Joe.H のバイオマス・ECO活動

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  最近では国内市場にも数多くのバイオマスガス化発電装置が登場しています。特に中小型ガス化発電装置の選定について、どの様な項目を、どの様な評価基準で皆様選定されていますか?? 

 今回は、先ずは機種選定に際して考慮すべき項目の選定・その項目の概略説明をしたいと思います。

 現在国内で販売されているガス化発電装置は、殆ど下記に掲載されています。 
但し、やや大規模の中型ガス化発電機も、バイナリー発電(ORC)や蒸気タービンも一部含まれています。

 この他、未だ国内販売されていない海外製中小型ガス化発電装置も少なくありません。
下記は、その1例で50kWタイプのオープン・タイプ製品(オーストリア製、20フィートコンテナ・タイプもあり)です。この製品は、標準で簡単な乾燥機付で、水分25%迄のチップ原料が投入処理可能です。

イメージ 1

現在、これらの中小型ガス化発電装置を検討中の方は、是非先ずは下記のチェックリストを利用し、充分確認することをお薦めします。尚、ここで中小型ガス化装置の定義は、一応1基当たり250kW程度以下とします。

確認・検討が不充分だと、後で思わぬ後悔をすることになります!!

1.原料すタイプと価格、或いは入手の容易性
  国内販売されている中小型ガス化装置で使用可能原料は、
ペレット限定(含むブリケット化)
チップ限定
何れも可能
等です。

中小型装置では、微粉体原料(1mm以下)100%の原料は取り扱いできません。また、液体バイオ油のガス化も対象外です。何れも、大型の、或いは特殊専用ガス化装置のみが対応可能です。

これら中小型の装置は、価格を抑える為、等の理由から、多くの装置は最も簡単なダウンドラフト法、或いはアップドラフト法(含む、逆ダウンドラフト法)、或いはこれらの改良版が多く採用されています。加えて、ガス化炉内のセンサー類の数(配置数、二重化)や質も不充分です。更に原料性状の変化等に対応した自動化運転機能の限界もある様です。

この為、ペレット限定、或いは、チップも可能となっていても、ペレットを現実は薦めている機種・メーカーが多いと思います。
ガス化装置側からは、チップよりペレットの方が、より均一原料である為、好ましいのは確かですが、問題はペレット価格です。
チップ価格に対して、ペレットは更に1万円/トン前後価格アップします(ブリケットはペレットより安価)。中小型タイプでは、例え、チップでも採算性の苦しい場合も多く、ペレットでは更に採算性が苦しくなります。

尚、元の原料が鋸屑、籾殻の様な細かな粉体状の場合、中小型ではペレット化が不可欠です。仮に最終的なペレット原料の価格が安価であれば、ペレット専用のガス化炉でも良いかもしれません。尚、この様なペレットが将来とも供給保証が得られるかを考慮して下さい。

余談ですが、大型機なら、粉体(微粉、1mm以下)の直接処理可能なガス化装置は海外製なら販売されていますので、この場合ペレット化とその費用は不要です。

2.原料チップの種類・サイズ・分布と水分
ペレット原料専用の場合は、この項目は不要です。この項目、以下チップ対応ガス化発電装置の例です。
例えチップが使用可能と言う場合も、そのチップ仕様の確認が不可欠です。
①チップサイズの上下限値
②下限値以下の細粉の許容混入度(%)
③水分
④チップ・タイプ(切削、粉砕)
⑤混入物の種類、可否(バーク、小石、土、他)
⑥木質系以外の原料対応(農業廃棄物等)

チップが使用できても、そのサイズ、水分、タイプ等の制限は多くあります。使用したい原料が、検討すべき装置に合致するか、否かが重要です。

①は主に装置(コンベアー等)の詰りの原因になり得ます。
②は原料が安定して送れない問題等が発生します。どの様なチップでも、必ず細粉は多少含まれています。この混入度条件が厳しければ、篩分け等が必要になります。細粉・微粉が多いと、ダウンドラフト法では炉内のガス詰りの原因になります。ダウンドラフト法の細粉・微粉の混入割合は5%以下、他の方式でも中小型の場合、最大で30%程度以下です。
③は通常、水分0〜15%以下です。チップは放置状態だと、すぐ水分20〜25%に上昇しますので、乾燥チップなら保管法の考慮、或いは必ず乾燥機の設置が必要です(設備費、運営費増)。
装置によっては、乾燥機付、或いは水分20〜30%程度迄、使用可と言う装置もある様ですが、当然ガス化効率上からは好ましくありません。
④は、特に切削チップ(主に製紙用途)限定の装置は出来れば避けたいと思います。粉砕チップ使えれば、より原料確保が容易に、そして価格もより安価になります。
⑤廃棄物処理を扱うガス化炉でなければ、小石、或いは金属類の混入は余り問題とならないと思います。重要なのはバークの混入を許すか、否かです。バークが多いと、灰(炭)の溶融が起こりえます。ダウンドラフト法では、ガス化部、還元部の温度をそれぞれ独立し制御できない為、しばしばこの種の問題が発生します。
⑥の原料の多くも、無機金属(K,Na)を多く含む為、灰(炭)のガス化炉内の溶融・詰りの問題が発生します。

