風と、水と、光と。

ひとつ選んで、こうなって、またひとつ選んで、ここにいる。なるほどね、なんて。

ふしぎなできごと

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三度目の子猫

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3度とも、それは初夏のできごと。


一度目は、わたしが高校生のとき。
暑い、日差しのきつい日でした。
登校途中の、駅へ向かうバスの窓から
バス通りの歩道のすみの草むらに、小さく動く茶色い影を見つけました。

猫だ。
小さい。

子猫が一匹だけ、大きく口を開けて鳴いているようでした。
迷ったの?
子猫のほかには箱も何もなく、まわりに人も誰もいません。

バスはどんどん動いていきます。
・・・次の停留所で降りようか、学校どうしよう・・・一時間目体育だから早く行かないと・・・


わたしは結局バスを降りませんでした。

なのに、やっぱり、お昼休みも、帰り際もずっと気になって、
急いで帰りのバスに乗ったのでした。

乗り継ぎの駅を過ぎ、猫のいたその場所へ。


・・・
さっきの草むらの少し奥に、
ちいさいちいさい子猫は、手と足を投げ出して、
口を開いたまま、動かなくなってそこに倒れていました。
ちいさくしぼんで・・・


わたしは口をかみしめながら、猫の横を掘りはじめました。
道具も何も無かったので、手で。

後ろから、声が聞こえました。
振り返ると、白い髪のおじいさんでした。
この辺でシルバーセンターがあるとかで、お手伝いに来たのだそうです。
猫を、そこまで連れて行って、箱に入れて、ちゃんと犬猫のお墓のあるお寺に連れて行ってくれると。

わたしはおじいさんになにひとつ、あいづちを言えませんでした。

“おじょうちゃんが座り込んでるから、なにかと思って見に行ったんだよ、
 優しい子だね”

おじいさんがわたしを見て言ってくれたとき、
涙が決壊しました。
声を上げて泣きました。

優しく、なんかない。




2度目は、ゆとりの幼稚園に、盆踊りの練習をかねた参観日に出かけたときでした。

家から大通りをすいすい運転し、
時間通りに着きそうでほっとして、最後の角、
対向車線のバスが、赤信号で止まっているのを見たとき、
バスの運転手さんと目が合いました。え?

なにか言いたげな、バスの運転手さんの目の動いた先、
バスの目の前。

交差点のどまんなかに、ちいさい茶色い子猫!
そのままいたら、バスにひかれる!

今回はさきに身体が動きました。
交差点の先頭にいたわたしは、急いで左に車を寄せて止め、
交差点に走って入り、子猫を拾って歩道に上がりました。

バスの運転手さんがパッシングして、帽子をあげて会釈して、バスは通っていきました。


歩道のわたしに、数人の歩行者が声をかけてきます。
“生きてるの?”
“どうしますか?”

子猫は、小さく、みゅー、と鳴きました。
でも、後ろ足が血だらけ。
呼吸もあまりしっかりしていません。
バスの前にいた車にひかれているのかもしれません。


幼稚園のそばに、たしか動物病院があったはず。


周りの人に、“動物病院、連れて行ってみますね”といって、
わたしは自分の帽子に子猫を入れて、
車に乗りました。

膝に乗せながら、ばくばくし続けている自分の心臓の音を聞きながら、
“お願い、助かって、今度は助かって・・・”
そう大声で言いながら、動物病院へ行きました。


動物病院の、優しい目をした男の先生が
順番を変えて子猫を見てくれました。


・・・残念ながら、子猫は内臓をやられていて、これ以上は苦しませるだけだと・・・

家につれて帰って看取ってあげようと決めて、その話を先生に伝えると、

“横浜市は、交通事故にあった動物は、動物病院で保護してみてあげるように
 定められているので、大丈夫、病院のほうできちんとみてあげますよ” と。

頭を下げて、動物病院を後にし、


もうお昼過ぎになった、ゆとりの幼稚園へ向かいました。


担任の先生に、“ゆとりちゃん泣いちゃって・・・”と伝えられ、
ゆとりを連れてきてもらったので、
ゆとりに、きょう会ってしまった猫のことを話したのでした。

泣きじゃくりがおさまってきたゆとりは、
“猫ちゃん、どこ?”と聞いてきたので、
動物病院で見ていてくれると言うと、

“ゆと、猫ちゃん見たかった、助けたかった”

またそういってしばらく泣いてしまったのでした。





そして、3度目が、今年の初夏に。


車検をお願いしているディーラーさんのところに、
ぱぱとゆとりで出かけてきた週末。
ゆとりは帰ってくるなり、大声。

“ままー!!小さい子猫ちゃんがムラタさん(ディーラーさん)のところにいたの!”

聞けば、まだ生まれて間もない子猫が親とはぐれたようで、
弱ってムラタさんのガレージに来ていたのだとか。
ようやく元気になったものの、ディーラーさんでは飼えず、
里親をさがしているのだけれど、なかなか見つからないと。

ムラタさんのところで、子猫は常連さんには人見知りしていたらしいのですが、
ゆとりにはひとめでなついて、ずっとひざに来ていたのだそうです。


“まま、子猫ちゃん、助けてあげたい”


うちは社宅なので、それに自分の家になっても、ぱぱが猫の毛アレルギーなので飼えないし。

ゆとりは必死で頭を回していたようです、
“おばあちゃまのおうちとか、ばーばのおうちとか、いま猫がいなくなってるから、
 飼ってもらえないかな?”


そこからの展開は、とんとん拍子でした。

電話を受けたおばあちゃまは、二つ返事でOK!
一年前に飼い猫を亡くして、やっとまた飼おうと思っていたのだとか。

おばあちゃまのおうちは札幌。でも、ぱぱもお仕事。わたしもお教室の手伝いが入ってる。泊まれない。


“ゆと、ひとりで飛行機乗れる!”


それもおばあちゃま、空港へのお迎え快諾!
ゆとりは航空会社のキッズサポートで札幌に行けることに。
ちょうど、週末はゆとり参観日なので、月曜日に振り替え休日。


子猫はついに、ディーラーさんからうちへ。
数日うちに泊まって、札幌に向けて飛んだのでした。


子猫は、“チーノ”と名づけられていました。ぺペロンチーノのチーノ?って。
でも、ムラタさんはフェラーリもお好きなので、
エンツォ・フェラーリの息子さんのお名前にちなんでいるのかもしれません。

新しい名前をつけてあげていいよ、と言われていたのですが、
ゆとりはこの名前が気に入ったのだと、
おばあちゃまとそう呼ぶように話し合ったそうです。


小さくてやんちゃな、男の子の子猫。
あったかくてかわいくて、かぼそくて。
わたしもすっかり情が移って、見送るときはつい泣けちゃったほど。


いまは、札幌のおばあちゃまのおうちで、
すくすく大きくなり、とびまわって遊んでいます。




一度目の子猫も、二度目の子猫も、
そして三度目のチーノも、

みんな同じ顔のキジ猫で、胸が白かった、って言ったら、信じられますか?

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