グループ医療への道

いろいろしてきたけど、結局自分が目指しているのは、グループ医療なのかな!

在宅ケア10の誤解

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その10

10・薬についての誤解
往診に行ったときに、朝食を食べなかったので朝の食後の薬は飲まないでおきました。とさらっと介護されている方からいわれることがあります。
朝の薬だけではありません。昨日は夜の食事をしないで早く寝てしまったので、夜食後の薬は飲まずに、睡眠前の睡眠薬をだけを飲みました。なんていうことも聞きます。
果たしてこれはいいのでしょうか?

確かに私たちは薬を処方するときに、薬の服用に関して、朝食前とか毎食後とか、食事に関係して飲むように処方します。これは古くから医療界がもっている慣習なのですが、実はこれがいけないのです。
もともと食事に関係して薬を飲むように指示することで飲み忘れを防ぎたいという意図だったと思われます。しかし本来は基本的に一日3回8時間おきに飲むとか、朝9時に服用とか、とすべきなのでしょう。

しいて食後でなければならない薬は糖尿病の治療薬など、食事をしたものに関係して飲む必要があるのも事実なので、食事に関係して飲むべき薬なのかどうかをあらかじめ確認しておく必要があるといえます。

その9

9・まず病院と言う前に(自宅治療が大原則の病気もある。)
入院中に点滴を抜いてしまった。尿の管を抜いてしまって大変だった。と言う患者さんが退院して自宅療養開始し、その手伝いをすることが多くあります。最初はいつ点滴を抜かれるのか?いつ呼ばれるのか?とはらはらドキドキしていますが、このような患者さんはやはり自宅でも管を抜きます。しかし不思議なものでこのような患者さんは実は点滴や尿の管がなくても生活できる人が多いことに気付かされます。これは偶然なのでしょうか?
確かに点滴や尿の管が合ったほうが安全に生活できるかもしれません。しかし人間にとって何より重要なのは嫌がっている行為をされ続けて生きていくことを誰もよしとはしないと言うことなのです。人はパンのみにて生きるにあらずと言う言葉をもじると人は医療のみにて生きるにあらずと言えるように思える気がするのです。このように医療のみで生きることを良しとしない人がいらっしゃったら在宅医療はいい適応なのではないでしょうか?
生活優先型の医療が必要になるケースは他にもあります。たとえば床ずれや誤嚥性肺炎などは生活障害を原因とする疾患であり、生活の仕方と発症だけではなく、病勢によって生活の仕方を調整しなければならないことや長期的な対応が必要であることから在宅治療のいい適応だと言うことが出来ます。また症状増悪を繰り返す心不全なども水分摂取の仕方や適切な初期対応を生活の中で行うことでかなりの程度予防や初期治療ができます。
また悪性腫瘍のターミナルなどは人生の意義を深めながら療養をしていくという意味でも自宅での療養のいい意義を持っているといえます。

その8

8・点滴していれば大丈夫?

点滴には点滴の方法として中心静脈栄養と末梢点滴に大別されます。
前者は糖分などの栄養が濃厚な点滴であり、いわゆる食事の代わりになるものですが、後者は水分や塩分補給などを目的とした点滴なのです。
また継続性の有無から、点滴を継続点滴・一時的点滴と分類することも出来るので、本来ならばこれらを組み合わせると、
                  継続点滴        一時的点滴
末梢点滴         (長期間水分電解質摂取困難?) 脱水や電解質の補正
中心静脈栄養点滴         長期腸管機能低下 (短期間栄養摂取不可能?)
と言うのが原則になります。

しかし一般的に一時的な中心静脈栄養と言うのは末梢点滴に代行されている場合が多いようです。また栄養が取れていて水分電解質のみが摂取不可能と言う病態は非常に少ないので、医療的に適応がはっきりしているのは、脱水や電解質補正のための一時的点滴としても末梢点滴か、長期間腸管機能低下患者のための継続点滴としての中心静脈栄養療法ということになりそのほかは適応はあまり明確ではないと言うことなのです。
また良く観られる構図として、体力の低下しており、食事が取れない患者さんに継続的に末梢点滴を行なっている場合がありますが、水分・電解質が点滴によって体内に補充されてもそれを有効に使用するための体力(たんぱく質など)がない場合には、浮腫や肺水腫などを引き起こすことがあります。つまり点滴を行ないながら、浮腫軽減のために利尿剤を使用する。更に肺水腫による痰がらみや呼吸状態の悪化がみられるために酸素投与や吸引療法などを併用すると言う状態です。
こうなっては点滴による利点よりは弊害のほうが大きくなっているとも考えられるので、注意が必要になるのです。
何となく点滴しているから安心と言うのではなく、きちんと患者さんの状態を見ながら点滴がもたらす効果と弊害を見ていくことが大切です。

