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子育て・教育
「勉強しなさい」エスカレートすれば教育虐待に

 「勉強しなさい」エスカレートすれば教育虐待に

子育て・教育 2019.02.05
「勉強しなさい」エスカレートすれば教育虐待に
小児科医・高橋孝雄先生に聞く
 「教育虐待に陥らないために」/過度な教育の押し付けが人生ゆがめる危険も

中学、高校、大学と、時はまさに受験シーズンです。

子どもに夜遅くまで勉強させる、成績が振るわないとつい厳しく叱ってしまう……。
子どもに考える力や知識を身に付けてほしいという「親心」ゆえの行動も、
エスカレートすると虐待につながりかねません。

「教育虐待」ともいえるこの行為は、命に関わるような緊急・深刻なケースが
少ないため発覚しづらいうえ、加害親には虐待の自覚もないことがほとんどです。
しかし将来的に、子どもの人生を大きくゆがめる危険性もあります。

「自分は苦労したので、子どもには英会話ができるようになってほしい」
「自分はもっと良い大学に行きたかった、子どもには頑張ってほしい」――
そんなふうに親は自分の後悔を子どもに託しがち。
ですが、小児科医として36年勤務した経験に基づいた子育て論を
『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』として上梓している
高橋孝雄先生(慶應義塾大学医学部小児科教授)は
「自分の後悔を子どもに託してはいけません」と言います。
虐待に至る親の心理や、子どもの勉強にどう向き合うべきかを
高橋先生に聞きました。

「家に帰りたくない」と訴える子どもたち、家庭介入難しい「教育虐待」
 「教育に伴う虐待対応は、東京では珍しくありません」

 都内にある福祉施設の児童虐待担当者は、こう打ち明けます。

 テストで100点を取れなかった子が父親から「努力が足りない」と顔を殴られた、
「有名大学卒でなければ価値のない人間」と言う父親に反論したら殴られた、
「塾の宿題が終わるまで寝てはいけない」と母親に深夜2時まで勉強させられ、
揚げ句の果てに物を投げつけられてけがをした……。
現場では日々、こうしたケースに対応しているといいます。

 「背景には、高学歴からくる優越感や、学歴が低いことへの劣等感、
家庭の孤立や親族からの圧力、経済的な困難など、親のさまざまな事情があります。
また子どもが発達の遅れや集団になじめないなどの『生きづらさ』を
抱えている場合もあり、複数の要因が重なったときに虐待のリスクが高まります」
(同担当者)

 学校や塾の教師から「子どもが家に帰りたくないと言っている」という
相談が入ることも。
しかし多くの場合、教師個人が気づいても組織として児童相談所(児相)へ
虐待を通告するには至らず、SOSを出した子どもがすべて救われているとは
言えません。

 また親が「やってしまった」と名乗り出るケースはほとんどなく、
むしろ「子どもが勉強しない」という相談が目立つといいます。
この担当者は「教育に関しては、虐待について一定の知識がある家庭でも、
人権を無視した行為が見られます。
子どもにとって一番身近な施設である学校などを中心に、
親子両方へのケアができればいいのですが……」と話しました。

 しかし、学校も対応には苦慮しています。ある小学校教師の男性は明かします。
「本人の意思と関係なく、深夜1時、2時まで塾の宿題をやらせる親はかなりいます。
教員としては一種の虐待だと思いますが、学校はなかなか介入できません。
児相通告によって親子両方から『余計なことをして』と責められ、
信感を持たれるケースもあります」

「教育虐待」は過干渉の一種、関心は点数? 子ども?
 高橋孝雄先生は小児科医として36年勤務するなかで、子どもをビニール袋に
入れて空気銃で撃つ、舌にたばこを押し付けるといった深刻な虐待ケースに
多数関わってきました。豊富な診療経験から、次のように分析します。

 「教育の押し付けは、子どもへの関心が強過ぎるゆえに起こる『過干渉』の一種。
虐待かそうでないかの分かれ目は、親の関心が子どもにあるのか、
テストの点数や合格した学校などの成果にあるのか、だと言えます」


 成果だけを見ている親は、点数が悪かったら深夜まで
子どもを勉強させよう、と考えてしまいがちです。
「目標の点数に届かなかった子どもの悲しみや苦しみが見えていれば、
そんなふうには考えないでしょう」(高橋先生)

 特に、仕事が忙しく子どもと接する機会の少ない父親は、
成果に関心が偏る傾向が見られるといいます。
子どもが結果を出すよう迫られ、強いストレスにさらされた結果、
不登校や髪をむしって食べるといった問題行動を起こすこともあります。

 「教育虐待」の難しさは、ほとんどの親が「子どものため」だと
信じ切って勉強させており、虐待の自覚がないことです。
しかし高橋先生は「子どもへの『あなたのため』は、
『親自身のため』と言っているのと同じです」ときっぱり。

 「子どもに語学を習わせたり、受験させたりする理由の多くは
『自分は英語で苦労したので、子どもには英会話ができるようになってほしい』
『高校のときもう少し勉強して、もっと良い大学に進めばよかった』といった
親自身の思いからです。
しかし何が幸せかを決めるのは、子ども自身。自分の後悔を託してはいけません」

