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やっと9月。酷暑の8月を何とか乗り切るもまだ30度前後の日が…。でも狭山スキー場では人工降雪が。サッカー、イニエスタ見に行こう!

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最近話題の本の中から…その73「イヴィチャ・オシム」VS「遠藤保仁」


■イヴィチャ・オシム氏の著書「恐れるな(なぜ日本はベスト16で終わったのか?)2010年10月10日発刊」その3
2010年4月10日発刊
著者:イヴィチャ・オシム「1941年(昭和16年)サラエボ生まれ。60年サラエボでプロデビュー、旧ユーゴスラビア代表のフォワードとして64年(昭和39年)の東京五輪に出場し、68年の欧州選手権では準優勝を果たす。78年仏のRCストラスブールを最後に現役を引退。90年イタリアW杯では現名古屋監督のストイコビッチらをようしてユーゴスラビアをベスト8に導く。2003年ジェフユナイテッド市原の監督に就任。05年同チームをナビスコ杯優勝に導く。2010年の南アフリカW杯を目指し、06年日本代表監督に就任するも翌年脳梗塞に倒れ、代表監督を岡田武に託す。」


以下同書の内容については、私のコメントを織り交ぜながらご紹介していきます。 
 
 4.成功した本田のCF起用

  悒札鵐察璽轡腑淵螢坤爐慮地で見るならば、この不意な戦術変更と、本田の素晴らしい動きを説明するのは簡単にできるだろう。だが、しっかりとディテールまでを分析することが必要である。日本はセンターフォワード無しで南アフリカに到着したようなものだった。』
 
 ◆悒妊フェンシブなポジションとして、中澤、闘莉王、阿部の3人。中盤には、長谷部、遠藤という布陣を組んだが、彼らはストライカーではない。両サイドバックには、駒野友一(ジュビロ磐田)と長友がいるが、チームとして攻撃をビルドアップするスタイルを失っているため、ターゲットマンと言われるプレーヤーが前線にいなくなった。』

 『日本は守備だけに、すでに6つから7つのポジションを費やすことになったのだ。その中で、ただ一人、ターゲットマンとなりえたのが、屈強で、フィジカルがシェイプされた本田だった。彼は、前線でボールをキープでき、パスができシュートもできる。』

 ぁ愴爐CFで起用した戦術は、成功だったと評価していい。唯一の不運は、彼を決して快適とは言えないシチュエーションにさらしたことだろう。本田への期待が大きくなればなるほど、それはプレッシャーに変わる。24歳という本田の年齢を考えると、そのプレッシャーをコントロールすることは容易ではない。』

 ァ悗海離櫂献轡腑鵑蓮経験が必要で最も難しいポジションのひとつだと言っていい。岡田監督、欠けたセンターフォワードというピースにチームで最も屈強な本田を当てはめることが、最高のオプションであると考えて決断したのだろう。本田には、テクニックがあり、チームプレーのためのセンスもある。そしてなにより勇敢な戦士である点がいい。』

 Α愴爐蓮▲哀蕁璽(オーストリア)で行われたイングランドとの親善試合で、すでに片鱗を見せていた。岡田監督は、センターフォワード不在の問題を何とかして解決せねばならない状況に追い込まれていたと思う。不眠で考えを巡らせたのだろう。そして、その指揮官が下した決断は、見事なまでに機能した。』

 А愃2鵑離錙璽襯疋ップに限って言えば、センターフォワード不在という日本の命題を解決した。しかし、これが未来永劫の解決になったかと考えると、疑問符をつけざるをえない。』

 5.実行できなかった高い位置でのプレス

  愼本は、アジア予選から高い位置でプレスをかけて、そこからボールを奪い攻撃に転じるというスタイルにチャレンジしていた。』

 ◆慍田監督は、「ハエがたかるように何度も何度もチャレンジしていく、攻守にわたる運動量、切り替えの速さ、組織としてのまとまり、そういうものが私のチームの長所」と大会前の記者会見で語った。』

 『それが、彼が標榜したチームコンセプトだと言ってもよかった。しかし残念ながら、そのスタイルをワールドカップで継続することができなかった。』

 ぁ悗修寮鐔僂鮗里討燭里任呂覆、何人かのプレーヤーは、高い位置でプレスをかけることができなかったのだ。ポジションニングが、自陣のハーフより下で、あまりに相手ゴールより遠い位置にいたため、単にプレスをかけることができなかったにすぎない。』

 ァ悗海譴泙任離好織ぅ襪鯊街圓垢襪砲蓮確かにリスクを冒すという大きな責任が必要になってくる。リスクは誰もがわかっていたはずだが、負けることを恐れて相手を高い位置から攻撃するための方法を取らなかった。この点について私は、少なからず失望を感じている。』

