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風の吹く丘にひさしぶりに立った。
その日も、やっぱり風が吹いていた。
丘の上にはさつまいもみたいな雑草が、風にさわさわとそよいでいた。
ちいさな蟻たちが、その葉の上で一緒に揺れていた。
空は少し曇り空…
雨の季節はすぐそこまでやってきている。
風は、時折ぐるぐるとまわるように吹いたり、おだやかに雲の流れをつくりながら
丘の上を行ったりきたりしている。
私は、遠くを眺めながら…目に映る景色のむこうに、見えるはずのない未来を探していた。
静かに過ぎてゆく時のなかで、未来が見えるような…見えないような…
風になってしまえたら…いいのに…。
風になったら、でも、いろんな風に泳がされて、吹き飛ばされて…
…と、蟻が目に入った。。
この丘にいるちいさな蟻たちが、ほんとうにうらやましく思えた。
風に揺られながら、空を見ながら、彼らは未来も何も考えないで、
私のだいすきなこの場所に ずっといられるのだから…
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