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最近の記事はコメント&トラバを承認制とさせていただきました、あしからず。

たまには外国の映画

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この作品はDario Argento(ダリオ・アルジェント)監督がもっとも気に入らない作品だそうだ、それがどうした?
 
ミステリーファンやら映画通からは酷評もされているらしい、そんなことは一切関係ない。
 
なぜならJames Franciscus(ジェームズ・フランシスカス)が出ているからだ、しかも主演だ、私は彼のファンなので、彼が出ているかぎり悪口は(あまり)書かない(ようにしたい)。
 
Karl Malden(カール・マルデン)の名前を耳にして『波止場』『欲望という名の電車』『パットン大戦車軍団』のいずれをベストにするか悩む人は多いと思う。
 
まちがっても『メテオ』や『サイレンサー/殺人部隊』をベストに持ってこないでほしいとマルデンは思っているかもしれない。
 
マルデンは「自身が出演したすべての作品を誇りに思う」と言う、しかし、「三振もあればホームランもある」ともいう、正直な人である。
 
オスカー俳優であるマルデンが、イタリア映画、しかも『歓びの毒牙』で当てた新進気鋭の監督の作品に出演したとなれば、これはただごとではあるまい。
 
・・・と、事前に盛り上げておいて、と・・・
 
★ネタバレしてます★
 
イタリアの町に住む盲目のフランコ・アルノ(カール・マルデン)は元新聞記者だが今ではクロスワードパズルの製作を請け負っている。
 
マルデンと一緒に暮らしている姪の少女ローリーは最愛の叔父を「クッキー」と呼ぶ。
 
ある晩、ローリーと散歩していたマルデンは路駐の自動車の中にいた若い男の声に耳をそばだてた。
 
翌朝、その場所へマルデンがやってくるとパトカーが来て物々しい雰囲気だった。
 
通りかかったジャーナリストのカルロ・ジョルダーニ(ジェームズ・フランシスカス)に状況を確認したマルデンは、近くの遺伝工学研究所で盗難事件があったことを知る。
 
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マルデンとフランシスカスの出会いは偶然だった。
 
その研究所では遺伝子の中から殺人傾向のある特徴を探り出し、犯罪抑止に役立てようとしていたのだが、その研究所に関する重要な機密が奪われ、守衛が襲われた。
 
研究所の所長の娘であり研究者でもあるアンナ・テルジ(Catherine Spaak:キャサリン・スパーク)は無駄にエロい身体をしていたが、いかんせん、この研究所の男性は同性愛者が多いらしい。
 
犯人に心当たりがあると言っていた主任研究員のブラウン(Horst Frank:ホルスト・フランク)は、駅のホームから転落し列車に轢かれてむごたらしい死に方をした。
 
彼の愛人は真犯人の手から機密書類を奪い返して隠したが、真犯人によって絞殺された。
 
その愛人から機密書類のことを聞いていたフランシスカスは前科者の金庫破りに協力させてブラウンのデスクを探させたが見つからない。
 
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「素敵だね・・・」と言い寄ってきた同性愛者の研究者に困ってるフランシスカス。
 
マルデンは愛人は用心深い性質だからきっと機密書類を肌身離さず持っているはずだと言う。
 
マルデンとフランシスカスは命を狙われる。
 
スパークと一緒にいた(ていうか、寝た)フランシスカスは届けられた牛乳に毒が盛られていたことを知る。
 
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身体と心の悩み相談に来た(うそ)スパーク、フランシスカスがノーマルでよかったね!
 
マルデンは警察に保管されていた愛人の遺品の中に機密書類がないことを知ると遺体を調べることにした。
 
しかしマルデンは目が見えないので、目が見えるフランシスカスが協力する。
 
墓地へマルデンと一緒に来たフランシスカスだが「わざわざ夜来なくてもいいんじゃないですかねぇ」男前だが度胸はからっきしである。
 
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夜の墓地で怯えまくるフランシスカス、「君、離れなさいよ!」とでも言いたそうなマルデン。
 
