Joe.H のバイオマス・ECO活動

最新バイオマス・ガス化/オイル発電等再生可能エネルギ‐設備・最新技術情報の紹介と実践報告です!

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 バイオマスガス化発電装置を新規に設置したい、或いは、バイオマス発電ビジネスを検討中の方、法人も多いと思います。事実、当方へ直接の問い合わせも多いです。
しかし、先ずは何か投資を決断する前、投資額を何年で回収出来るか?を考える必要があります。建設資金の確保、原料確保の見込も当然の前提条件ですが。。。。

そこで、今回はPay-Out Year の話題です日本語では、投資回収年数 とも言われています。
先ずは下記のテーブルを参照下さい。

ご存知の様に、固定買取制度(FIT)によるバイオマスによる電力の買取価格は、下記の表の様に、認定間伐材で2MW未満なら、1KWh当たり40円、2MW以上なら32円、未利用材(国産、輸入)なら24円、廃棄物等は17円に設定されています。他に、建築廃材の13円もあり得ますが、ここでは省いてあります。

一方、設備投資額ですが、いろいろあります。海外産でも、割高な製品もありますが、国産は海外産に比べて、殆ど全て割高です。ここでは1KW当たりの設備投資額を50万円〜140万円までの範囲としました。従って、2MWのバイオマス設備の総投資額は、10億円〜28億円の範囲となります。
1MWの設備では、多少割高の場合もありますが、投資額はほぼ半額です。
同様に、500KWの設備なら、4分の1(+)です。

 では本題の投資回収年数(Pay-Out Year)の計算です

 最初は多少、現実離れしていますが、とにかく単純に何年分の電力売上額で総投資額を回収出来るかの計算例です。
例えば、間伐材、1KWh当たり40円で、2MWの装置が年8000時間稼働できたとすれば、。。
電力売上=2000x40x8000=6.4億円/年です。
この設備が、仮に1KW当たり50万円であれば、総投資額は10億円ですので、
Pay-Out Year=10/6.4=1.56年
です。つまり、1.56年(1年半+)で投資金額が回収できる計算です。
尚、40円は、2MW未満ですので、限りなくギリギリ2MW以下の送電が常時出来れば、ほぼこの数字となります。

次に、1KW当たり140万円、2MWで28億円の投資額でも、間伐材40円のケースなら4.38年のPay-Out Year となり、この意味では安全な投資案と言えます。テーブルを見ればお判りの様に、間伐材原料が得られなく、一般的な未利用材だと7.29年となり、やや問題が出そうです。

同様に、未利用材24円で設備単価120万円、投資額24億円の場合、Pay-Out Yearは 6.25年ですので、(この計算法に従うなら)ほぼ問題なさそうです。

イメージ 3

 次のテーブルは類似ですが、さすがに各バイオマス原料が全て無料と言うことはない,有っても極めて稀なケースと思われます。あり得るのは木材加工業等の工場で、木くずの処分に困っていて、ただでも処分したいケース等です。

そこで、1Kg当たり間伐材13円、未利用材10円(PKS,輸入チップなど)、廃棄物(RPFなど)3.5円と仮定し、総投資額を年間(売上額-原料費)で割ってPay-Out Yearを計算したテーブルが下記です。

当然、Pay-Out Year は、原料費を考慮しますので、より長期になります。
原料費用は大きく採算に影響しますので、より現実的な数字となります。下段の記述の様に、ここでは簡略化して、原料1Kg当たり1.1KWhの発電可能と仮定しました。

発電量は原料の種類、水分量、カロリー値、そして装置の特性、優劣等により変わります。
通常は1KWhの発電に必要な原料は、そのエネルギー値、装置効率等で変わり、0.6〜1.4Kg程度の範囲内です。話を簡単にする意味で、ここでは、全て仮定値(1Kg=1.1KWh)を前提としました。

