Joe.H のバイオマス・ECO活動

最新バイオマス・ガス化/オイル発電等再生可能エネルギ‐設備・最新技術情報の紹介と実践報告です!

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今回のテーマは、バイオマス発電に於ける原料選択と採算性です。

固定価格(FIT)で売電ビジネスを計画する方々で、計画を実現する為には、
先ずは、
1)建設資金の調達(自己資金、ファイナンス)、
2)バイオマス原料選択と確保(量、価格等)
バイオマス原料は必要なら、添付( http://www.biofuels.co.jp/page5.html )を参照下さい。
3)ガス化発電設備(原料対応、多様性)、更には
4)設備設置場所(土地)と運営体制(要員、経験・運転)、加えて
5)採算性(継続性)
等、少なくとも全て必要項目です。

そこで、今回は、5)採算性を維持・実現する為の2)原料選択、及びこれらを実現する3)設備の重要性と選択等について考察をします。

先ず、バイオマス由来の売電ビジネスでは、大きく2つの方法があります。

1.液体(バイオ油〉燃料を使うディーゼル発電方式
もっとも代表的な液体燃料は植物油であり、大規模の場合は、その量的確保が可能なパーム油等です。
尚、パーム油等のディーゼル発電は下記を参照下さい。

但し、パーム油・SVO発電も課題は山積しています。例えば、油燃料価格と輸送費です。

FIT価格は通常24円/KWhですが、原料油は売電売上の3分の2以下にならないと採算上苦しくなります。ディーゼルエンジン発電機のパーム油での発電効率は、概略43〜45%(+)程度の中速型高効率機(例、発電量4.5KWh/Kg)を前提とすると72円/Kg前後です。この価格での調達(原料費、輸送費)は、昨今可成り困難な状況です。

使用済廃食油なら45〜50円(50〜55円/Kg)程度の価格です。廃食油のFIT価格は17円/KWhですので、前述の同じ前提なら51円/Kgとなります。
従って、廃食油なら採算上ビジネスの継続は可能です。但し、課題は、この前提となる中速型高効率機の能力は1MW以上となりますので、少なくとも1MW以上でのビジネスとなります。
これに必要な廃食油は、1800トン/年(2000KL/年)程度の量的確保が必要です。2MWなら、3600トン/年(4000KL/年)程度です。パーム油と異なり、廃食油は輸入上の問題もなく、固化問題も少ないと思います。

2.固体(バイオマス)原料を使うガス化発電方式
固体バイオマス原料はいろいろあります。個々の原料について、考察します。バイオマス・ガス化は下記を参照下さい。

A) 木質チップ(間伐材)
FIT価格40円/KWhと最も高価格設定であり、ビジネス上も有利の様に見えますが、必ずしもそうとはなりません。ガス化発電の発電効率は、ガス化効率及びガスエンジン発電機効率との掛け算になります。前者は方式、規模により65〜90%程度、後者は30〜45%程度です。尚、余談ですが、ガスエンジン発電機の効率も、通常の仕様書上の効率は、天然ガスでの数値であり、合成ガスでは5〜7%程度低下します。
従って、ここでは高効率のガス化設備(85%)、及びガスエンジン発電機(33%)を採用した前提で、全体の総合効率を28%とします。
また、バイオマスガス化での原料費は、売電売上の3分の1程度以下が採算上必要です。
これらの前提での限界チップ原料費は、計算上14800円/トン程度以下となります。チップ材(水分10%)の熱量を3800Kcal/ Kg@LHVを,又自己消費電力10%を仮定しています。
尚、間伐材のチップは多くの水分を含んでいます。仮に35%なら、約10700円/トンであり、仮に丸太(水分65%前提)なら、5760円/トンとなります。実際は、更に乾燥費、チップ化等の費用も必要です。
この様な価格で間伐材原料が確保できれば、恐らく採算上は問題ないと思いますが、多くの場合、この価格では必要量を入手出来ない様です。
以上が、間伐材での採算上の原料費の限界上限価格です。具体的には、個々のケースでより詳細な検討が不可欠ですが、大きな差は出ないと思われます。

B) 木質チップ(一般材)
一般材の場合は24円/KWhへと低下します。燃料としての性能は間伐材と同じですから、上記の前提だと、乾燥チップ(水分10%)価格は8880円/トン、未乾燥(水分35%)チップ材なら、6420円/トン、生木の丸太材(水分65%)なら、3460円/トン程度が採算上の上限原料費となります。同様に、乾燥費、チップ化費も考慮する必要があります。これらの価格で、一般材バイオマス原料が入手可能なら、問題無いと思いますが、現実は可成り厳しいと思います。
当然、大規模なら、量的確保の容易性から輸入PKS等も考慮する場合もあいます。仮に、PKSの熱量を前提4200Kcal/Kg@LHVとしても、9800円/トン程度が上限です。

尚、大規模ガス化であれば、複合発電方式等の採用で高効率化も可能です。仮に、総合発電効率を28%ではなく、35%迄高めることができたとすれば、12300円/トン程度となり、採算上現値で、購入可能な価格になり得そうです。
但し、この35%の効率を得るガス化発電は規模なら最低でも10MW以上、それも高効率のガス化設備、及びガスエンジン発電機、及び付加設備としての複合発電設備は必要になります。

