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. 二年前、友人に見せてもらった一枚の桜の写真。 それまで私が見てきた桜の花の色よりも濃く、 ひとめでその不思議な浪漫の世界に引きずり込まれてしまいました。 静岡県の伊豆半島の河津の桜との出逢いでした。 その桜は寒緋桜と早咲き大島桜の自然交配種と言われており蕾は濃い紅色。 咲くと薄い紅色の花になります。 一面に咲く河津桜はそれはそれは愛らしく、 桃色ではなく紅色である分華やかさを感じます。 晴れた空の青さに抱かれてうれしそう 桜の花が咲き始めると来るのがメジロ。 最初私はウグイスだとばかり思っていたら、河津桜祭りの看板に写真が載ってて 目の周りが白いからメジロといって、桜と並んで河津の名物だと書かれていました。 どうも「チー、チー」って啼くらしく、蜜やみかんなどが好きだそうです。 河津桜と一緒に素晴らしい景観を見せてくれるのが川辺に沿うように咲く菜の花。 金色の風につつまれた河津の桜がとても幻想的に見えます。(写真はソフトレンズ加工をしました) 川の流れに微笑むように咲く桜は何を思って咲いているのかしらとふと考えてしまいました。 寂しきこころ慰むる 愛らしき薄紅色の花びらよ 人をそっと癒すためにや うつむきて咲く優しき花 見上げる力も無き我に 河津の川を色で染め 淡き花影水に写して 春の訪れ静かに告げん 河津の桜が花びらの雪に変る頃 染井吉野の蕾がようやく膨らみはじめ いよいよ桜の季節が近づいてくるのです。 早春の冬の名残の冷たさが混ざる風の中で咲く河津桜 その可憐な色は、その昔、伊豆の踊り子のように旅をした若い少女達の淡い恋心を漂わせながら 浪々と水をたたえて流れる川とともにこれから先も浅い春を飾る色として 河津の町を彩っていくのでしょう。 歓びとせつなさの入り混じって生まれるのが浪漫であるならば 河津桜はまさにそんな桜ではないかと思いました。 .
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