この前提で、Pay−Out Year の計算結果を見てみましょう。
6年以下なら投資安全ですが、7〜8だと要注意、9以上は、明らかに採算割れです。
例えば、一般的な未利用材(24円)の場合、1KW当たり80万円(16億円)なら、6.71年で安全ですが、100万円(20億円)なら、8.38年となります。採算的に苦しくなります。
2MWなら、国内メーカーからガス化装置見積をとれば、解るとおもいます。総設備費で20億円以上は通常すると思います。設備単価1KWが80万円/2MW16億円クラスの安価な製品は皆無だと思われます

一方、間伐材40円のケースなら、1KWが120万円(24億円)、或いは140万円(28億円)でも、問題なさそうです。因みに、テーブルから価格120万円だと、間伐材2MW未満なら5.32年と安全ですが、2MW以上では7.43年となり、苦しくなります。
つまり、原料として間伐材が前提で、発電規模2MW未満でないと、高価格装置を使う発電事業はビジネス的に無理だと言えます。

但し、今後計画される方、1Kg=13円(13000円/トン)で間伐材が2MW分集まりますか??
前述の前提なら、年14,500トン弱の原料(水分15%程度以下)が必要です。例え、現在、近未来は集められても、長期的には無理だと思います。既に、装置は出来たけど、原料が全く集まらない。或いは、価格が大幅に上昇している。。。採算が???などと言う話も、最近チラホラ聞こえてきます。

従って、ガス化装置の設備面からも、少なくとも多種多様な原料(Multi-Fuel Feedstocks)対応は必要不可欠です。そうであれば、ある原料が高騰し入手困難なら、別の原料へ変更・調達し使えば、良いことになります。また、原料調達交渉力も発揮できます。

イメージ 4

 次も類似のテーブルです。違いは運転経費も考慮してPay-Out Yearを計算しています。
一応売上価格の15%を運転経費(人件費、保守費、他)として、カウントしました。
やや運転経費を現実より高めに設定しています(安全サイド)。

この結果、更に、Pay-Out Year(投資回収年数)は、より長期になります。
テーブルの数値から解る様に、間伐材40円の場合でも、装置単価120万円(24億円)で6.76年となり、一応ギリギリ安全ですが、この程度迄の設備投資が採算面から限界です。装置単価140万円(28億円)だと7.89年となり、採算的に40円のFIT価格でも苦しくなります。

ご覧の様に、間伐材以外の原料なら、FIT価格の低下により、尚更採算性が苦しくなります。
未利用材の場合、装置単価120万円だと、13.26年となり、例え50%もの補助金が得られる前提で6.63年となり、やっと安全圏です。従って、このケースは補助金なしでは採算上無理だと言えます。

 未利用材24円、或いは廃棄物17円を前提としたバイオマス発電事業で、採算性の可能性のあるケースは、装置単価60万円以下迄です。これは、他の設備で能力でも同じ、共通の結論です。

上の様に、バイオマスガス化装置の採算性をPay-Out Yearから判断することは重要です。
但し、ここでは可成り乱暴な仮定の下で、採算性をPay-Out Year で考察しました。

イメージ 5


 次のテーブルは、当方が使っている顧客向け提案書の設備投資額と採算性の関係です。
この前提のガス化装置は、下記に紹介の最新Hybridガス化発電方式での実価格の例です。
売電事業の採算性から、逆算して設備価格、構成を考えている企業努力の結果です。

イメージ 2

 原料として3種類、それぞれの価格やエネルギー値等を基に、提案のガス化装置+ガスエンジン発電機の総投資額に対する投資回収年(Pay-Out Year)等の計算例です。

このテーブルから原料の種類によって、採算がどう変化するかが解ります。
間伐材の採算性は当然良くなります。但し、現実は入手困難だと考え、ここでは敢えて除外しています。低FIT価格の未利用材24円と廃棄物17円の例で、より安全サイドの採算計算例となります。
 