愛人の遺体の胸についたままのロケットに仕込まれた書類を見つけ出したフランシスカスはいきなり墓地に閉じ込められてしまう。
 
外にいたマルデンは真犯人に遭遇していた。「ローリーを返してほしければ書類をよこせ」と言われたマルデンはしかたなく書類を渡した。
 
しかし、ローリーが無事に返るかどうかわからない。マルデンは白杖に仕込んだ刃物で真犯人に重傷を負わせたと言う。
 
フランシスカスは研究所の関係者が犯人に違いないと直感し、警察署へ行くが証拠がないと一度は捜査を断られた。
 
ローリーの命がかかっているのでフランシスカスの必死の説得に警部補も腰を上げてくれた。
 
研究所には誰もいない、しかし、フランシスカスは屋上で血痕を発見した。そこへ、何者かがフランシスカスを襲った。
 
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屋根の上で、二枚目の顔面を強打されたフランシスカス、この後、転落しかかる。
 
★しつこいようですがネタバレですよ★
 
若い研究者のカゾーニ(Aldo Reggiani:アルド・レジャンニ)だった。彼は腹部に重傷を負っていた。
 
不意打ちを食らったフランシスカスはカゾーニにボコボコにされて研究所の屋根の上から落ちそうになる。
 
カゾーニはローリーを始末しようとした。そこへフランシスカスが飛び込んできたがカゾーニに刺されてしまう。
 
フランシスカスを追って屋上へ来ていたマルデンは警察に追いつめられた逃げ出したカゾーニを押さえつけた。
 
カゾーニは研究中だった殺人傾向の遺伝子の保有者だったのだ。このままでは自分の研究者としての人生がエンドになる。
 
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怒り心頭のマルデン、フランシスカスに反撃されて虫の息のカゾーニ。
 
彼はその事実を知るブラウンや他の研究者を次々に殺していた。
 
頭に血が上りきっているマルデンは「んなことはどうでもいいからローリーを返せ」と迫った。
 
え?え?フランシスカスの生死なんかどうでもいいわけ?ひでーな、マルデン!
 
カゾーニは「ローリーを殺した」と告白した。そこへ警察がやって来たがマルデンはカンカンに怒ってカゾーニをエレベータシャフトへ突き落した。
 
んなもん「殺し屋になるかもしれない」程度の研究結果でビビッてるくらいなら、自らその説を否定すればいいじゃんか?と思うがカゾーニは自分で仮説を証明してしまった。
 
マルデンの見えない目にキャメラがなって「クッキー!」とローリーが呼ぶ声でエンドマーク。
 
ラストはあいまいになっているのでここは余韻がぐっと残っていい感じになっていた。
 
よくやった!フランシスカス、っていうオチじゃないけどファンとしてはそんな感じ。
 
ハリウッドの大物であるマルデンとの共演に緊張と興奮を感じ、アルジェントの監督としての才能を高く評価していたフランシスカスはなかなかの奮闘ぶりである。
 
しかし、だ、アルジェントは嫌いだって言うんだな、わからなくもないけどさ。
 
マルデンは撮影開始すぐに現場のニックネームが「提督」だったそうで、パシリ?だったフランシスカスは「副官」と呼ばれていたそうである。
 
威張ったわけじゃないだろうが、メジャーのキャリアからすれば、スタッフは素直にそう呼んだのだろう。
 
ハリウッドのウエルメイドとは、環境も出来栄えも比較できないかもしれないけど、真面目につきあってくれたマルデンとフランシスカスのおかげでミステリーとして普通に楽しめた。
 
ファンの間では予想外に好評らしいことに、苦虫をかみつぶしているであろうアルジェントの顔でも思い浮かべて笑うのもまた一興であるしね。
 
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スパークの衣装はワンタッチで脱げます。
 
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上半身裸のスパーク、どこ見てるんだか・・・フランシスカスも準備中。
 
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ブラウン、ただいま列車に轢かれ中。
 
 
★シアターN渋谷で観ました。
[作品データ]
 
 
製作:マーヴ・アデルソン
監督:ロバート・アルドリッチ
脚本:ロナルド・M・コーエン、エドワード・ヒューブッシュ
撮影:ロバート・ハウザー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
 
