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2019年03月19日

ASDとは? 年代別の特徴や診断方法は? 治療・療育方法はある?


自閉症スペクトラム障害(ASD)とは、
自閉症やアスペルガー症候群などが統合されてできた診断名です。
コミュニケーションに困難さがあり、限定された行動、
興味、反復行動などが起こります。

自閉症スペクトラム障害の原因はいまだ特定されていません。
しかし、何らかの生まれつきの脳機能障害であると考えられており、
しつけや愛情不足といった親の育て方が直接の原因ではないとわかっています。
この記事では自閉症スペクトラム障害の症状・診断基準・検査・治療法、
自閉症やアスペルガー症候群との違いなどを紹介していきます。
(LITALICO発達ナビ編集部)

監修: 井上 雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
応用行動分析学 自閉症支援士エキスパート
LITALICO研究所 客員研究員

自閉症スペクトラム障害とは?


自閉症スペクトラム障害(ASD)は、社会的コミュニケーションの困難と
限定された反復的な行動や興味、活動が表れる障害です。
さらに知的障害や言語障害を伴う場合と伴わない場合があります。
また、これらの症状は発達段階、年齢や環境などによって
大きく変化するといわれています。

英名のAutism Spectrum Disorderの頭文字をとって
ASDと略されることもあります。

自閉症スペクトラム障害と一言で言っても、
生活に支障をきたすほど症状が強い方から、
症状が軽度で日常生活にほとんど支障なく暮らせる方まで様々です。
症状の強弱や、知的障害を伴う・伴わないなどによって
十人十色の理解やサポートが必要な障害です。

さまざまな議論が交わされていますが、
自閉症スペクトラム障害の原因はいまだ特定されていません。
しかし、何らかの生まれつきの脳機能障害であると考えられており、
しつけや愛情不足といった親の育て方が直接の原因では
ないとわかっています。

脳機能障害を引き起こすメカニズムとして、
遺伝的な要因が原因の一部であると推測されています。
何らかの先天的な遺伝要因に様々な環境的な要因が重なり、
相互に影響しあって脳機能の障害が発現するのではないか
という説が現在有力とされています。

文部科学省では自閉症スペクトラム障害を以下のように定義しています。

自閉症スペクトラムとは,自閉的な特徴がある人は,知能障害などそ の他の問題の有無・程度にかかわらず,その状況に応じて支援を必要とし,その点 では自閉症やアスペルガー症候群などと区分しなくてよいという意味と,自閉症や アスペルガー症候群などの広汎性発達障害の下位分類の状態はそれぞれ独立したも のではなく状態像として連続している一つのものと考えることができるという二つ の意味合いが含まれた概念である。したがって,自閉症スペクトラム障害には下位分類がなく,自閉的な特徴のある子供は全て自閉症スペクトラム障害の診断名となる。



自閉症スペクトラム障害という診断名ができた経緯

自閉症スペクトラム障害は、いくつかの自閉症状のある障害が
統合されてできた診断名です。
自閉症スペクトラム障害という診断名ができた成り立ちについて
追ってみましょう。

自閉症スペクトラム障害は、
2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』
(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において、
これまでアスペルガー症候群、高機能自閉症、早期幼児自閉症、
小児自閉症、カナー型自閉症など様々な診断カテゴリーで
記述されていたものを、
「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」の診断名のもとに
統合されました。

『DSM-5』以前の診断カテゴリーである自閉症や
アスペルガー症候群などは、それぞれの症状に違いがあるとされ、
それに伴って診断基準も異なるため、独立した障害として
考えられてきました。

しかし、幼少期にアスペルガー症候群と診断された方が、
年齢や環境などの変化によって自閉症と診断されたり、
3歳以降になってから自閉症の症状が明確に表出する場合がありました。
脳画像の研究ではそれぞれの差異が認められないこともあります。
また症状の程度によって生活に支障をきたす方もいれば、
ほとんど支障なく生活できる方もいます。

