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2018年7月31日9時11分
台風12号がたどった異例のコースは、日本周辺に張り出した高気圧や、偏西風の蛇行で生じた「 寒冷渦 かんれいうず 」と呼ばれる低気圧に伴う上空の風が影響した。
台風は背の高い雲の集まりのため、進路は上空の気流に左右される。通常、台風が西に進むのは南海上での発生直後で、その後北上するにつれ偏西風に流され、東に曲がる場合が多い。
台風12号は当初、太平洋高気圧の縁に沿った南からの風で関東方向に北上。ところが大陸から張り出すチベット高気圧に進路を阻まれ、28日昼頃、四国沖にあった寒冷渦に伴う反時計回りの風に乗って西進を始め、29日午前1時頃、三重県伊勢市付近に上陸した。気象庁予報課は「台風がよく上陸する紀伊半島でも、東側から上陸したのは初めて」と説明する。
その後、西日本を西進した後、進路を南向きに変えて九州を縦断、海上に達した。寒冷渦とチベット高気圧の風が上空で合わさった北寄りの風が、台風を南に流したとみられる。
台風の西進は、統計開始後初めて東北地方に上陸した2016年8月の台風10号がある。いったん太平洋沿岸を西進し、Uターンし北上した。今後、こうした特異な進路を取る台風が増えるかどうかは、偏西風や気団など、様々な要素が絡み合うため「分からない」(気象庁予報課)という。
台風12号は現在、海上で水蒸気が供給されており、わずかに勢力が増す見通し。気象庁の最新の進路予想では、寒冷渦が衰えるとともに、チベット高気圧からの風で西に進み、中国沿岸に接近する見込み。
気象庁の桜井美菜子・天気相談所長は「異例の進路が注目されたが、本来は8〜9月が日本に最も台風が上陸しやすく、今後発生する台風にも注意が必要だ」と話す。
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