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憎しみから愛に



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レスリーはグレッグの姉で、ベティーは二人の実母である。

レスリーとベティーは、30年来親子の縁をきっている。私は、その両方と仲良しなので

色々話しを聞いて見たが、何が原因だったかは「鶏が先か、卵が先か」の類に属し

私から見れば、どっちもどっち、という感じになる。はっきり言える事は、お互いに自分が

正しいと思い、相手を許さず、超がつくほどの「がんこ者」である。

ただ、その為にレスリーの息子までベティーと縁を切ってしまったので、ベティーは孫とも、

ひ孫とも会えない。孫だって自分で運転できる大人だから自分で会いに行けば良いと

思うだろうが、そうすると母親を傷つけると思っていかない内に、行かない癖が身に

ついたものだろうと思う。


お互いの消息を知りたいためだろうか、二人は私にあうと、過ぎた昔のぐちや悪口を

だらだらと言い出し、必ず「でも一生あわなくても私は大丈夫」で話しを締めくくるが、

私はいつも心の中で「うそ言うな!」と言っていた。会いたくもないなら、話題にも

ならない筈である。


そういう分けで、14年前にグレッグが始めてアートフェスティバルに参加し始めた時に

、こっそりと全員を招待した。レスリーの息子だけには、「おばあさんや、ロブおじさんも

来るよ」と言っておいた。

その日「ま〜、すっかり大人になって!」と、ベティーは孫から花束をもらって大喜びをして

硬く抱きしめあっていたし、レスリーも、もう一人の弟と十何年ぶりかであって喜んで

いたから良かった、これがきっかけで親子、きょうだいの仲が戻れば良いのにと願ったが、

後でグレッグに余計な事をしたと言われた。そして、元の木阿弥になって、また14年

たってしまったのである。


その間、レスリーは次々に息子や孫たちの写真を持ってきて置いて行くのだが、

グレッグはすぐ捨ててしまうので、ある日から私はそれをベティーに見せてあげる事にした。

どうやら、レスリーもそれを計算に入れていたと見えて、

「お母さん、ひ孫ができてる事しらないだろうなあ。でも、それも自分が悪いのよ。

電話くらいかけられるのだから」と言った時、今までの写真を全部ベティーにあげてる

といったら、「たぶんそうだろうと思ってた」と、喜んでもっと頻繁に持って来るようになった。

「レスリー、電話くらいかけられるって言うなら、あなたにだって同じ事いえるわ。

とくにあなたは車だって運転できるじゃないの。お母さんはほぼ一日座ったきりで

テレビみてるか、ベットに横たわって新聞読むくらいだもの。亡くなる前に仲直り

したほうが、あなたの心のためにもいいわよ」と、私はハッキリ言った。

「でも、いったって門前払いされるのが関の山。あちらが来てと言うまで行かない」という。

ベティーも、数年前に夫を亡くしてからは時々欝っぽくなるので、レスリーと仲直りしたら

どうかと勧めたが、

「彼女が来たかったら何時来てもいいのよ。私はいつでもウェルカムなんだから」とは

言うものの、電話したらどうかと話しかけると「きっと答えてもくれないだろう」とか

「私だとわかった途端に、受話器をバシン!と置くのがわかってる」というので、いつも

それで終わってしまっていた。

私は、やれる事をやったからそれ以上は仲直りのことは何もいわず、スピリチュアルの

話をよくした。そして、いつも帰り際に、

「ヒロコになら何でもはなせて心が穏やかになる」といった。


そして、今年も母の日が来た。毎年ながら、一般より一週間遅れで祝うことに

なってるのだが、今回はレスリーも招くと言い出した。

私は前触れなしに、行きたいときヒョッコリ、ベティーに会いに行く癖がある。

鍵の置き場所を知ってるので、勝手にはいっていくと、ドアベルの代わりに、

ミニ・テリアのトニーがギャンギャンと吠えて知らせる。

「ハロー!ベティー、ヒロコが来たわ」と入っていくと、

「オー。カムイ〜〜ン」と答えベットに横たわって新聞を読んでいた。

「レスリーも招いたんだって?」と聞くと、

「そう、私もうそろそろ逝く時が近づいてきたと思う。ヒロコとスピリチュアルの

話をしていて、色々かんがえてね。。。。あ!それと、急に物が惜しくなくなったの。

今まで、あれも、これも、自分のもの、誰にもあげたくないって思っていたんだけどね、

それが無くなったら、すっきりしたの。それで、お掃除の人にも、庭師にも

、あれこれあげてるわ」といいながら、車椅子にすわろうとするので、手伝った。

リビング・ルームの、丸いガラスのテーブルには、1メートル位のピンクの

クリスマス・ツリーがそのまま飾ってあり、豆電球が昼間でもチカチカしている。

「これを見るのが楽しいの。楽しいものなら何もクリスマスだけでなくても良いとおもって」と、

子供の様に、にこにこしてる。

その横に、カラー・リリーのはいったピンクっぽいガラスの玉が置いてある。

「私ね、ガラス玉のコレクションがあるのよ。いろんな人がプレゼントでくれてるうちに、

コレクションになっちゃった」と、何気なしにいったら、

「これ、ヒロコにあげる!」というではないか。

「いや、そういう意味でいったのではない」と断ったら、

「私のものを、大切にして喜んでくれる人にあげたいの。これはね、昔レスリーと

一緒に買い物にいった時に、彼女が選んでくれたのよ。今回、レスリーと

つなげてくれたのは、ヒロコ。そのヒロコがもらってくれるなら、それ以上うれしい

ことはないから、ぜひもっていってちょうだい」と言うので、押し戴いてきた。


今朝、そのガラス玉に朝日が当たったとき、自然に

「ハッピー・マザース・デー!」と言う言葉がでてきた。

私には、一瞬レスリーとベティーの心が一緒になって光っているように見えた。

人間は、何歳になっても自分を変える事ができるのである。

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