ちょつといい話
海外に住むmikiから
食事の前の いただきます。
食後の ご馳走様
日本ならではの言葉を、海外の方にどう説明するのか、悩んでいた所、大学の先輩のフェイスブックでの
繋がりで教えていただいた、文章を私のメールに送ってくれたので、皆様にも知っていただきたく書いてみました。
長文になります。
スルーしていただいても結構です。
[いのちをただく]
いただきますって、日本ならではの言葉なんだそうです。
だから、この言葉を知らない外国の人は、[いただきますって、何ですか????]それは、神に対する祈りですか???
と聞いてきます。
もしもですよ、みなさんが子どもたちに、何で食べる前に いただきます って言わなきゃいけないの???
って聞かれたとしたら、どう答えますか。
たぶんですね、みなさんは、 それはね、命をいただく動植物、食料を生産してくれた人、そして調理してくれた人に感謝するためなんだよって答えるんじゃないかなと思うんですけど。
子どもたちにその話をして、はたしてどれくらいの子どもたちが心から納得するでしょうか????
よく考えてみるとですよ、子どもたちはおそらく似たようなことを何回も聞いているはずなんです。
でも、残念ながら、それが多くの子どもたちの心に響いていないのが現状ではないでしょうか。
それどころか、給食指導の時間にですよ、 ちゃんと、いただきますを言わんね
ごちそうさまは??????
はい、合掌していない人がいるからやり直し
なんて、つい言ってしまうことって、ありますよね。
中学2年生の理科で、動物の生活と種類という単元がありまして、その中で動物と植物の違いについて学習します。 動物と植物の違いについて学習します。
動物と植物の一番の違いは何か
それはですね
動物は、食べるために、動かなければならない。
植物は、食べる必要がないので動かなくていい・・・・・・・・・・・・・・・・です。
植物は動けない、じゃないんです。 動かなくていんです。
なぜか????
生きていくための栄養を、自分の力で作り出すことができるからです。
私達、動物にはそれができません。
だから、どうしても他の生き物を 食べる 必要がある。
動物だろうが植物だろうが、どんな生き物であっても自分の命の限り精いっぱい生き続けたい、そう願って
生きているんだと私は思います。
私たち動物はそんな他の生き物の いのち を奪わなければ一時も生きていくことができない
悲しい宿命を背負った生き物なんです。
食を考えることは、命について考えることです。
このことを、どうやって子どもの心に響かせるのか
そして
どうやって子どもの心に火を灯していくのか、それがきっとプロとしての教師の仕事なんだろうと思うんです。
私の心に深く残っているお話が
2つありますので、ここでご紹介します。
一つは、九州大学大学院助教授の佐藤剛史先生が書いた 自炊男子〜人生で大切なことが見つかる物語
の中に出てくるお話です。
いただきます ごちそうさま をなぜ言わなければならないのか分かりますか。
いただきますの意味の一つは、作ってくれた人の命をいただくということです。
命とは時間です。
ある人が80歳で亡くなったとしましょう。
と、言うことは80年間という時間がその人の命だと言うことです。
今朝、みなさんのお母さんは30分かけて朝ご飯を作りました。
今日の夕飯、お母さんは一時間かけて夕ご飯を作ります。
その朝ご飯にはお母さんの30分ぶんの命、夕ご飯には一時間分の命が込められているのです。
みなさんが生まれてから今日までの間お母さん、お父さんは自分の命の時間を使ってみなさんを
食べさせてきたのです。
そして、これから親元を離れるまで、ずっとみなさんはお母さん、お父さんの命の時間を食べていくわけです。
いただきますの意味の一つは作ってくれた人の命をいただくということです。
食べ物を粗末にすることは作ってくれた人の命を粗末にすることです。
心を込めて いただきます ごちそうさま を言いましょう。
食べ物を作ってくれた人に感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
そしてもう一つは内田産婦人科医院の内田美智子先生が書いた いのちをいただく
という絵本のもとになったお話です。
この絵本クラスの子どもたちやご自分のお子さんにぜひ読み聞かせてあげてほしいそんな願いを込めて
ご紹介しますね。
坂本さんは食肉加工センターに勤めています。
牛を殺してお肉にする仕事です。
坂本さんはこの仕事がずっといやでした。
牛を殺す人がいなければ牛の肉はだれも食べられません、だから大切な仕事だと言うことは分かっています。
でも殺される牛と目が合うたびに仕事がいやになるのです。
いつかやめよう いつかやめよう
と思いながら仕事をしていました。坂本さんの子どもは小学三年生です
しのぶ君という男の子です。
ある日小学校から授業参観のお知らせがありました。
これまでは しのぶ君のお母さんが行っていたのですが、その日は用事があってどうしても行けませんでした。
そこで、坂本さんが授業参観に行くことになりました。
いよいよ参観日がやってきました。
しのぶは、ちゃんと手を挙げて発表できるやろうか・・・
坂本さんは期待と少しの心配を抱きながら小学校の門をくぐりました。
授業参観は、社会科の いろんな仕事 という授業でした。
先生が子どもたち一人一人に お父さん、お母さんの仕事を知っていますか。 どんな仕事ですか。
と尋ねていました。
しのぶ君の番になりました。
坂本さんは、しのぶ君に自分の仕事についてあまり話したことがありませんでした。
何と答えるだろうと不安に思っていると
しのぶ君は
小さな声で言いました。
肉屋です。普通の肉屋です。
坂本さんは そうかぁ とつぶやきました。
坂本さんが家で新聞を読んでいると しのぶ君 が帰ってきました。
お父さんが仕事ばせんと、みんなが肉ば食べれんとやね
何で急にそんなことを言い出すのだろうと坂本さんが不思議に思って聞き返すと
しのぶ君は学校の帰り際に担任の先生に呼びとめられて、こう言われたというのです。
坂本、何でお父さんの仕事ば普通の肉屋て言うたとや????