 Α愼本の選手は、その戦術を実行できるだけのクオリティを持っている。彼らは、可動性を持ち、アグレッシブで、エネルギッシュだ。なのになぜ、最も敵もバイタルエリア(得点につながりやすいゴール正面の地域)に容易に入り込める戦術を取らなかったのか。』

 А惻茲蕕覆ったのか、できなかったのかは、彼らの頭を開けて見たわけではないのでわからないが、推測する限り、彼らは、その戦術を取ることを渋ったのだ。まるで、誰かを打ち負かすことを恐れているかのように。』

 ─悗修譴蓮△泙襪罵鳥のようだ。まるで敵のチームから与えられる何かの処罰を恐れているかのような姿だった。』

 『なぜなのだ。なぜ勇気をふるわないのか。私は、この勇気の欠けた行動を見て本当に悩んだ。「選手を信頼してはならない」これは監督、コーチが良く口にする言葉だ。』

 『選手は、勇気を出さねばならないし、ゲームの間、自分自身の決断に責任を持たなねばならない。だが、これは個人的な勇気であり、私的な責任である。監督が選手に指示したものとは何も関係ないことなのだ。』

 『私は、理想のすべてをスピーチとして選手に話すことはできるが、選手は、そのすべてを信じてはならない。つまり自分で考えて行動しなければならない。最後は、選手一人ひとりの気持ちの持ちように行き着く。』

 『「選手を信頼してはならない」とは、そういうことだ。最後は、ピッチにいる彼らが、自分で考え、行動するのだから。』

 『日本は、もっとできたのだ。よりアグレッシブに、もう一段階より危険な攻撃が可能だったのだ。彼らは、サッカーに必要なすべてを持ち、すべてを知っている。選手は自分たちで考え、行動できたはずなのだ。』

 『しかし、もはや、すべてが遅すぎる。日本は、グループリーグの初戦で勇気のあるプレーのできることを証明した。本田が、デンマーク戦の3点目で岡崎への素晴らしいアシスト的な動きを見せたとき、世界が、ヨーロッパが、日本のサッカーに対して驚きと喜びを覚えた。』

 『日本は、リスクを冒し、そして「チーム」としてもプレーができることを世界にアピールした。日本には、そのように動ける優秀な選手が揃っている。』

 亜悒皀薀襪伴信を兼ね備えて、チームプレーができるためのシステムを作ったチームは、敵を揺さぶり、破壊することができるのだ。』

 6.一体感の演出

  愼本のチームが、いろんな意味で団結して一丸となったのは素晴らしい結果だった。非常にコンパクトにまとまって見えた。それは、ピッチ上の戦術面だけでなく、選手や首脳陣からのコメントを見るだけでも一体感がうかがいしれた。』

 ◆慊発もなく控え選手たちからの異議もなく、代表監督とコーチングスタッフに向けられる批判もなかった。』

 『穏やかで平和的は雰囲気だった。こういうムードは、ごく自然に期待を上回るパフォーマンスにつながった。』

 ぁ慳圭發垢襪茲Δ世、私は、チーム内のフェアな競争が、その平和的な雰囲気をもたらしたのだと考えている。』

 ァ愴甘Г気譴寝真佑の若い選手たちが、その仕事を見事に果たすと、ベテランの選手たちは、静かに、それをサポートしていた。』

 Α悵貶で、その若い選手たちも、一体感とは何かをわきまえていて、メディアへの容赦ないビッグマウスで出場のできないベテランたちを刺激することをしなかった。』

 А悗海Δい清い競争がチーム内に起きたおかげで、雰囲気が良くなったのだろう。これは、岡田監督の功績である。』

 ─悗い弔發覆蕁忌憚のない意見を言うことをためらわない2人のGK、楢崎正剛(名古屋グランパス)と川口能活(ジュビロ磐田)も静かに見守っていた。』

 『スペインでのプレー経験があり、潜在的に放言タイプで、思った意見を言いたい放題してきた大久保嘉人(ヴィッセル神戸)も不言実行を貫くように静かにプレーだけに集中していた。』

 『大久保は、多くを語らないが「自分こそがベストプレーヤーである」という自信をピッチ上で持ち始めたように見える。』

 『実質的に、ドリブルを試みた唯一の選手が大久保なのだ。本当の自信を持ったプレーヤーは、不思議なことにビッグマウスを発揮することが心地悪くなるようである。』

 『選手たちは、極めて穏やかで平和的な若者であり、ジュージの日本キャンプには素晴らしいムードがあったのだと推測する。』

 『そういう一体感を作りあげながら、ベスト8、ベスト4へと進むことのできなかったことは、本当に残念である。ほんの少しのリスクと、勇敢さーそれさえあれば…日本のサッカー界の歴史は大きく変わっていたのだ。』

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