野路の道づれ

冬は暖冬だそうですが、こういう時の西からの雨が雪をもたらすことがよくあります。

ぶどうづくり

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葡萄の葉と同窓会

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 明け方ひと桁代の気温から零度になったりすると、さしもの「巨峰」の葉群は秋らしくなっていきます。種類によるのでしょうが、あまり綺麗にはなりません。こうして黄色になり落ちていきます。その頃はまた中央アルプスの山々降ろしの西風が、大型の葉をあちこちにまき散らし、一時的に邪魔者扱いになっていまいますが、それも季節柄のことでしょう。
 こういう時を過ぎて、先日、まあ老人仲間入りのセレモニーかもしれない同窓会に行ってきました。この頃のはやりかもしれませんが、いわゆる勤労者を卒業しているせいなのか、あるいはクールビズなるものが浸透したせいか、ネクタイをするひとが一部になった―ということは過去には多かった記憶があるので―という様子でした。 
 着るものはともかく、加齢の外見は様々。ひいき目に大いに見て、頭髪の生えや白髪の様子は、出席者一般に比べていい方と自己判断をしたものです。
 はるか東の地方のT大学卒―学業のあらゆる点で、とても太刀打ちできなかった知人にして、現在は野鳥観察などをしている白髪眼鏡―の紳士は、こう言っていました。
 「Kはね、そう、奥さんを亡くしてから躁鬱の状態で、躁の時は建物とかに投資したりで、鬱がやってくると何もできなくなりましてね。投資の失敗があったり。そうしているうちに承知のように自死していきました。Oはもうここでは言えないほどで・・・・・、人生がダッチロールしていて。ひとにも迷惑かけて。ところで、そうですか。野路さんピアノをやられてる。なかなか万年青年で」
 いや、最後の言葉はほめ過ぎのヨイショでしょうが。Kは当時3年生だけで360人ほどの中学生徒会長で京都のR大出、Oは白面の美青年ふうでD大出であり、この3人には、何とももがきながら小さな家という穴倉に半ば閉じこもって欝々として楽しまなかったこちらには、いかにも順風満帆、烈々として意気軒高、青春の輝きと将来の明るい展開への予感に溢れたものを感じたものでした。さて、今はどうなのか。こういうときいつも思うことはあります。自分はたいへんと思うのは大いに間違い、とか。
 属したクラスでは、この5年間で一人が食道がんで亡くなっています。まことに両目だけに関していえば、何年か前に亡くなった俳優の細川俊之に似ていて、少年の頃にはまつ毛の長い男子という印象があると、T大学病院で長らく看護師をした同郷出身のある奥さんが語っているのに同感したものです。
 この種の食事会の後に、じわじわと湧いてきてしまうことがあります。それは何というか空しさ、妙な孤立感のようなものです。それぞれの生の一面もしくは断面を確かに見てとることはできるのでしょう。だからといってそれは、過ぎ去り消失した連帯感であって、それ以上のものではないと思うことがあります。ひととの関係というものは、場合によって意外にそういうものかもしれません。しかし、そういう時点から始まることもまた事実でありましょう。
 さて今回は、これまで生きられているのは今までの貯金としての健康、という意見がありました。そうかもしれない。体調面では10年単位でいろんなことがおこるものですから。
 

何故ブドウなのか

  そろそろ食用のブドウは種類によってではあるが、収穫の終わりに近づいている。食用といっているのは、ワイン用のブドウがあるからである。ワイン用を栽培している農家では、これからが収穫となる予定らしい。
 日の当たりの少しよくないところでは、まだ数房を残してはいるけれども、先週末に多くを収穫して選び、娘たち家族のところへ送った(2回目)。送料が重なったために、家人のいくらかのヒンシュクをかいながらではあったが。
 
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 袋に包まれてしまっているから、あまりはっきりわからないかもしれない。それで葉も少しづつ色褪せ部分的に枯葉になっていくが、なお頑張ってはいる。
 
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 ついでに―と言っては言い過ぎかもしれないが―お世話されている新住所に移転して開設予定であるY音楽教室の嘱託契約講師殿に向けてのものも、準備した。収穫それ自体は私の担当だから、むつかしいけれどもある程度の選択は可能であった。
 自家製の「巨峰」を受け取った方からは全て礼を言って頂けるが、ひとのいい私は、大盤振る舞いをして舞い上がっている気分ではある。
 例えばそのいくつかを自慢げに紹介すると―。
 弟;「開けたら袋がついていたし、箱がブドウ専用の箱だったから、『きっと何処からか買ってきて送ってきたのでしょう』と家族で言っていたところだったんだが、違うんだね」
 某女史;「家族にはとても好評ですよ。以前は生徒のお祖母さんが、栽培していて、生徒のうちはもらったのですが、今はその生徒もいないので」
 近隣のワインブドウ農家の主人―かつて少なかったが幾つかの助言は頂いた。けれど大方は、その時々の失敗から、あるいは手引書やネットの情報から学んだという自負があったが―にそれなりの大きい粒のものをさし上げた。
 「今日は孫の運動会で、家族でこんな立派なのを食べることにします。ほんとによくできていますね」と、リンゴジュース2本をお返しにもってきて言うのだった。