さらに支援方法も共通であることが多いため、
『DSM-5』では、「連続体」を意味する「スペクトラム」という
言葉を用いて障害と障害の間に明確な境界線を設けない考え方
採用されたのです。

自閉症スペクトラム障害の症状には多様性があり、
連続体として重なり合っているという考え方が、
「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」という
診断名に込められています。

これまで自閉症、アスペルガー症候群、
特定不能の広汎性発達障害と診断されてきた症状も
今後は「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」と
診断されることが多くなると考えられますが、
今まで同様の障害福祉サービスを受けることができます。

また、コミュニケーションの障害はあっても限定的な反復行動の
問題がない場合、自閉症スペクトラム障害と診断できない場合もあります。
『DSM-5』によって、自閉症スペクトラム障害と判断しきれない場合は、
「社会的(語用論的)コミュニケーション症
 /社会的(語用論的)コミュニケーション障害」の診断名に
分類されることになりました。

『障害の兆候もまた、自閉症状の重症度、発達段階、歴年齢によって大きく変化するので、それゆえにスペクトラムという単語で表現される。

出典:参考書籍:日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院,2014)

『DSM-IVでは症状の数と程度によって、自閉症障害、Asperger障害、PDD-NOSの順に重症度は軽くなるよう位置づけられたが、これらの下位カテゴリーが量的に違うだけでなく質的にも異なる独立した障害単位であることを支持するに足るエビデンスはないと判断された。』

出典:参考書籍:神庭重信/著『DSM-5を読み解く 1 神経発達症群,食行動障害および摂食障害群,排泄症群,秩序破壊的・衝動制御・素行症群,自殺関連』(中山書店,2014)


また以前は、自閉症、アスペルガー症候群などの
自閉症スペクトラム障害に含まれる障害群と
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、併存することがない障害だと
言われてきました。

しかし自閉症スペクトラム障害がある方々の約70%が
少なくとも1つ以上の精神医学的障害を合併しているという
研究結果に基づき、『DSM-5』においては、障害の併存が認められました。

自閉症スペクトラム障害の診断基準って?


自閉症スペクトラム障害に統合された自閉症や
アスペルガー症候群は『DSM-5』以前は、
「広汎性発達障害」という診断カテゴリーの中に属していました。

広汎性発達障害には「3つ組の障害」と呼ばれる「社会性の障害」、
「コミュニケーションの障害」、「限定的な行動・興味・反復行動」の
3つの領域が存在していました。

しかし、『DSM-5』によって広汎性発達障害という
診断カテゴリーは廃止され「自閉スペクトラム症
/自閉症スペクトラム障害」では「3つ組の障害」のうち、
「社会性の障害」と「コミュニケーションの障害」は1つにまとめられます。

その結果、「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」では、
診断基準は「社会的コミュニケーション」と
「限定的な行動・興味・反復行動」の2領域に統合・再編されました。

また、これまでは3歳以前の発症が診断基準に規定されていましたが、
自閉症スペクトラム障害では年齢の規定が緩められ、
成人になってからの発症も診断基準として許容されることになりました。

以下に、『DSM-5』における診断基準を紹介します。
自閉症スペクトラム障害と診断するためには、
「社会的コミュニケーション」領域のもとに分類される
3項目すべてを満たしつつ、
「限定的な行動・興味・反復行動」領域の4項目中2項目の合わせて
5項目を最低限満たす必要があります。

A. 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥があり、現時点または病歴によって、以下により明らかになる(以下の例は一例であり、網羅したものではない)。
(1)相互の対人的・情緒的関係の欠落で、例えば、対人的に異常な近づき方や通常の会話のやりとりのできないことといったものから、興味、情動、または感情を共有することの少なさ、社会的相互反応を開始したり応じたりすることができないことに及ぶ。
(2)対人的相互反応で非言語コミュニケーション行動を用いることの欠陥、例えば、まとまりの悪い言語的・非言語的コミュニケーションから、視線を合わせることと身振りの異常、または身振りの理解やその使用の欠陥、顔の表情や非言語的コミュニケーションの完全な欠陥に及ぶ。
(3)人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥で、例えば、様々な社会的状況に合った行動に調整することの困難さから、想像上の遊びを他人と一緒にしたり友人を作ることの困難さ、または仲間に対する興味の欠如に及ぶ。