C) 農業廃棄物(籾殻、廃菌床、竹、PKS,他)
 では、売電価格24円/KWhで、採算上から売電ビジネスを継続できるバイオマス原料はないのでしょうか???
この例は、籾殻、藁、米柄、廃菌床竹材、その他の農業・林業・漁業残材・廃棄物、他等です。

ここで籾殻なら、水分は8〜12%と乾燥していて、乾燥処理、等は不要です。但し、課題は、チップに比べて低熱量(3100Kcal/Kg@LHV)程度であり、灰分の多さ(15%程度)と低温溶融性、等から、殆ど国内ではガス化原料として使われていませんが、東南アジア、中国、アフリカ等では実績も少なくありません。
 
籾殻の限界価格は、エネルギ-換算で8075円/トン程度です。最も、ガス化では、乾燥は不要ですが、原料のペレット化、或いはブリケット化が必要です。この処理には多くの電力エネルギーが必要で、1000〜2000円/トン程度の費用が必要ですが、これらを考慮しても,6000〜7000円/トン(+)程度です。籾殻殆どは無料で、処理(ブリケット化)費を考慮しても、この価格なら、例え、籾殻の低密度材(100Kg/トン)は運送費も掛かりますが、充分入手可能過ぎる価格です

多分、ガス化原料として使える状態(運送費+ブリケット化)でも、籾殻が無料なら、実燃料費3000円/トン程度だと思われます。上記の限界価格の8075円/トンとの価格スプレッド差は3000円(+)/トンもあります。多少、籾殻対応の設備費に投資増であっても、採算は充分取れると思います。

籾殻の課題は、量的確保ですが、籾殻は籾の20〜25%程度であり、残り75〜80%が玄米です。概略、9、000〜10,000ヘクタール分程度分の籾殻が確保できれば、2MWのガス化発電を通年稼働できます。この水田面積は5.5Kmx5.5Km程度の水田面積となります。
この籾殻ブリケットは、東南アジア、インド、中国でも大量に、燃料用に作られていて、籾殻の国内調達が量的に無理なら、輸入籾殻ブリケットも可能の様です。

尚、籾殻の様な多量の灰分、及び低融点の灰を含む材料では、ガス化は国内では実績もなく、殆ど見向きもされません。
我々の扱うガス化装置(FPT、INSERガス化方式)、他なら、籾殻原料の使用は可能です。

同様に他農業廃棄物(コーン殻、大豆殻、藁、麦藁)等も、量的な確保の課題はありますが、採算上からは全く問題ありません。竹やススキ類も同様です。
何れも、これら農業廃棄物原料を使えるガス化装置の選択が鍵です

最も農業廃棄物の代表例は、輸入PKS(Palm-Kernel Shell)です。
当初は、使い道もなく、捨てていたものが、今やバイオマス発電原料として、特に日本では大注目です。その結果、価格も高騰し、12000〜13000円/トン程度もする様です。FIT価格24円/KWhでの限界価格は、PKS(例、4500Kcal/Kg@LHV)なら、11700円/トンであり、収支はトントンであり、殆ど利益はでません。加えて、低密度であり、遠路からの輸送上の問題もあります。

D) 産業廃棄物(RPF,RDF,等)
こちらは、国内に多量にあり、量的な確保は全く問題ありません。
但し、こちらのFIT価格は17円/KWhへと低下します。
例えば、RPFの熱量を5000Kcal/Kg@LHV(組成調整により、4500〜8000Kcal/Kg@LHV)とします。
ガス化発電効率28%なら、RPFの限界原料費は9,200円/トンとなります。RPF価格は2000〜3000円/トン程度ですので、こちらも計算上の採算性は全く問題無さそうです。

尚、こちらもガス化設備の選択が重要ですが、原料確保や採算性の心配は、殆ど無いと思われます。

以上、バイオマス発電の原料の選択と採算性について、その概要を説明しました。

現状も、将来も、バイオ油(パーム)やチップ材(間伐材、一般材)の高騰、入手難等の諸問題が山積しています。

少しは、他の原料(農林魚業等の諸廃棄物)を、或いは木質チップを含め、これらの混合原料を考慮しませんか??
苦しいバイオマス発電事業の採算性が、(大幅に)改善される筈です。

今回は、主に採算性の観点から各種原料の選択とその採算性を考えて見ました。充分採算性の取れるバイオマス原料があることが解ると思います。尚、具体的な採算性の評価計算は、個々のケースで行う必要があります。今回は超概算計算の例です。

 特に、1)資金4)場所が確保できているものの、具体的に2)原料選択を検討中(済で、3)ガス化設備、5)採算性等について質問があれば、下記に直接お願いします。

では、また。。。。
Joe.H

追伸)
 上記Blog記事は、一般公開情報です。
 何かご質問、ご要望、及びご意見等の具体的な相談のある方は、必ずご本人氏名、連絡先電話番号等を添えて、下記へ直接ご連絡下さい。
尚、H.P.経由なら『お問い合わせフォーム( http://www.biofuels.co.jp/page7.html )よりお願いします。 
以上

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