんね^_^

    ヒノマチコ

    2019/1/15(火) 午前 7:03

    返信する
  • 日野様
    おはようございます、当方も年明けより、LordMarvelに関して年配のコレクターより様々な情報を見聞きしまして、一般的なモデルより何かと謎の多いロードマーベルに関心を抱いております。

    本体以外にも謎の多いモデルです。

    蛤の時もそうでしたが、開けると機械の仕上がりにまず驚きますね。

    [ 古蠍 ]

    2019/1/15(火) 午前 8:46

    返信する
  • > 古蠍さん

    おはようございます。
    最初期モデルはまだ所有しておりませんが、あれは最高に格好良いですよね。初期のロードマーベルの機械は仕上げ方が一際目立ちますので晩年期より魅力的です。セイコーファンが必ず通る道でもありますが、近年は良品が減ってきているようにも感じますよね。

    ヒノマチコ

    2019/1/15(火) 午前 9:37

    返信する
  • 顔アイコン

    昔、何度かコメントさせていただいたことがあります。ウエタカと申します。
    ヒノ様は現在冬眠中とのこと。どうぞお体に気をつけてご自愛ください。

    私は先日初のアンティークウォッチとして、ロードマーベル36000を購入しまして、その興奮冷めやらぬ中、この記事を拝読し、ついコメントを残した次第です。

    単なる想像ではありますが、ロードマーベル大好き、かつカレンダー表示大嫌いおじさんがいたのかな。 なんて感想を持ちました。
    カレンダーがないことが美しい文字盤の必要条件だと、考える方いらっしゃいますよね?その拘りと、実用時計としての利便性を天秤にかけて、拘りが勝ってしまうおじさんが、ロードマーベルというペットネームが大好きだったのかななんて。

    また、私は36000に関しては、ムーブメントも全然違うし、ロードマーベルという名前で無くてもいいのかも、なんて思うんですが、例のおじさんが「10振動機をロードマーベルに載せてあげたい。」もしくは、「10振動機が載るからには、準高級機だろ?ならロードマーベルだよ。」なんて言ったのかな、なんて。

    本当に、駄文・長文失礼いたしま 削除

    [ ウエタカ ]

    2019/1/25(金) 午前 5:11

    返信する
  • 顔アイコン

    すいません。連続のコメント失礼します。何故かどうしても、これも書きたくなってしまいまして。

    トヨタハチロク(レビトレ)が中古車市場で大人気なのは、某漫画の影響も当然ありますが、1.6ℓクラスで、MTのFRがなかなか無いからなんですよね。利便性や性能面を考えると、FFのATになるけど、やっぱりFRでMTのライトウェイトスポーツがいいっていう人がいる。
    純粋に売上だけを考えたら、存在出来ないから、現在ではなかなかお目にかかれない、そんな魅力がカレンダー機能のないロードマーベルには有るのかもしれませんね。仮にも、最高級機であった、ロードマーベルと大衆車の代名詞カローラを並べて論ずるのは違う気もしますが。

    本当に失礼しました。 削除

    [ ウエタカ ]

    2019/1/25(金) 午前 5:13

    返信する
  • > ウエタカさん

    おはようございます。
    えぇ、機械式時計に興味を持つようになり、お父様に時計のプレゼントを考えられていたウエタカさんですよね^_^
    こうしてコメント下さりありがとうございます。
    只今激務も激務でお手上げ状態になりつつあり、ブログ冬眠中です(笑)。
    36000の御購入おめでとうございます。今も根強い人気のある古時計の一つですよね。開発部には頑固な方がいたのかもしれませんよね。その方もきっと時計が大好きだったのでしょうね。そして試作的とはいえ10振動機に相応しかった既存ムーブがクラウンベースだったのでしょうね。やはりクラウン系は凄いってことです^_^
    ハチロクの話はごもっともでしょうね。漫画の影響も関係していると考えると、時計の漫画もあれば、時計業界ももっと盛り上がるのかもしれませんよね。
    なるほどなコメントありがとうございました^_^

    ヒノマチコ

    2019/1/26(土) 午前 8:22

    返信する
  • 顔アイコン

    ロードマーベル、質実剛健って感じでとてもいいですよね。

    国産バイクには「ヤマハSR400」という名機があり、1978年から実に40年もの間、単気筒・キックスタート式という原始的な方式を貫いています。排ガス規制が強化されるたびに製造中止がささやかれますが、いまだに現行機種というのは凄いと思います。1978年のデビュー時と基本設計が同じエンジンとフレームを使い続けているのは、世界中を見てもSR400くらいではないでしょうか。

    どことなく、ロードマーベルやシチズンホーマーとイメージが重なります。

    [ neon*simizu ]

    2019/2/3(日) 午後 7:23

    返信する

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