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友人が結婚した。
これまでも多くの友人が結婚していった。その反応はまちまちだ。
「勢いだったよ」とか、「するのが当たり前だった」とか。
今回の友人の結婚はそういった流れの中での結婚とは少し違う。なぜなら、彼は僕の結婚に対する最後の砦だったのだ。「あいつが結婚しないなら僕もまだいっか」というそんな気持ち。
勘違いしてほしくないのは、僕は決してモテない。モテていて女の子も切らせないからそのままでいっかとこれまでの人生を送っていたかというとそうではない。あがいてあがいて、あがきっぱなしだった。
モテない世界をぐるぐると回ってきたのだ。
とはいえ、いつかは結婚しなくては、という思いは常に胸の奥にあった。そうして、どうでもいい世界を生きてきた。
どうでもいい世界を回っていると、仕事というたいそう便利な現実に巡り会った。これが大変に忙しく、充実していた。ちっとも楽しくなんてない。でも、まじめな性格がそこに向かわせて、プライベートでもそのことばかりが頭を這っていく。
こういう恐ろしさが仕事にはある。
自分の胸の奥に閉まっていた結婚願望は次第に仕事の前で遠のいていった時に、友人の結婚報告が来た。正直に言うね。慌てふためいた。
ラインという実に簡素で便利でもあり、感情の読み取れないもので、届いたのも、僕を不安な気持ちにさせた。
「明日、ニューセキするから」。
入籍とは、なにごとぞ。
今、お付き合いしている人がいるのだが、僕はめっきし、怖いのである。
この前、大仕事を終えて、ぼんやりしていると「結婚したいなぁ」と思ったのだが、しばらくたつと、大変に怖い。
「この部屋に誰かきて、子どもが出来て、育てられるのだろうか」とか、「僕の親戚とお嫁さんは巧く行けるのだろうか」とか、「タバコはやめなきゃいけないな」とか、とにかく、不安でしかたない。
なにより、僕の音楽趣味を分かってくれるんだろうか、というのが怖い。
不安だらけである。
今日の歌
beck『morning』
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