出演:バート・ランカスター(ローレンス・デル)、リチャード・ウィドマーク(マーティン・マッケンジー)、マーヴィン・ダグラス(ザカリーニ)、チャールズ・ダーニング(合衆国大統領スティーヴンス)、ロスコー・リー・ブラウン(ジェームス・フォレスト)、ポール・ウィンフィールド(ウィリス・パウエル)、バート・ヤング(オージー・ガルヴァス)、ウィリアム・マーシャル(司法長官)、ジョセフ・コットン(国務長官)、リーフ・エリクソン(CIA長官)、ジェラルド・S・オローリン(オルーク)、エド・ビショップ(フォックス大佐)、ウィリアム・スミス(ホクシー)、リチャード・ジャッケル(スタンフォード)
★ネタバレしてます
[感想文]
 
製作は1977年、日本公開は1981年のアメリカと西ドイツの合作映画である。
 
実に公開から30年以上を経て2012年リバイバル公開された。
 
冷戦時代、モンタナにあるアメリカの核ミサイル発射基地に向かう空軍のジープが4人の男に襲撃された。
 
彼らは脱獄囚だった。
 
金庫破りのホクシー、黒人のウィリス、イタリア系アメリカ人のガルヴァス、そして元空軍将軍のデルであった。
 
彼らはミサイル発射基地に乗り込むが、気性が荒く軍隊に恨みを持つホクシーは作戦遂行の邪魔になるという理由でデルに射殺される。
 
デルはこの基地の建設計画の中心人物であったため内部の構造について詳しかったのでコントロール室は彼らに落ちた。人質になった宿直のスタンフォードはデルの友人でもあった。
 
デルは政府に対して、国防総省にある機密文書の公開と二千万ドル、そして合衆国大統領を人質にしてエアフォースワン(大統領専用機)で国外へ脱出することを要求した。さもなければ9基の核ミサイルを発射すると言うのだ。
 
空軍のマッケンジー将軍はデルを無実の罪で投獄した中心人物だった。
 
デルが刑務所に入れられたのは彼が空軍の将校としてアメリカの核武装に深く関わっていたが、その過程でベトナム戦争の泥沼の原因となった国防会議の議事録に記載されていたある事実を知ってしまったからだった。
 
核ミサイル基地がそう簡単に占拠されるわけがない。空軍の幹部は基地周辺の調査のためにフォックス大佐の特殊部隊が基地を奪回するために出動した。そしてデルたちが基地を占拠しており、鋼鉄の扉によって守られているコントロール室が他のネットワークから遮断されていることを確認する。
 
しかし、核ミサイル発射に必要な鍵は厳重に保管されていた。事実を重く見た空軍の幹部はマッケンジー将軍に事態の解決を要請した。マッケンジーは宿直のスタンフォードを信頼しており、デルの脅迫はただのブラフだと断定していたのだった。
 
★しつこいようですが、ネタバレしてます★
 
ミサイル基地の警備システムの弱点を突いた作戦がマッケンジーによって展開された。核ミサイル本体に影響が及ばない程度の小型の核爆弾でコントロール室の扉を破壊しようというのだった。
 
大統領は驚いて叫んだ「基地周辺の核汚染はどうなるんだ!?」しかし首脳陣たちは「大したことはない」と回答した。
 
あと一歩というところで作戦は失敗し、ミサイルの発射装置が作動しはじめた。それを見た国防長官は襲撃作戦の中止を命じた。デルはすでに鍵を手に入れていたからだ。
 
スティーヴンス大統領は側近たちを集めてデルの要求の内容の背景にある議事録の内容を明らかにするよう命じた。
 
その議事録にはアメリカが威信を示すためだけに多くの将兵や民間人をベトナム戦争で犠牲にすることをやむなしと決定した詳細な事実が記録されていた。
 
大統領のアドバイザーであるザカリーは「広島以来、アメリカは共産圏や同盟国に対して常に本気で核攻撃をする可能性のあることを示さねばならなかった」と説明した。国家を信頼している国民に対して裏切りを証明するような議事録の公開は絶対にできないというのだ。
 
首脳たちは大統領にモンタナに行ってデルたちの人質になるように迫った。身に覚えのない責任を取らされる大統領は拒否するが友人でもある側近のオルーク説得を受け、モンタナ行きを決心するのだった。
 