3.ガス化効率・発電効率
 特に中小型ガス化発電装置で売電ビジネス(FIT)を目指す場合は、間伐材でも、一般材でも、何れも高価な木質原料を使い発電する訳で、運転経費の最大項目は原料費です。
勿論、より安価で原料調達するのが前提ですが、装置側から見ると、ガス化発電装置の原料投入エネルギー(F)に対し発電量(B)の高い装置の選定が不可欠です。全ての単位をkWとします。
①ガス化炉の冷ガス化熱量(A)
②ガスエンジン発電機の発電量(B)
③装置本体の電力使用量(付帯設備を含めて、C)
④排熱回収熱量(CHP、D)
⑤装置熱ロス(ガス化装置、エンジン発電機の冷却熱ロス、排気ガス残熱量、炭の保有熱量等、E)
これらの熱バランスは、F=B+D+E
となります。

グロスの発電効率:G=B/F(%)
ネットの発電効率:G-net=(B-C)/F
電力・熱効率:H=(B+D)/F 
尚、
ガス化炉効率(冷ガス化効率):I=A/F
ガスエンジン発電効率:J=B/A
従って、装置全体のグロス発電効率:I x J =G
ともなります。
従って、
FITで発電が主目的なら、出来るだけ発電効率(G)の数値が高い装置を選択することが必要です。
中小型機だと、25〜28%程度です。ガスエンジン発電機効率(J)は、エンジンや発電機の大きさ等が決まると、量産製品の熱・発電効率はほゞ一定となります(中小型のエンジンは全て高速型であり、効率差は少ない)。
本命はガス化炉のガス化効率(I)です。ガス化法、熱回収法、他で大差が生じ、最終的には発電効率(G)に影響します。G値により、同じ電力を発電する場合、原料の使用量が大幅に変動し、採算性も大幅に変動します。
ガス化効率(I)は、通常60%〜80(+)%迄存在します。充分確認が必要です。
因みに、ガス化効率80%の装置の使用原料は、60%の装置に比べ、同じ発電量を得る必要な原料は25%も低下します(エンジン発電機の発電効率は同一と仮定)。この差は採算上決定的です。

 装置仕様に、これらの数値記載がなく、単に使用原料(kg)に対して、発電量(kW)が記述されている例も少なくありませんが、惑わされない様にしましょう!!
各社都合の良い原料(熱量、水分)を前提とした場合、或いは、原料熱量の数値を記載してない場合も、多々あります。

 一方、発電+廃熱利用目的の場合、発電・(廃)熱回収効率(H)の数値の高い装置を選択しましょう!或いは、排熱の利用価値と売電価格の両者を比較しましょう。
通常Hは70%〜85%程度です。この数値は発電が主目的な場合は、当然意味がありません。この場合、注目すべきはG値、或いは、より正確にはG-net値です。幾ら排熱を回収(D)しても、有効利用とその経済的な価値が無ければ意味がありません。

4.連続稼働時間(保証)
ガス化発電装置の採算性上、重要な因子は年間稼働時間(予想値、保証値)です。例え、高額、高性能の装置を購入しても、装置が充分稼働しなければ、信頼性が低ければ、売電ビジネス上は意味がありません。ガス化発電装置の稼働時間については、メーカー側は、
①無保証:幾ら装置が安価でも、原則選定・購入を控えた方が良いと思います。
②保証値(最低何時間/年以上):保証値7000時間/年以下の場合、こちらも同様でお薦めできません。②8000(+)時間/年なら、ほゞ問題ないと思います(ガス化装置単体、ガスエンジン単体ではなく、装置全体での数値)、
仮に、②が7000〜8000時間/年なら、なぜこの数値になるのか充分検討が必要です。他の項目(例、高効率)が優れていれば、選定の余地があります。

