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次の季節を運ぶ風が
ふいに吹いたこんな日は
閉じ込めてしまっている想いが
熱く 熱く 燃え出しはじめる
哀しい私を暖めるかわりに
こころの泉を沸騰させて
やがて涙になってこぼれてくる
涙の河にはかえでが舞い落ち
瞬く間に描かれていく錦絵のような模様
この着物を身に着けて
薄明かりの部屋で
今日は一人で過ごしましょうか
お酒を飲んで
おぼろにかすむ月を見て
さびしい歌でも歌いましょうか
こんな風が吹いた日は
散りゆくかえでを見る瞳すら
うさぎのように
真っ赤になってしまうよう
2006年 11月 京都 天龍寺
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