マイク・コナーズが演じる犯罪調査員のジョー・マニックスは大変に優秀です。
しかし管理ルールをしょっちゅう逸脱するので上司のルウさん(ジョセフ・キャンパネラ)は困っているのですが、決して素行が不良ということではなく、コンピュータのような非人間的なシステムに順応しないという意味であります。
こちらがいつもマニックスくんに手を焼いている気の毒な上司のルウさん。
犯罪調査の仕事に関しては頭脳明晰、アイデアも豊富で、かつ、ありあまる体力を生かして情報を足で稼ぐ地道な努力も欠かしません。
もちろんインターテクト社のハイテクなコンピュータのデータも活用しますので、コンピュータルームのメンバーとも円滑なコミュニケーションをします。
このように、マニックスくんは、人間臭さと科学的で論理的な思考をあわせもち、真面目に仕事をして、高い成果を上げる、とてもカッコいいビジネスマンであるわけです。
複雑な事件でも粘り強く取り組み、スカッと解決します。
依頼主の期待以上に蜂の巣をつついてしまったり、ルウさんにことわりもなく、というか事後承諾で勝手に調査範囲を拡大してしまうこともありますが、いずれにせよ事件は解決します。
ルウさんに説教されるマニックスくん、でも言うこときかないマニックスくん。
マニックスくんの行動パターンは「弱きを助け強きをくじく」という大変にわかりやすいたポリシーなので、管理側から見たら如何なものか?と思われる行動であっても視聴者はマニックスくんのことが大好きになります。
マニックスくんを演じるマイク・コナーズがオッサンだったおかげで、幅広い年齢層に支持されたかもしれないことは想像に難くありません。
ヘタに若造が年長者を手玉にとるような大活躍をしてしまうと、女子供の人気は獲得できるかもしれませんが成人男性の共感は得られにくいのです。
放送当時はまだリビングのチャンネル権がお父さんにあったかもしれないので、おそらくはマニックスくんと同じ年齢設定か、または、若い頃に『Tightrope!』に熱狂した血の気の多い男性の視聴者からは、渋くなってもカッコいいマイク・コナーズへの支持はかなり高かったと思われます。
毎回、被害者または加害者または関係者の女性が登場しますが、ベタベタした関係にもちこまれることは捜査上必要か、またはマニックスくんが同情をもった場合に限られるようです。
優秀で、タフで、ハンサムで女性にモテるけど手が早いわけではない、男性も女性もわけへだてなくジェントルマンに接するし、ウィットのある会話術も身につけているので社交性もあり、男くささと分別のある大人であるというのがマニックスくんのざっくりとしたキャラクターなのであります。
なかなかスーパーマンなマニックスくんですが、欠点もあります。
マニックスくんはひじょうにタフですが無敵ではありません。
どちらかと言うと、頭に血が上りやすい性質であり、相手が男性の場合は殴られたら誰でも即時に殴り返します。
血の気の多いマニックスくんをうっかり泥水に叩き込んだりすると。
しょっちゅうこういう感じで後頭部殴られてイチコロなマニックスくん。
ただし、女性に不意打ちを食らった場合は簡単にのびちゃったりもします。
マニックスくんは複数の暴漢と対決していても、ついつい目の前の一人に集中してしまい周りが見えなくなる傾向があります。
このドラマが定着させた「人は後頭部を殴られるとあっさり気絶する」というお約束を自ら率先して体現していたのがマニックスくんなのであります。
このようにマニックスくんは手負いになることがしばしばでした。
手負いになって孤軍奮闘する男性は母性本能を大いに刺激します。
特に1エピソードで2回くらいは常に気絶させられたり、腹を思いっきり殴られて悶絶する、こうした負傷を抱えつつ、最後は圧倒的な強さでしかも独力で勝利するマニックスくんは、冒険好きな男の子を魅了するキャラクターなのであります。
マニックスくんのキャラクターはそのファッションにも表現されています。
上司と部下の関係ですが、実は二人で現場に向かうこともしばしばなルウさんとマニックスくん。
現場では協働します、マニックスくんとルウさん、ただいま銃撃戦の真っ最中。
ビジネスフォーマルがルウさん、ビジネスカジュアルがマニックスくん、と覚えておきましょう。
常に上下そろいのダークスーツで威厳と風格を演出するルウさんに対して、マニックスくんはパンツとコーディネイトされたチェックやストライプのスポーティーなジャケットが定番です。
アイロンがけされた上質な白シャツにカフスボタンのルウさん、オックスフォードのカラーシャツや柄シャツにプラスチックボタンのマニックスくん。
上司をナメきった態度に出るマニックスくん、だけど二人は仲良しなのでこれは日常です。
衣装に至るまでルウさんとマニックスくんはきちんとキャラクター形成されていたことがわかります。
マニックスくんは泥水に叩き込まれたり、不整地を転げまわったり、狙撃されて穴が開いたり、とにかくしょっちゅう衣装を替えて登場します。
どこで、いつ、着替えたんだろう?マニックスくんのワードローブはどうなってるんだろう?
興味は尽きないのですが、マニックスくんはラフなところもあるけれど、清潔なオシャレさんであるということで、さぞや女性の方々にも人気があったことでしょう。
お子様(はともかく)、若い女性の皆様から中年の男性まで幅広い年齢層にキャッチーなマニックスなのであります。
任務遂行のためには女性も甘く、口説いたりすマニックスくんであります。
マニックスくんをフォローするルウさんですが、正直なところとてもカタギのビジネスマンには見えません。