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ニック・ドレイクのファーストアルバム。
レコード蒐集を趣味とすると、当然のことだがひとつひとつ探しているものが手に入ってくる。
手に入れたアイテムの渇望度、難易度が高ければ高いほど満足感は大きく、同時に手に入れたというのにある種の喪失感を感じるのはどういうわけだろう・・・欲しいものはあるということは幸せなことなのだ。
欲しかったけど高いレコード。
実際お安く買える可能性の低い超人気盤なので、コンディションに恵まれれば有る程度の出費は覚悟していたが。。。
盤、ジャケットともにそこそこのコンディションながら、やはりレコード一枚と考えると高い。
オリジナル・アイランド「ブラックボール」ラベル。
レア盤の宝庫アイランドレーベルの中でもわずかな期間しかプレスされなかったこの「ブラックボール」ラベルをオリジナルとする作品は極めて少ないが、そんな中に超人気盤である本作がある。
それほどみかけないがアイランド・ピンクリム・ラベルのものも出回っているが、セカンドプレスだ。
セカンドプレスをもってして決して安価には手にはいらないやっかいなアルバムのため。これまでCDでガマンしてきた。
好事家の間ではこのレコードがオリジナル盤はプチパチ音が多く、意外に音が良くないとの風評があったが、このたびようやく耳にしてみて、やはりオリジナルの音質の良さを再認識した。
好きなアーティストは?と聞かれると私が必ず10指に入れるだろうアーティスト、ニック・ドレイク。
わずか3枚の作品を残してこの世を去った夭折のシンガーソングライター。
2作目3作目も素晴らしいが、このファーストアルバムも素晴らしい。
うつ病を煩い、抗うつ薬の過剰服用によって死んだとされているが、その音楽も優しく、美しく、そして翳りに満ちたヴォーカルは聴けば聴くほどに後の運命を感じさせるような儚さがある。
ダウナーなアシッドフォークの中にもどことなく違和感があるのは、何気なく奇数拍子を取り入れている点だろうか?
3作目のある狂気を感じさせる部分はまだそれほどではないが、その分ヴォーカルとアレンジの美しさが際だっている。
考えてみれば私のような者がこのアルバムを正面から論評するなんておこがましすぎるかな。
でも斜に構えた論評はやはり、できない。
何度聴いてもやはり最上級の賛辞を躊躇なく送りたくなる素晴らしい作品。
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