大統領は民間人であり学識経験者であるザカリーに「議事録を必ず公開するように」と念を押した。
 
★★もう一度言っときますが、ネタバレしてます★★
 
超一流のスナイパーが基地周辺に配備された。大統領に弾が当たる可能性があるにもかかわらず。
 
大統領は基地に入った。デルは約束を守るという大統領の言葉に従い基地の外へ出た。やがて、銃声が響き渡り、デルとウィリー、そして大統領が倒れた。
 
デルとウィリーは即死、大統領は虫の息でザカリーを呼び寄せて「約束をはたしてくれ」と頼んだ。
 
★★★ここまで来てなんですがネタバレしてます★★★
 
ザカリーは無言だった。息絶える大統領の顔を見つめながら「これがアメリカの威信の真実だ」とでも言うように・・・。
 
「国民は国家を疑っていない、なぜって?それは事実を知らないからだ」若き大統領もまたかつては、そのアメリカ国民の一人だったのです。騙されていた自分が騙した責任を取らされる。しかし、今、彼はスティーヴンスという人間ではなく合衆国大統領なのです。
 
ミサイル発射装置の鍵を手に入れるために宿直の白人技術者を脅してあっさり手に入れたガルヴァスは「これだから白人はヤワなんだよな」と鼻で笑います。黒人のウィリーは大統領を信じているデルに「アメリカの威信を守るためにはたとえ大統領でも使い捨てに決まってるじゃねえか!」と叫びます。
 
エリートでロマンチストなデルに対して常に現実を冷静に見つめているアメリカ市民が黒人とイタリア系だというオチが皮肉すぎて笑うに笑えません。初めて核ミサイルを見た二人が「おい、これ『スタートレック』か?」という台詞も素敵です。観客はこの二人に最も感情移入をしながら映画を観続けて、助かるかどうかやってみよう!とデルに最後までついてくウィリー、そして、大統領を見送る執事のフォレストの瞳に号泣するのです。
 
なぜでしょうね?登場人物の誰もが職務に忠実、私利私欲で動いている人はいません。みんな、アメリカを愛して尽くしているのにどうして争うことになるのか?その矛盾に耐えかねるのかもしれません。
 
彼らは誰から何を守ろうとしているのでしょう?
 
バート・ランカスターとリチャード・ウィドマーク以外はテレビ系や舞台を中心に活躍する実力派の俳優たちで固めています。政治色の強い内容の映画ですからヘンに色のついていない俳優がいい芝居をするので最後の一瞬まで気が抜けません。
 
女が絡まない男のドラマでこれほど緊張して泣ける、だれも泣かせようとしてるわけじゃないのに、こんな映画はほかにあまり知りません。
『Holocaust 2000(悪魔が最後にやって来る)』
 
DVDで観ました。
 
【作品データ】
1977年、アメリカ、イギリス
製作:ワーナーブラザース
監督:Alberto De Martino(アルベルト・デ・マルティーノ)
 
【感想文】
 
★ネタバレしてます
 
原発開発に情熱を傾ける企業オーナーのカーク・ダグラス、中東の某国の首相を抱き込んで自社開発の技術を導入した建設計画を発表後、地元から猛反発をくらいます。
 
ジャーナリストのアゴスティーナ・べりとダグラスは洞窟で黙示録に登場する封印を発見するのです。
 
反キリスト派の陰謀により謎の怪物が出現して人類が滅亡するという伝説を知ったダグラスでしたが頭が悪いせいか?いや、そうじゃなくて科学万能主義者だからあまり信じません。
 
しかも、その封印をダイナマイトでぶっ飛ばしてしまうダグラス。
 
そんな強気のダグラスでしたが推進派の首相が落選してしまったので、反対派の新首相を説得しようとします。
 
しかし新首相は事故で頭が半分ぶち切られて急死してしまいました。
 
ことほどさように、原発に反対していた科学者やダグラスの妻も謎の死を遂げます。
 
ダグラスの味方はイケメンの一人息子サイモン・ウォードだけです。
 
ウォードは双子の兄が出産時に自分のへその緒が首にからまって死産になったせいで母親に憎まれていたらしいです。でも、本当にそんな理由だけでしょうか?
 
ダグラスは奥さんが殺されたというのに、別荘に誘ったべりと肉体関係を持ちさらには再婚の約束をします。
 
べりの妊娠になんとなくぎこちない態度を見せるウォード。
 
ちょうどそのころ、ダグラスは司祭と知り合いになり、反キリストについてレクチャーを受けていました。
 
キリストに背いて地球を業火に包もうとしている悪魔は誰なのか?伝説の怪物の正体とは?
 