5.自動化(スタ―ト開始、停止機能ソフトの評価)
 ガス化装置は、通常完全に停止し冷えた状況から稼働開始し(Cold-Start)発電開始・送電まで多くの時間を要します。通常1〜3時間も必要です。
この間、操作員が付き合わないといけない様なガス化発電装置は、採算面からも、中小型ガス化の売電ビジネスでは通常使えません。

 出来れば、完全自動化装置の選定が必要です。理由は、中小型装置では、発電規模から、電力の売り上げも限定的です。従って、操作員の人件費を考えると自動化装置でないと、通常採算的に無理だと思われます。
同様に、無人化状態であれば、何か装置トラブル(原料切れ、原料詰り、装置故障、他)の発生時に、安全に自動停止する機能も不可欠です。遠隔監視機能付でも、それだけでは不充分です。

 ガス化発電装置の自動化では、ガス化発電装置の効率化運転ノウハウの詰まった最適化、自動化ソフトが組み込まれている装置もあります。装置価格だけ、或いは眼に見えるハード面ばかりでなく、組込ソフトの優劣・評価が、特に(非専門家の)顧客では必要不可欠と言えます。

6.保守容易性と保守部品の確保
 ガス化発電装置は、必ず必要な定期保守項目があります。
装置メーカーによっては、前述組込ソフトにより、予め必要な保守を知らせてくれたり、或いは故障個所を(自動的に特定し、何処が故障したのかを知らせてくれます。これらの組込ソフトの有無は重要です。それでも原因不明なら、遠隔監視・診断機能により、開発メーカー側で診断と故障個所の特定も、即出来る装置もあります。

それ以外に、
①できるだけ装置を停止することなく保守作業が出来る、
②装置を一旦停止するも短時間で再稼働できる、
③ガス化炉内等に予備センサー等があらかじめ組み込まれている、
④保守作業が楽な様な装置設計、
⑤保守部品の予備確保(国内代理店、顧客側)も重要です。
少なくとも、これら項目の確認は必要かと思われます。

7.納入実績、価格、他(コマーシャル側)
 以上は、装置選定にあたり、主に技術面、装置・保守面からの考慮点を紹介しましたが、コマーシャル面からの検討も、勿論必要です。
装置購入価格・維持価格:特に中小型だと採算上苦しい場合が少なくありません。勿論、この最大の要因は原料価格ですが、装置価格、保守部品価格、保守作業費(必要な保守を代理店から受ける場合)等は直接採算性に影響します。

納入実績:採算性には、直接関係しませんが、云わば保険・安心料です。納入実績が多ければ、より安心ですが、逆に、古い設計・ガス化方式の場合が多々ありますので、要注意です。納入実績ばかりに捉われると、低効率で、将来的に競争力の弱い製品を選定してしまいます!!

保有の満足感:あくまで、ガス化発電装置は工業製品であり、売電ビジネスを行う手段です。但し、長期間に渡り利用・保守する装置なだけに、車ではないですが、性能面、デザイン面等!、保有の満足感が得られる様な製品が望ましいと思います。

販売会社、担当者:ガス化発電装置、例え、小型でも安価ではありません。契約・購入時に最後の判断は、販売会社、それも人です。充分ガス化の知識、見識を持った担当者、会社の製品を購入しましょう!!単なる営業ノルマで販売している様な人、或いは販売会社からの購入は危険です。この場合、特に購入者側の評価・判断力がより重要です。これが不充分・不可能なら、専門のコンサルタントの利用も一つの方法です。

以上、中小型ガス化発電装置を購入に際し、確認・考慮すべき項目の概要を説明しました。 これから、新規購入を予定・計画されている方、或いは以前装置を導入され、再度新規に導入される予定の方々向けに、ご参考までに。。。

尚、取り扱い中の小型ガス化発電装置は、多段ガス化法・タール発生無し(Tar-Free)LiPROガス化発電装置です。

イメージ 2

下記は、取扱中の各種ガス化発電装置ですが、最初の機種が小型LiPRO製品(50kW)です。
本Blogは下記、他幾つもにあります。

是非、他社の中小型ガス化発電装置と比較検討下さい。

『貴方が違いの解る人』なら、即、その違いが判ると思います!!

何か、お問い合わせがあれば、下記にお願いします。
では、また。。。。
Joe.H

追伸)
 上記Blog記事は、一般公開情報です。
 何かご質問、ご要望、及びご意見等の具体的な相談のある方は、
『お問い合わせ( http://www.biofuels.co.jp/page7.html )
フォームよりお願いします。 
或いは、『お問い合わせ』のメールを下記に下さい。
尚、必ずご本人氏名、連絡先電話番号等を添えて下さい。
以上



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