その7

7・認知症だからしょうがない?
痴呆と言う病名が、認知症になったのはつい最近です。
もともと昔から「ぼけ」とか「痴呆症」と呼ばれていましたが、あまり医学的研究がすすまずに医療的には対応が遅れていましたが、つい最近病名が変わり社会的要請も強まったことから、急速に医学界でも関心が高まり、原因疾病や検査・治療や予防の仕方などにおいて、急激に医学的知見が広がりつつある古くて新しい病気といえます。

・認知症は障害病名である。
一般の方々はさも認知症が一つの病気であると勘違いされています。認知症は歩行障害や嚥下障害などと同様に単なる認知力に障害があることを表す障害病名に過ぎません。そして認知障害を引き起こす疾病は実に50以上あると言われているのです。この中には予防も出来るものや治療が出来るものが少なくありません。だから認知症といってあきらめたり、十派一からげに捉えるのではなく、きちんとどういう疾病による認知症なのかを診断することが何より重要になるのです。

・認知症は原因によって障害のされ方も経過や対応方法も異なる
一番有名な認知症アルツハイマー病などでは、記銘力(新しいことを覚える能力)などから傷害されやすいといわれますし、脳血管性認知症では古い記憶から新しい記憶までまだらに傷害されたりすると言われます。また記憶力はあまり変化ないものの妄想などが強いタイプの認知症もあれば、意識障害などを伴う認知症など実に認知症の原因によって認知症の症状の出方は様々なのです。しかし最初からすべての認知力を失うと言う認知症はなく、保たれるところと障害されるところが混在し、病気の進行に伴い徐々に障害が広がるのが認知症の特徴なのです。
したがって最初のうちは病気のことを自覚していくことも可能です。認知症が進行し最期には人格を形成する様々な能力を失い社会的存在が危うくなったり、食事や排泄など実に個体維持に関わる能力も低下することから個体的存在も危うくなることがありますが、最初の段階ではこのような疾病を理解し、自分なりに遺言を整理したり、周囲の人にきちんと権限委譲をしていくことで、最後まで尊厳が保たれて生活できた例もあります。

認知症に限らずすべての慢性疾患や進行する障害にいえることですが、失われた機能を悲しみ、その喪失感に打ちひしがれて生活するのではなく、保たれている機能に眼を向け、残存する能力を最大限生かしながら、尊厳ある生のまっとうを考えることができるかどうかが、高齢化社会を豊かにできるかどうかの分かれ道なのだと思います。

また詐欺にあう認知症の方や詐欺までは行かないとしても、本来それぞれの方が持っている権利を認知症だからということで阻害されている方が多数いらっしゃることから、未成年者が保護されているのと同様、本来は高齢者も見成年者と同様の保護が必要になるのかもしれません。
これらの意味で認知症の対応こそが高齢化社会のいくえを占うと言っても過言ではないと言えます。

その6

6・床ずれの治療って専門的?

床ずれはもともと栄養不良や体位変換障害などがベースにあるところで、外的障害要因(長時間の圧迫やズレ応力、不潔な環境であったり感染などの併発)が加わることで生じる皮膚障害性病変の総称といえます。
しかし皮膚はもともと非常に再生能力の強い臓器ですので、基本的には外的障害要因を除くことで、治癒・悪化予防が出来るのです。
時に栄養状態や血流状態さらには組織修復力の向上を目指し、栄養療法や血流改善療法、組織増殖因子を加える治療などを併用することがありますが、基本的には外的障害要因を除くことが床ずれ治療の第一原則になると考えてよいでしょう。そして外的障害要因を取り除くだけでは対応が難しいとき、創傷治癒が促進されるように皮膚環境を整備したり、内的要因(栄養状態や血流改善など)を計って行くという順番に対応をしていくこととなります。
誤嚥性肺炎同様。褥創は生活の仕方と非常に密接な関係がある皮膚障害ですので、入院治療などではなく、在宅や施設内治療が第一原則になり、極特定の処置(たとえば観血的処置などを行なうときのみ)のときのみ入院治療などが必要と言えます。

まとめると、褥創処置には
1・外的皮膚障害要因の除去(徐圧・清潔・擦れ予防など)
2・創傷環境整備(外用薬療法や閉鎖療法、創傷治癒促進環境の整備など)
3・内的皮膚障害改善要因の改善(栄養改善・血流改善治療など)
このうち最も重要なのが、1なのです。
つまりこれ以上所外が広がらない環境に創を置くことなのです。
適切なおむつ交換や徐圧。移動などのときに傷に大きな力が加わらないような介助など傷を保護しようとする気持ちや姿勢こそが床ずれを直す第一歩といえます。

そう考えると普段の生活の仕方・ケアの仕方こそが大切なんじゃないかと思えるのです。

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