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この森に入る時は
ちゃんと手をつないでいたのに
途中からグレーテルは
早くお菓子の家に行きたくて
手をほどいて行っちゃった
しばらくして
ヘンゼルを探したけど
どこにもいない
ずっと遠くで声が聞こえるだけ
こんなことなら
ちぎったパンをおいておけばよかった
グレーテルは泣き出した
歩いて 歩いて
ヘンゼルを探した
でも
みつからない
恋をはじめたときは
毎日が楽しくて
いつも歩く速度が同じだったね
何を見ても楽しくて
何をしてもうれしくて
いつもふたりで笑っていたね
そのうち 片方が
もっと先の夢みたいなところに
行きたいって思い出した
だんだん
不安が増してきて
歩く速度が違ってきた
つないでいた手が
引っ張る手に変わり
いつのまにか
先に走るようになった
未来に何があるというのかな
今・・が一番大切なのに
グレーテルの流した涙が
月夜に照らされて
星屑のように光った
・・と
目の前にヘンゼルがいた
「光の道しるべは
グレーテルの涙だったんだね」
ふたりがやっと
もとに戻った
手をしっかりつないで
ずっと 一緒に歩いていける今を
大切にね・・
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