B.行動、興味、または活動の限定された反復的な様式で、現在または病歴によって、以下の少なくとも2つにより明らかになる(以下の例は一例であり、網羅したものではない)
(1)常同的または反復的な身体の運動、物の使用、または会話(例:おもちゃを一列に並べたり物を叩いたりするなどの単調な常同運動、反響言語、独特な言い回し)。
(2)同一性への固執、習慣へのかたくななこだわり、または言語的・非言語的な儀式的行動様式(例:小さな変化に対する極度の苦痛、移行することの困難さ、柔軟性に欠ける思考様式、儀式のようなあいさつの習慣、毎日同じ道順をたどったり、同じ食物を食べたりすることへの要求)
(3)強度または対象において異常なほど、きわめて限定され執着する興味(例:一般的ではない対象への強い愛着または没頭、過度に限定・固執した興味)
(4)感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、または環境の感覚的側面に対する並外れた興味(例:痛みや体温に無関心のように見える、特定の音、感覚に逆の反応をする、対象を過度に嗅いだり触れたりする、光または動きを見ることに熱中する)
C. 症状は発達早期に存在していなければならない(しかし社会的要求が能力の限界を超えるまで症状は明らかにならないかもしれないし、その後の生活で学んだ対応の仕方によって隠されている場合もある)。
D. その症状は、社会的、職業的、または他の重要な領域における現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている。
E. これらの障害は、知的能力障害(知的発達症)または全般的発達遅延ではうまく説明できない。知的能力障害と自閉スペクトラム症はしばしば同時に起こり、自閉スペクトラム症と知的能力障害の併存の診断を下すためには、社会的コミュニケーションが全般的な発達の水準から期待されるものより下回っていなければならない。

出典:『日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014年 医学書院/刊 P.49より引用

自閉症スペクトラム障害の年齢ごとの特徴


自閉症スペクトラム障害の症状は成長とともに変化していきます。
症状は人によって個人差が大きいのですが、
大まかな年代別の症状を紹介します。

これらの症状は、すべてがあてはまるわけではなく、
症状の現れ方は人によって異なります。
この特徴がみられるようになるのは、生後約2ヶ月から2歳前後が
最も多いといわれています。
発達の遅れが顕著にみられる場合は12ヶ月よりも早く、
軽度であれば2歳を過ぎてから特徴が表出するといわれています。

□ 幼児期(0歳〜小学校就学前)

自閉症スペクトラム障害は発達障害のひとつですが、
発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が
未発達の乳児では、その特徴となる症状が
分かりにくい場合があります。
ですから、生後すぐに自閉症スペクトラム障害の
診断がでることはありません。
しかし、幼児期全体を通してみると、
以下のような特徴的な行動をとっていたことが
多いと言われています。
以下にそれらの症状を紹介します。

■周囲にあまり興味を持たない傾向がある
視線を合わせようとしない子が多いです。
また他の子どもに興味をもたなかったり、名前を呼んでも
振り返らないことが多いです。
定型発達の子が興味をあるものを指で指して示すのに対し、
自閉症スペクトラム障害がある子は指さしをして
興味を伝えることをしない傾向があります。

■コミュニケーションを取るのが困難
知的障害を伴う自閉症スペクトラム障害がある子は、
言葉の遅れや、オウム返しなどの特徴がみられます。
会話においては、一方的に言いたいことだけを言ってしまったり、
質問に対してうまく答えられないなどの特徴があります。
定型発達の子が友達とのごっこ遊びを好むのに対し、
自閉症スペクトラム障害がある子は集団での遊びに
あまり興味を示さないことが多いです。

■強いこだわりを持つ
興味を持つことに対して、同じ質問を何度もすることが多いです。
また、日常生活においてあらゆるこだわりを持っていることが多いので、
ものごとの手順が変わると混乱してしまうことが多いです。

□ 児童期(小学校就学〜卒業)

