第2思春期レコ買い日記・旧館

2010年4月にブログお引っ越ししました!

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デンマークのグループ、サヴェージ・ローズの9作目「SOLEN VAR OGSÅ DIN」(THE SUN WAS YOURS TOO)

サヴェージ・ローズは60年代末から今日に至るまで活動してアニセッテという女性ヴォーカリストを中心とする北欧屈指のグループで、時代時代で音楽性を大きく変えて生き残ってきたグループだが、本作以前と以後で大きく路線を変更することになった非常に重要な作品だそうだ。
実はこれ以前のアルバムは1972年の「Dodens Triumf」くらいしか持っていなくて、このアルバムも初期の作品のなかでは、異質な感じのする作品のように思える。初期のアルバムの中にはクラブ系DJによって再評価された作品もあり、ジャニス・ジョプリンのような音楽だったのだが(これはこれでいい)、本作以降がらりと極端にアコースティックなフォーク・トラッドに傾倒した音楽性へと転換する。
なんでも左翼的な政治活動にも参加していたそうで、政治思想と切り離して論評することがあまり意味のないことなのかもしれないが、考えてみればヘンリー・カウやイタリアのアレアのようなグループたちも同じ事が言えるわけで、今の時代から見ればそんなことを言ってこの素晴らしい音楽を評価しないというのはとてももったいないことに思える。

このアルバムを初めて聴いたのは大学入試前くらいの多感な時期だった。
とにかくアニセッテの絞り出すような心を振るわせる歌声に魅せられ、さらにはどこの国のフォークとも見当のつかないアコースティックで不思議な魅力を持つ音楽性にたいそう驚いた。あのころはこれはデンマークのトラッドに影響を受けた音楽だと思っていたが、よく聴くとジプシー音楽のようでもあり、北欧のトラッドとは趣を異にするように聞こえる。ドラマーというかパーカッショニストはテクニックも十分だが、ブラッシュをつかったジャズフィーリングのようにも聞こえるし、トイピアノ等を使ったキーボードもファンタジックではあるが、トラッドにありがちな土着性は薄い。
この前の作品まではそれなりに人気もあったようなのだが、この作品以降すっかりコマーシャリズムに背を向けてしまったようで、何作かはこのアコースティック路線を突っ走っている。
私はと言えば、このアコースティック路線の作品が好きで何作か聞いてみたが、どれもすんなり受け入れられた。
とくにアニセッテのヴォーカルはすばらしく、個人的には北欧最大の女性ヴォーカリストと言ってしまいたいほどの素晴らしさだと思う。
本作は確かにこれ以降の音楽性の転換を象徴する作品とはなったが、依然としてギタリストが残っていて(次作ではギタリストがいなくなってしまう)、所々で聴かせてくれる泣きのギターが美しい。さらに純化と深化を始める次作以降の作品と俗世間とつなぐ美しい「架け橋」となっていて、幾ばくかの聞きやすさを提供してくれているように思える。
どの曲もすばらしいのだが、英語で歌っている「JOHNNY DON'T」は痴的(知的ではない)でさえあるアニセッテのヴォーカルとフォーク、ジャズ、シンフォニックのミックスされ、それでいてヴォーカルを引き立たせるような淡々としたバックのサウンドがとても素晴らしい名曲だと思う。

さて・・・
実は本作は二種類所有している。
上に載っているのがデンマークのオリジナルSONETレーベル盤で、次に載せているのがノルウェー盤だ。
私がその昔始めて聴いたのはノルウェー盤の方。
やがてデンマークオリジナル盤の存在を知り、オリジナルに買い直し、ノルウェー盤を売却した。
で、デンマーク・SONET盤を聴いたときにいくばくかの違和感を感じたが、何年もそのままにしておいた、
ところが先日格安でノルウェー盤を見つけたので、昔感じたかすかな違和感を確かめたくて購入してみた。
購入して見比べてみるとオリジナルが1978年表示に対し、ノルウェー盤は1980年のプレスのもようだ。

二枚を聞き比べてみると。。
オリジナルのデンマーク盤は当然悪くない感じなのだが、ノルウェー盤に比べるとカッティングレベルが低い。
ノルウェー盤は音圧があり、なおかつリイシュー独特のもやもや感がまったくなくダイナミックで、個人的にはオリジナルのデンマーク盤の音質を上回っているように思える。
シンプルな編成のせいか、一発録りっぽくて大変良い音だ。それがノルウェー盤のダイナミックな音でさらに引き立っている。
ただノルウェー盤もよく聴くと難点があり、盤の中央に進むとありがちだが外周部のダイナミックさが消えてしまう点。
すなわちA-1,B-1はすばらしい。私が言及した「JOHNNY DON'T」はB-1。もちろんA-1の「KOM OG VARM DIG VED MIN SIDE」も音質といい楽曲といい大変素晴らしい。
デンマーク盤はノルウェー盤を聴かなければそれなりに楽しめるのだが、もしかするとその昔ノルウェー盤でノックアウトされた私はデンマーク盤ではここまでノックアウトされなかったかもしれない。
所謂「各国盤」にして再プレスであるレコードの方が母国オリジナル盤の音質を明らかに上回ることは大変珍しい。

ノルウェー盤はジャケットデザインがダサく、ジャケット裏のデザインにいたってはちょっと淋しくなるが、やはり両方持っていたくなる。
はるか昔に私が感じたちょっとした違和感の正体を作品が初めて世に出て30年が経過した今、極東の島国でひっそりと確認しているのはなんとも珍妙な話だが、ちょっとした満足感に浸っている。

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ご返事遅れました。私の記事を読んでいただき、真に
恐縮です。このバンドの存在はなかなか日本では正面
からは取り上げられにくいバンドだと思うのですが、
過少評価に甘んじているバンドの一つだと思います。

2009/12/20(日) 午後 9:01 [ Cottonwoodhill ]

いつもブログ拝見しています。というか「リファレンス」とさせていただいております。
膨大な情報、いつもありがたく思っております。
サヴェージ・ローズの最近の活動についても書いておられたので大変参考になりました。
熱のこもった文章に思わずTBさせていただきました。
今後ともよろしくお願いします。

2009/12/21(月) 午後 9:34 geppamen

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