ダグラスとウォードのツーショットでほとんどすべての人は「オーメン」を思い出すでしょう、っていうかパクリだろ?と素直に納得するのです。
 
が、しかし今回のダミアン(役名はエンジェル)は大人です、イタリア映画だからってむやみにパクリ疑惑(か?)を抱いてはいけません、ひょとしたら『オーメン最後の闘争』は本作品のパクリかもしれないじゃないですか?
 
な、わけねえだろ。
 
還暦のカーク・ダグラスが若い女優と濡れ場を演じるくらいは大したことありませんが、その、ダグラスが見る悪夢というのがものすごい。
 
なにせカーク・ダグラスが真っ裸でダッシュするんですよ、奥さん!アラン・ドロンのフルヌードだけが有名な『ショック療法』に遅れること4年、ついにハリウッドの大物も身ぐるみはがされました。
 
で、なんでこんなのが2012年にDVDになったのかというと、公開当時は誰も予想していなかった価値が生まれているからでしょう。
 
1)原発推進派のダグラスがその安全性を問われて「火事にならない家なんかない!完璧な安全なんか求める方がおかしい!」と叫ぶシーン
 
2)反対派が次々と殺されて、悪魔が原発を推進しているというフレームワーク
 
3)反対する地元民が「子供の未来を奪うな!」と主張するデモシーン
 
原発事故が延々と継続中の日本人すべての琴線に触れることになってしまったわけです。
 
映画会社のみなさん!ヒットしなかったからと言って簡単にプリントをジャンクしちゃいけませんよ!
 
世の中、どう変わるかわかりません、今ごろになってこんなカタチで再評価されちゃう作品だってあるんです、果報は寝て待て、じゃなかった、石の上にも30年って言うじゃないですか?
 
もとは大ヒットホラー映画のアレだったのに、映画はその時代によって価値が与えられるという見本のような作品の一つでしょう。
 
■9月29日(土)猛暑日?
 
『グレイト・フラマリオン The Great Flamarion(デジタル上映)』
公開:1945年
監督:アンソニー・マン
出演:エリッヒ・フォン・シュトロハイム、メアリー・ベス・ヒューズ、ダン・デュリエ、スティーヴン・バークレイ、レスター・アレン、エスター・ハワード
自転車の曲乗りをしていたコニーが殺される。犯人は彼女の夫なのか?そのとき、劇場の天井に身を隠した初老の男がいた。その男が瀕死の重傷を負いながら真犯人を告白するという話。若い娘に岡惚れした曲撃ちの名人フラマリオン(シュトロハイム)の純情さは滑稽でもあるが、芸のためにそれこそ女遊びもしないで打ち込んでいた彼の半生を思うと哀れでもある。酒飲みの夫役に低予算映画の二枚目ダン・デュリエが扮する。
 
『ビッグ・コンボ The Big Combo(デジタル上映)』
公開:1955年
監督:ジョセフ・H・ルイス
出演:コーネル・ワイルド、リチャード・コンテ、ジーン・ウォーレス、ブライアン・ドンレヴィ、アール・ホリマン、リー・ヴァン・クリーフ、ロバート・ミドルトン、ヘレン・ウォーカー
大物ギャングの縄張りを引き継いだブラウンには元兄貴分も口出しできない。ダイヤモンド警部補はブラウンの尻尾をつかもうと必死になるが、証人が次々と消されていく。ダイヤモンドに惚れている娼婦が彼の身代わりで殺されたとき、ダイヤモンドは職域を大幅にハミ出してブラウンを追いつめる。1970年代のアメリカ製のテレビドラマ(主に犯罪ドラマ)の教科書のような作品、ただし撮影の美しさはお見事、低予算を補って余りある。主演のコーネル・ワイルドはフェンシングでオリンピックに出場、その後、俳優に転向した。元スポーツマンらしく、拷問シーンは体力勝負。殺し屋の兄貴分がリー・ヴァン・クリーフ、キツネ顔がまだシャープだった頃、弟分とのボーイズラブな感じがアブナくて素敵。
 