 しっかりした直径5ミリ弱の長い茎にハサミを入れるとき、何かしら名状し難い心情になる。当然だが収穫の喜び。この時期に採らなければ、成熟し過ぎてしまうかもしれないという微かな不安。受け取る側の家族たちの反応。しかし何かしら傷つけてしまったという感覚。今年の春以来の様々な手入れや観察、台風等への防御や心配がごちゃ混ぜになった後、大粒の房をあらためて見るとき、たかだか狭き庭の片隅に植えた2本から、よくぞここまでと、アテネ・オリンピックのマラソンランナー有森さんではないけれど、「自分を誉めてあげたい」という気になってだろうか、大げさにも胸に迫るものがある。
 幼少の頃には、ブドウ―ほとんど実が生ることがなかったが―固くて小さくしかできなかった梨、何よりも家の裏には山梨の巨木があり、毎年小さなしかし数え切れぬ数の実をつけた。これらは全て繁茂する雑木のなかに埋もれ、枯死して跡形もないのは、家族にうち捨てられた生家が流失したのと時期を同じにしただろうか、それとも後のことであっただろうか。
 意識的こだわった訳ではないと思っていたが、他方ではいつか内々であててやろうという思いがあったのかもしれず、いずれにしても果樹への不思議な執着を、先祖に求めてもいいのではという気がする。
 
 

贈り物に

 「巨峰」の実りがいよいよ最盛期になってきたので、比較的粒の不揃い系を食しながら、いいものを選んで私的な贈り物にすることにしました。
 送り先は一族で、ひとつは西宮市の娘の嫁ぎ先で3人の外孫たちのために、今一つは横浜市の弟家族のために。出来具合の最上ということはなかなかありませんが、それでも素人が手引書と経験の積み重ね、若干の人からの助言によって、ようやく私なりのレベルになったと思っています。
 箱は、缶コーヒー一杯分を払って購入しました。箱詰め担当は家人です。左は店から購入したシャイン・マスカット(緑色のブドウ)が入っています。

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 買った方が安上がりかもしれませんが、これは一種の趣味を兼ねた慈善であると思っています。昨年までは、できがイマイチでお礼を言われても心苦しさがやや残ったのでしたが、今年はいささかの自負があります。
 今日採った不揃いだが、直径3センチ弱と思われる、別品種の「藤稔(ふじみのり)」にも大きさだけは負けないだろうという気がします。洗ったばかりで滴が、いかにも美味しそうに見えませんか?得意の自画自賛です。
 家人が2粒ぐらい食べただけで、唇や歯茎の一部が薄紫色になるくらいになりました。
 
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   参考までに「藤稔」を載せてみます。昨年だったか食した範囲では、意外に酸味が強く、大味な気がしました。というのも、自分のが可愛いからか。

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成熟はどうか

 そろそろブドウのシーズンになって、広告に載ったり、スーパーの店頭にも多く見えるようになってきました。
雨が続くのはいいことではありません。というのもここまで実りがくれば、水分はさして必要ないのです。かえって粒の割れの原因となってしまいます。割れの減少を幾つか見つけ、そこからカビが増殖していくことにもなるようなので、除去する作業をしましたが、思わぬ時間がかかってしまいました。
 それでも、袋をはずした様子は以下のようです。他の房で味見をしましたが、成熟までにはもう少しと思います。

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 形の幾らか違うのを示してみました。光の当たり方がすべてのようにも思われますが、一本の木に関して言えば、見た範囲からすると枝の端の方が、実りが早い気がします。
 テーブルに別のを採り乗せてみました。

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 お皿が小さすぎたでしょうか。

8月の半ばでは

 次々に伸びてくる「巨峰種」の途中枝を切りながら、まるでやることのない盆栽を管理するようにして、この頃ほとんど現れなくなったコガネムシを目の敵にすることに変わりがなく、日を送ってます。
 今まで紹介をしませんでしたが、ブドウを育てるにあたってのハウツー本があるのです。

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  標準の地方で設定された栽培暦で、いったんブドウが根付いていまうと暦が余分になってしまうところはあります。けれどもポイントをしぼって一定の項目であらためて案内を追ってみると、おおいに参考になります。というのは、この点ではそのひとの考え、やり方、大げさに言うなら栽培哲学が分かれるところで、そっくり参考書に従っていくか、ある面無手勝流でゆくかですから。
 私は後者だから、後で追っていって大いに参考とする方なのでしょう。失敗しないとわからないこともあります。
 2房を袋をかけずにサンプルとしていますが、袋をはずさずに、その時々の様子を確認するためです。
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 上と下は別々のもので、光の当たる方向が違っています。じょじょに色づいていくのでしょう。
 そこで、時間があったので、最も光の当たるところにある袋かけしたのをはずし、見てみました。

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 少し形がいいと思ってますが、色づきはこれからでしょうね。




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