 「もし『英語を話せたらなあ』『あのスポーツをやっておけばよかった』
と思うなら、子どもに託さず何歳からでも自分で始めてください」とも
付け加えます。

「最後はあなたが決めていいよ」と子どもの決定権を尊重
 子どもが勉強や受験へのやる気を失ったときも無理強いせず、
まずは話を聴くべきだといいます。
「『好きな異性が地元の公立中学に行くから受験したくない』などの
たわいない理由も、本人にとっては一大事。『あの子は優しいし、
一緒にいるのは楽しいよね』とまずは共感した上で
『でも、お母さんはこう思う』と、考えを伝えてください。
肝心なのは、『最後はあなたが決めていいよ』と子どもの決定権を
尊重することです」

 こうしたプロセスを踏むことで、子どもには「親はたくさん話を聞いてくれたし、
自分で決めていいと言ってくれた」という納得感が生まれます。
その結果、「お母さんがあれだけ言ってくれたのだから受験してみようか」と、
親の意向に沿った決断を「自分から」するかもしれません。


基本的な能力は遺伝子が担保 親は安心して
 高橋先生は、障害があるなどの事情がなければ、計算力や語彙力、
走る力などの基本的な能力は「遺伝子によって担保されている」と話します。
「子どもが社会で生きていく力、言われたことを理解し
自分の意思を表現する力は、堅牢な遺伝子によって確保されています。
だから親は虐待してまで勉強させる必要はない。安心してください」

 これは「能力は遺伝子で決まるので、いくら勉強しても無駄」という意味ではありません。

 遺伝子は「オン」と「オフ」を繰り返しており、「オン」の状態が
長いと使われやすく、「オフ」の時間が長いと使われにくくなります。
継続的な学習は、遺伝子をスムーズに、効率良く使うことにつながるといいます。
高橋先生は「努力して身に付けられることもあるのです」と強調します。
「ただ、遺伝子が担保する以上の力をわが子に期待し、
無理やり引き出そうとするのは親として過干渉。
そんなことをしても多くの場合、得られるのは遺伝子の
『ぶれ幅』程度の力にすぎません」

 受験に関しても、学力よりはむしろ志望校について親と話し合った経験や、
自分の意思で進路を決めたという自己肯定感の高まりこそが、
その後の人生にとって重要だと指摘します。

成長して引きこもるケースも 自己決定力が「やりたい」アンテナ育てる
 「親から虐待を受け、押し付けられるままに勉強している子どもは、
自分自身で『やりたいこと』を見つけるアンテナがなくなってしまう。
すると親の要求に応えられなくなったとき、一歩も前に進めなくなる
恐れがあります」と高橋先生は話します。
子どもが難関を突破して志望の中学や高校に進んでも、
友人とのちょっとしたトラブルで学校生活がうまくいかなくなったり、
大人になって引きこもったりするケースもあります。

 親にすれば、教育の機会を与えなければ、子どもの才能が
埋もれたまま終わってしまう、という不安もあるでしょう。
しかし高橋先生は「子どもに才能があれば、親が掘り出さなくとも自分で
『これをやりたい』『これが得意だ』と悟るでしょうし、
周りの人にも必ず見いだされます」と言います。

 「親が子どものやることを全部決めていては、『やりたいこと』を
察知するアンテナは育ちません。何事も自分で決める力をつけさせ、
アンテナをたくさん立ててあげてください」


(取材・文/有馬知子 イメージ写真/鈴木愛子)

高橋 孝雄(たかはし・たかお)
慶應義塾大学医学部小児科教授
高橋 孝雄(たかはし たかお) 日本小児科学会会長。
小児科医としての勤務経験は36年に上り、現在も小児科診療や医学教育、
脳科学研究に携わっている。
慶應義塾大学医学部卒。近著『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』
(マガジンハウス)。
50代でフルマラソンを始め、3時間半を切るタイムを維持し続ける
自称「日本一足の速い小児科教授」。


閉じる コメント(2)

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これね、難しいですね。
私の親のは虐待だと思う。450−460越えてても500じゃないからとクズ呼ばわり。
で、勉強勉強言いたくないな〜とは思っていたのだけど、一桁とか取って来られたら、さすがに「最低限の事はやりなさい」となる。
確かに、度を越したら虐待になるし、実際追い詰められて自死したり病んだり、または誰かをいじめたりしての憂さ晴らしにも通じるので、注意が必要ではあるけど、
勉強したくない子の言い訳に使われる危険もあるなぁ〜と。

2019/4/17(水) 午前 11:50 こみち 返信する

> こみちさん
私たちが子どもの頃って
まだ「学歴社会」あったと思うので
「教育ママ」
「スパルタ教育」なんて言葉もありましたよね。

その頃よりはまだ緩やかな時代になっているのでしょうか?

私、勉強やりたくない子には
厳しさよりも面白さだと思うの。
娘が 先生によって授業の面白さが全然違うって
いうものね〜。

2019/4/17(水) 午後 0:06 くすのき 返信する

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