■9月30日(日)台風♪
 
『都会の牙 D.O.A. (デジタル上映)』
公開:1950年
監督:ルドルフ・マテ
出演:エドモンド・オブライエン、パメラ・ブリットン、ルーサー・アドラー、ネヴィル・ブランド、ヘンリー・ハート、ヴァージニア・リー、ビヴァリー・キャンベル
警察署に倒れこむように訪ねてきた会計士(オブライエン)が自分を殺した(ここんところがポイント)犯人について語りはじめる。彼は休暇のためサンフランシスコに行ったが、秘書から、ある人物が緊急の用件で連絡を取りたがっていると告げられる。バーで酒を飲んだ会計士は胃に不快感を感じて診療所へ行くと遅効性の毒物を飲まされたと宣告される。オブライエンが寸足らずの体躯をフルに活用して疾走するシーンは見てる方もドキドキししてくる。希少金属(イリジウム)にまつわる詐欺事件、やくざのボスに雇われている殺し屋の変態ぶりが微笑ましい。 
 
『悪魔の往く町 Nightmare Alley (16mm上映)』
公開:1947年 
監督:エドマンド・グールディング 
主演:タイロン・パワー、ジョーン・ブロンデル、コーリン・グレイ、ヘレン・ウォーカー、マイク・マズルキ
天下の二枚目タイロン・パワーがステレオタイプな色男に嫌気がさしてチャレンジした悪漢役。うらぶれたサーカスの芸人(タイロン)が透視術の暗号を覚えた恋人と一緒に独立して成功するが、さらなる成功を夢見たタイロンが破滅していく話。すさんだ幼少期の体験が主人公を稀代の詐欺師にしてしまうのだが「しあわせの青い鳥」は案外と身近にいたという話。チンピラ→大スター→詐欺師→アル中→狂人、タイロンパワーの熱演に圧倒されるが、当時の観客が観たいタイロン・パワーではなかったせいか?日本未公開だったらしい。確かに、タキシードで堂々とインチキをかますタイロン・パワーの水もしたたるような色男ぶりが一番安心して観ていられるというのも確かではあるが。
 
フィルム・ノワール特集は私好みの「ダンディなおっさん」祭りでもある。
■9月22日(土)
 
『生き残った者の掟 La Loi du Survivant (35mm上映)』
公開:1966年
監督:ジョゼ・ジョヴァンニ
主演:ミシェル・コンスタンタン、アレクサンドラ・スチュワルト、ロジェ・ブラン
一緒に宝探しをして殺された友人の墓参りをしにきたミシェル・コンスタンタンが偶然出会った女のために命を張って決闘をする。女の過去は最後に明かされる。フランス映画の「二枚目」はどこかアンバランスな顔をしている、完璧すぎると同性から嫌われるんじゃなかろうか。フランス男はプライドが高いからね。
前半、コンスタンタンが女と出会って逃亡を開始するところと、後半は決闘シーンが見せ場。
愛犬家にはお勧めしない(できない)映画。

『恐怖のまわり道 Detour (日本未公開作、デジタル上映)』
公開:1945年
監督:エドガー・G・ウルマー
主演:トム・ニール、アン・サヴェージ、クラウディア・ドレイク、エドモンド・マクドナルド、ティム・ライアン、エスター・ハワード、パット・グリーソン
しがないピアノ弾きのトム・ニールがスターを夢見て旅立った恋人に会いたい一心でヒッチハイクによるアメリカ大陸横断を企てたために陥る悪夢のような運命。道連れになる悪女アン・サヴェージの半分でもいいから主人公に度胸があったらこんなことにはならなかっただろうという話。
主人公の回想モノローグでテンポよく話が進む、低予算ならではのコンパクトな作りが好感触。

『犯罪河岸 Quai des Orfèvres (デジタル上映)』
公開:1947年
監督:アンリ・ジョルジュ・クルーゾー
主演:シュジー・ドレール、ベルナール・ブリエ、シモーヌ・ルナン、シャルル・デュラン、ルイ・ジューヴェ
ミュージックホールの歌手シュジー・ドレールの夫ベルナール・ブリエはさえないピアニストだが妻に対する愛情は人一倍でかなり嫉妬深い。ある日、変態の成金に誘惑された妻を取り戻すために、向かった成金の家で変わり果てた男の姿を見たベルナールは自分が殺したと思われるのではないか?とびくびくする。しかし実はベルナールが到着する前にその家に招かれていた妻が男を殴り倒していたのだった。
華やかな妻に対して羨望する夫のジメジメとした愛情が切なくもアリ情けなくもアリ。子持ちのヤモメ刑事のルイ・ジューヴェは顔は怖いが優しいお父さん。刑事の取り調べが悪辣なのは洋の東西を問わないのか?思わず『県警対組織暴力』を思い出してしまった。
 