ばってん、カッコわるかもん・・・
一回、見た事があるばってん、血のいっぱいついてから
カッコわるかもん・・・
坂本、おまえのお父さんが仕事ばせんと、先生も坂本も、校長先生も、会社の社長さんも肉ば食べれんとぞ
すごか仕事ぞ
しのぶ君はそこまで一気にしゃべり最後に お父さんの仕事はすごかとやね と言いました。
その言葉を聞いて、坂本さんはもう少し仕事を続けようかと思いました。
ある日、一日の仕事を終えた坂本さんが事務所で休んでいると、一台のトラックが食肉加工センターの門を
くぐってきました。
荷台には、明日殺される予定の牛が積まれていました。
坂本さんが 明日の牛ばいねぇ・・・・と思って見ていると助手席から十歳くらいの女の子が飛び降りて
きました。そして
そのままトラックの荷台に上がっていきました。
坂本さんは、あぶなかねぇ・・・と思って見ていましたが、しばらくたっても降りてこないので
心配になってトラックに近づいてみました。
すると、女の子が牛に話しかけている声が聞こえてきました。
みいちゃん、ごめんねぇ
みいちゃん、ごめんねぇ
みいちゃんがお肉にならんと、お正月が来んて、じいちゃんの言わすけん
みいちゃんば売らんとみんなが暮らせんけん・・・ごめんねぇ
みいちゃん、ごめんねぇ
そういいながら、一生懸命に牛のお腹をさすっていました。
坂本さんは 見なきゃよかった と思いました。
トラックの運転席から女の子のおじいちゃんが降りてきて坂本さんに頭を下げました。
坂本さん、みいちゃんはこの子と一緒に育ちました。
だけん
すっとうちに置いとくつもりでした、ばってん、みいちゃんば売らんと、この子にお年玉もクリスマスプレゼントも
買ってやれんとです。
明日はどうぞよろしくお願いします。
坂本さんは、この仕事はやめよう、もうできんと思いました。
そして、思いついたのが明日の仕事を休む事でした。
坂本さんは家に帰り、みいちゃんと女の子のことを しのぶ君に話しました。
お父さんは、みいちゃんを殺すことはできんけん、明日は仕事を休もうと思っとる・・・・
そう言うと
しのぶ君は ふ〜ん・・・ と言って しばらく黙った後テレビに目を移しました。
その夜、いつものように坂本さんはしのぶ君と一緒にお風呂に入りました。
しのぶ君は坂本さんの背中を流しながら言いました。
お父さん
やっぱりお父さんがしてやった方がよかよ。
心の無か人がしたら、牛が苦しむけん・・・お父さんがしてやんなっせ
坂本さんは黙って聞いていましたがそれでも決心は変わりませんでした。
朝、坂本さんは、しのぶ君が小学校に出かけるのを待っていました。
行ってくるけん
元気な声と扉を開ける音がしました。
その直後、玄関がまた開いて
お父さん、今日は行かなんよ・・・・わかった しのぶ君が叫んでいます。
坂本さんは思わず おう、わかった と答えてしまいました。
その声を聞くとしのぶ君は 行ってきまーす。と走って学校にむかいました。
あ〜あ子どもと約束したけん行かなねぇ とお母さん。
坂本さんは、渋い顔をしながら仕事へと出かけました。
会社に着いても気が重くてしかたがありませんでした。
少し早く着いたので、みいちゃんをそっと見に行きました。
牛舎に入ると、みいちゃんは他の牛がするように角を下げて、坂本さんを威嚇するようなポースをとのました。
坂本さんは迷いましたが、そっと手を出すと最初は威嚇していた、みいちゃんも、しだいに坂本さんの手をくんくん
と嗅ぐようになりました。
坂本さんが
みいちゃん、ごめんよう
みいちゃんが肉にならんと、みんなが困るけん・・・ごめんよう
と言うと みいちゃんは首をこすり付けてきました。
それから、坂本さんは、女の子がしていたように、お腹をさすりながら
みいちゃん、じっとしとけよ
動いたら急所をはずすけん、そしたら余計苦しかけん、じっとしとけよ、じっとしとけよと言い聞かせました。
牛を殺し解体する、その時が来ました。
坂本さんが
じっとしとけよ
みいちゃんじっとしとけよ、言うと
みいちゃんはちょっとも動きませんでした。
その時
みいちゃんの大きな目から涙がこぼれ落ちてきました。
坂本さんは
牛が泣くのを初めて見ました。
そして、坂本さんが、ピストルのような道具を頭に当てるとみいちゃんは崩れるように倒れ少しも
動くことはありませんでした。
普通は牛が何かを察して頭を振るので急所から少しずれることがよくあり倒れた後に大暴れするそうです。
次の日
おじいちゃんが食肉加工センターにやって来て、坂本さんにしみじみとこう言いました。
坂本さんありがとうございました
昨日、あの肉は少しもらって帰ってみんなで食べました。
孫は泣いて食べませんでしたが・・
みいちゃんのおかげでみんなが暮らせるとぞ
食べてやれ
みいちゃんにありがとうと言うて食べてやらな
みいちゃんがかわいそうかろ 食べてやんなっせって言うたら、孫は泣きながら
みいちゃんいただきます。
おいしかぁ、おいしかぁ
て言うて食べました。 ありがとうございました。
坂本さんは、もう少しこの仕事を続けようとおもいました。
いろいろ考えさせられる言葉ばかりです。
命をいただき、精いっぱい元気で過ごしていきましょう。
海外で、日本の言葉、で悩んだmikiからの、ちょっといいお話しでした。