 上の2MW設置例の図では、1MWのガスエンジン発電機2セット構成ですが、下記の計算例は、信頼性等を考慮し、多少割高ですが、500KWex2(1MWe)セット構成を2系列設置としてあります。
同様に、ガス化装置も、500KWx4セット(2MW)構成の1系列ではなく、500KWx2(1MW)構成を2系列設置を考えています。ともに、高信頼性の装置構成となります。

イメージ 1
 
使用原料は、ジャイアント・ススキ、竹(国産/輸入)、それに廃棄物(紙、RPF)の3種類を使っての採算計算例です。

 まず、ジャイアントススキは既に、本Blogでも紹介済ですが、収量40−60トン/ha、そして一旦植えれば20年間も収穫できると言われている代表的なバイオマス・エネルギー原料です。海外(EU,米国、カナダ等)では、可成りバイオマス原料として普及しつつありますが、日本では試験栽培の状態です。今後、耕作放棄地の利用、或いは農地の集約化、大規模化が進めば、日本でも有望かな??と思います。
イメージ 12
2MWの発電に必要な量は14,200トン/年程度ですから、300ヘクタール(ha)も植えれば、充分な自家原料100%を確保でき、2MW発電が通年可能です。そして3.76億円/年の電力売上(FIT)が期待できます。上記の表では、購入価格8,000円/トン(原料費1.2億円/年)としましたが、自社(自家)栽培なら、更に安価で生産できるかもしれません。
計算結果は、投資回収年5.61年、投資利回り11.2%となります。

 次の原料はバイオマス原料としての竹材です。
竹は国内でも、あちこちで処分に困っているバイオマス原料です。それに、里山等の近隣にありますので、入手は簡単です。
同様に、海外から大量輸入も、徐々に可能の様です。バイオマスエネルギ-原料として特別に選抜育種された竹品種もあり、これらは大規模プランテーションで年100〜200トン/ha も生産でき、加えて100年間も継続して採取出来る様です。最も、高収量のバイオマス材料と言えます。
国内資本を使っての、東南アジア方面でJatropha油農園の投資やプランテーション計画より、遥かに有望です
上記のテーブルより、国内で2MWのバイオマス発電所の運営に必要な竹は年14000トンです。仮に、1haで100トンの収穫だ出来るとすれば、140haのプランテーションがあれば、原料は未来永遠に安定供給できます。東南アジアの国々なら、140ha程度の規模はプランテーションと言えない位の小規模です


上の左の写真は、成長した竹全体の写真例です。
次の写真は、この竹の根元回りの様子です。この竹の特徴は、日本の孟宗竹の様に、新たな根が外へ外へとはり出し、次々竹が外に生える訳ではなく、1)全体としてまとまった株として生えます。2)通常種子ができません。3)多収穫なエネルギー・バイオマスです。。。。と言うことから、この特徴はジャイアント・ミスカンサス(ススキ)と極めて良く似ています!!
次は上の最後の写真です。
これはインドでバイオマスエネルギ-用に特別に選抜・育種された品種であり、この竹の切り口(左)は、通常の竹(右)に比べ、肉厚であり、内部空間が少ない厚肉の熱帯・亜熱帯性の竹品種です。日本の竹とは異なります。

 年当たりの収量から考えるとジャイアント・ススキの2-4倍も採れ、バイオマス・エネルギー作物として、より有利かもしれませんが、日本では温暖な沖縄等しか、多分栽培出来ないかもしれません。現状、大規模プランテーションがある、或いは新規に計画中の地域は、インドを始めとして、スリランカ、アフリカ、オーストラリア、インドネシア、フィリピンなどの国々です。プランテーション目的で、ジャイアント・ススキと同様に、種苗会社から竹の幼苗も組織培養苗(Tissue Culture)として一部で既に販売されています。

 但し、竹は通常のボイラー/ガス化装置では使いずらいと言うことで、特に従来から安価です。。。と言うか、売れないし、処分に困っている状態です。
理由は灰の成分組成(シリカ、カリウム、ナトリウム等が高濃度)から融点温度が低いと言うことです。竹の灰溶融温度は1,050℃前後です。よって、高温燃焼だと灰が溶けて装置が詰まってしまうから、また腐食も問題です。