■9月23日(日)

『賭博師ボブ Bob Le Flambeur (35mm上映)』
公開:1955年
監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
主演:イザベル・コーレイ、ロジェ・デュシェーヌ、ギイ・ドゥコンブル、ダニエル・コーシー、クロード・セルヴァル
生まれながらの賭博師ボブ(ロジェ・デュシェーヌ)も老いた。最後の大勝負はドゥーヴィルにある賭博場の金庫破り。若いポロが恋人に計画を漏らしてしまい、とん挫するかと思いきや、ボブの賭博師としての腕と度胸で大どんでん返しとなる。かつて銀行強盗をやらかして逮捕された経歴を持つボブ、パリをうろつく若い娘に説教をたれるが、逮捕されることを覚悟してその娘にアパートの鍵をくれてやるところがシビレルくらいのカッコよさ。
こういうダンディズム、日本の映画じゃダメなんだよなぁ。
 
『スカーレット・ストリート Scarlet Street (劇場未公開作、デジタル上映)』
公開:1945年 
監督:フリッツ・ラング
主演:エドワード・G・ロビンソン、ジョーン・ベネット、ダン・デュリエ、マーガレット・リンゼイ、ロザリンド・イヴァン、ジェス・バーカー、チャールズ・ケンパー、ウラジミール・ソコロフ
女丈夫な妻との冷え切った結婚生活、長年勤めた銀行の頭取からその真面目な勤務態度で表彰された出納係のエドワード・G・ロビンソン。たまたま路上で情夫のダン・デュリエと痴話げんかをしていた美貌の娼婦ジョーン・ベネットを助けたことから彼女のとりこになり、彼女もまたロビンソンを金づるにしているうちに、ロビンソンが趣味として描いていたシュールな油絵が高名な美術評論家の目に留まり、とんでもない高値で取引されてしまうという話。登場人物がほぼ全員、ひどい目に遭うにもかかわらず誰一人として同情に値しないというブラックユーモアが秀逸。これで主人公がダンゴムシみたいな(ファンの皆様、申し訳ございません)エドワード・G・ロビンソンじゃなかったら凡作になっていたところだが、顔は笑ってるけど目は決して笑わないロビンソンのオドオドした態度が泣けて笑える。意地汚い悪党のダン・デュリエは低予算映画やテレビで活躍した二枚目。

『あるいは裏切りという名の犬 36 Quai des Orfèvres (35mm上映)』
公開:2004年
監督:オリヴィエ・マルシャル
主演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、アンドレ・デュソリエ、ヴァレリア・ゴリノ、ロシュディ・ゼム、ダニエル・デュヴァル、ミレーヌ・ドモンジョ、フランシス・ルノー、カトリーヌ・マルシャル
フィルムノワールばっか見てるとフランスの警察ってロクなもんじゃないな!と思ってしまうのでいかがなものか?と思う。
退職間近の同僚が警察署内部の権力争いに巻き込まれたカタチで凶悪強盗団に射殺されてしまった刑事のレオ(ダニエル・オートゥイユ)、彼のライバルで次期署長の座を狙っていたクラン(ジェラール・ドパルデュー)。互いに難事件を解決するために、情報屋の偽のアリバイを証明したり、その件をネタに脅迫したり、はては無実の人間まで証拠隠滅のために殺してしまうことになる。
フィルムノワールではしばしば、最もまともな人物としての娼婦が出てくるが今回もそのセオリーを踏襲。
フランス人は因果応報ということを大切にするようで、最も汚い手を使った人物は、薄汚いヤツラによって血祭りにあげられてしまうのだった。
フランス映画でドイツ車であるメルセデス・ベンツがひどい目にあうのを見たのはこれで2回目。強盗団の愛車として登場しマシンガンでボッコボコにされた。ちなみにフランス警察はルノーとBMWに乗ってた。
 
2日間で6本、男性アクションまみれの至福の時を過ごしました。
 

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