■集団になじむのが難しい
年齢相応の友人関係がないことが多いです。
周囲にあまり配慮せずに、自分が好きなことを
好きなようにしてしまう子が多い傾向があります。
人と関わるときは何かしてほしいことがあるときなだけのことが多く、
基本的に1人遊びを好みます。
人の気持ちや意図を汲み取ることを苦手とする子も多いです。

■臨機応変に対応するのが苦手
きちんと決められたルールを好む子が多いです。
言われたことを場面に応じて対応させることが
苦手な傾向にあります。

■どのように・なぜといった説明が苦手
言葉をうまく扱えず、単語を覚えても意味を理解することが
難しい場合があります。
また、自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり、
想像するのも苦手です。
そのため説明がうまくできないこともあります。

□ 思春期〜成人期(小学校卒業〜)

■不自然な喋り方をする
抑揚がない、不自然な話し方が目立つ場合があります。

■人の気持ちや感情を読み取るのが苦手
上記でも述べましたが、コミュニケーション能力が乏しく、
人が何を考えているのかなどを考えるのも苦手な傾向にあります。

■雑談が苦手
目的の無い会話をするのを難しく感じる人が多いです。

■興味のあるものにはとことん没頭する
自閉症スペクトラム障害の人は物事に強いこだわりをもっています。
そのため、興味のあることにとことん没頭することが多いですし、
その分野で大きな成果をあげられることもあります。


自閉症スペクトラム障害かもと思ったら、どこに相談したらいい?


自閉症スペクトラム障害の診断基準に当てはまり、
自閉症スペクトラム障害の傾向があるかも?と思っても、
いきなり医療機関を受診するのはハードルが高いと感じる人も
多いのではないでしょうか。
また、特に日常生活にも支障がない場合だと、
誰にも相談せずに医療機関を受診するまでには
踏み切れないこともあるでしょう。

しかし、適切なサポートを受けなければ、
本人にも周囲の方にも負担をかけてしまいがちです。
自閉症スペクトラム障害の対人関係のトラブルなどは、
障害への理解がない状態ではなかなか修復が難しかったり、
本人が自分を責めてしまったりなど、
状況が悪化してしまう場合もあります。

専門機関への相談を事前に行うことで、
そのような状態が起こらないようにできる限りのサポートを
受けることができるかもしれません。
たとえトラブルがあったとしても、上手く乗り越えていける
フォロー体制を家族以外の専門家も交えてつくっていけます。

「いきなり医療機関を受診するのは抵抗がある」という方は、
まずは無料で相談できる身近な専門機関の相談窓口を
利用するのがおすすめです。
早めに相談し、自閉症スペクトラム障害に対して正しい知識を
得るのは重要です。

家族で試行錯誤をして対処法を見つけていくよりも、
専門機関に相談し色々な方法を教えてもらった方が、
時間もかかりませんし、ストレスも少なくすみます。
必要であれば医療機関を紹介してもらうこともできます。

子どもか大人かによって、行くべき機関が違うので、
以下を参考にしてみてください。

【子どもの場合】
・保健センター
・子育て支援センター
・児童発達支援事業所 など

【大人の場合】
・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・相談支援事業所 など

身近な相談センターに行って相談し、
自閉症スペクトラム障害の疑いがあり、
診断を希望すればそこから専門医を紹介してもらえます。

自宅の近くに相談センターがない場合には、
電話での相談に乗ってもらえます。
自閉症スペクトラム障害を含む発達障害の専門の医療機関は
他の病気に比べると少ないですが、
発達障害者総合支援法などの施行によって年々増加はしています。

医療機関での診断は、子どもの場合は、専門外来のある小児科、
脳神経小児科、児童精神科などで行われることが多いです。
また、18歳以上の場合は一般的に精神科や心療内科などで
診断がなされます。
また、保健センターなどでは知能検査や適応能力を診断す
る検査を受けられるところもあります。
下記の参考リンクには全国の発達障害専門の小児科が
リストアップされています。受診の際の参考にしてみてください。
 



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