この竹の価格を加工賃等を考慮し8,500円/トンと仮定しました。もう少し、安価かもしれません。
これらの前提下の計算結果では、それぞれ投資回収年5.76年、投資利回り10.7%となります。
以上はいずれも未利用バイオマスですから、FIT価格24円/KWhです。

 次に、バイオマス廃棄物の例として、廃紙がありますが、紙以外にプラ廃棄物、木質バイオマス類をブレンドしたRPFでも同様です。但し、この場合はFIT価格が17円/KWhに低下します。
 こちらの場合、同様の数値は、それぞれ6.80年、8.0%とやや低い数値となっています。FIT価格は大幅に低下しますが、原料価格も大幅低下しますから、投資回収年、投資利回りの数字的には大差ありません。
因みに、テーブル中にある様に、発電1KWhに対する原料コストは2.36(円/KW)と極めて安価です(竹:7.61円/KWh)。加えて、国内に豊富にあり、輸入も可能ですが、輸入リスク、供給リスクも殆どありませんので、安心です。

 このテーブルでは、加えて複合原料の計算例も添付してあります。
例としては、ススキ50%/竹50%の例です。
複合原料が可能な装置なら、一方の原料が不足したり、或いは季節変動、価格変動時に、他の原料をブレンドし、不足分を自由に補うことが可能になり、それだけビジネス上の原料選択の自由度が増します。基本的には何種類でもブレンドできます。
複合原料の例の数値は、投資回収年5.68年、投資利回り10.8%と言う数値が得られました。

 この様にいずれの原料でも、投資回収年数は、5.5〜6.8年以内に納まっていますので、利益は確実に出ます。将来のリスク要因を考えても、最悪でも赤字にはならないと思います
尚、投資資金の余裕があれば、より優れた、多少より高価な製品機器(例、エンジン、ORC)を選んでも、採算上は問題ないと思います。

 了解!! でも最後の疑問は、
1)投資額単価59〜60万円程度の低価格で、高効率ガス化発電設備が実際設置できる??
2)木質チップ以外の竹、ススキ、それに廃棄物も使える複合原料(Multi-Fuel)対応のガス化発電装置なんてあり??
。。。等の大疑問だと思います。

答えは、でもYES です
投資額は、各ケースのオプションや仕様の選択で変わりますが、設備投資額、採算上も問題ありません。
特に竹やススキの灰の様に、低融点温度(Melting Temperature)の場合でも大丈夫です。
全てクリアーできます。

疑問を持たれたり、ご質問があれば、下記にお問い合わせ下さい。
今回の主テーマはPay-Out Year(投資回収年数)ですので、こちら関連でも構いません。

繰り返しとなりますが、固定買取制度(FIT)の場合は、バイオマス原料の選択、価格、供給の安定性、そしてガス化発電プロセスの選択、その投資額及び運転管理、保守費等が決まれば、採算性は一意的に決まります
通常の製造ビジネスで一番問題となるのは、売上、営業努力、宣伝、価格交渉等ですが、FITビジネスではこれらは全て不要ですから。。。

尚、余談ですが、長期多年度プロジェクトの採算性評価法には、DCF(Discounted Cash Flow)が用いられる場合もあります。
こちらの方がより正確ですが、複雑です。興味があれば、計算法はネット検索等で調べてください。本バイオマスガス化発電程度の(一括単年度)プロジェクトなら大差ありません。

追伸)2017.01.03
 設備能力50〜300KW程度で充分な場合、対応可能な小型最新ガス化発電装置の紹介とその装置導入の採算性の計算例を下記にもあります。
追伸)End

では、また。。。。
Joe.H

追伸)
 上記Blog記事は、一般公開情報です。
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非公開情報など内容によっては、お答えできない場合や条件付となりますが、 可能な限り対応させて頂きますので。。。。
以上       



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