ぶっちゃけデンティストの徒然日記

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BP製剤と顎骨壊死

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 骨粗しょう症などで「ビスフォスフォネート(BP)製剤」の投与を受けた患者で、抜歯などの歯科治療後に顎の骨が壊死するケースが報告されている。
”服用者が歯科治療を受けられない”などの問題も起きたことから、関係学会は合同で予防や対応に関する見解として「ビスフォスフォネート関連顎骨壊死に対するポジションペーパー」を作成した。
当院にも、この冊子が送られてきている。

 BP製剤は、骨を吸収する破骨細胞の働きを阻害する。
その結果、骨リモデリング(破骨細胞が骨を吸収して、骨芽細胞が骨をつくる新陳代謝)のサイクルが変化し、古い骨が除去されずに、定められた寿命をはるかに超えて残存することになる。
(表面の皮質骨が厚く、内部の骨髄が小さくなる。)
平たく言えば、骨が硬くなる代わりに、骨内の血液循環(代謝)は悪くなるわけだ。
従って、感染に対する防御能が弱まる。
抜歯やインプラント埋入などの外科的侵襲により、容易に顎骨壊死が生じるゆえんである。

顎骨壊死が起こると、口腔内であごの骨が露出したまま治らなかったり、歯周炎や感染が広がって歯が抜けたりする。
臨床症状として、痛みや排膿を伴うこともある。
BP製剤が原因とみられる顎骨壊死は、海外ではほとんどが注射薬関連だが、国内では40パーセントが経口薬で生じている。
経口薬(飲み薬)だから大丈夫、とは必ずしも言い切れない。

日本におけるBP製剤経口薬に関連した顎骨壊死の報告が、海外に比べて異常に多いのはなぜだろう?
私が思うに、医者が安易にBP製剤を処方し過ぎているのではないか。
内科や整形外科で骨密度を計って、「骨粗しょう症です」と診断されたらすぐに薬を出す。
それも・・・かなり長期に投与している。
「骨折の予防」という名目で、基本的には一生飲み続けるようである。

我々歯科医師にとっては、はっきり言って迷惑な話だ。
外科的処置を行った際の感染リスクが、BP製剤のせいで何倍にも高まるのだから。
医師が処方した薬なのに、顎骨壊死の治療を引き受けるのは我々歯科医師。
保険点数は無きに等しく、やればやるほど損失が出る(逆ざや)の治療である。

例え口腔外科医でも、顎骨壊死の処置には難渋することが多い。
(現在のところ、有効な治療法は確立されていない)
露出した骨面を抗菌剤や消毒剤で洗い、治るまでこれを延々と繰り返す。
壊死した骨が遊離してきたら除去し、必要に応じて掻爬(ソウハ)しなくてはならない。
長期間の通院が必要で、患者さんには不信感を抱かれるし、良いことは何もない。
「君子危うきに近寄らず」で、BP製剤服用者の外科的処置をお断りする歯科診療所があるのも、無理からぬことだと思う。
いったん顎骨壊死が起こると、治るまでが大変なのだ。


では、BP製剤服用患者の顎骨壊死を予防するにはどうしたらいいのか。
感染しないように、口腔内清掃や歯石除去で口内細菌を減らすことが第一だ。
その上で、外科的処置を行う際にはBP製剤を一時的に休薬した方がよい場合もある。
休薬について現時点での見解は、以下の通り。

1.投与期間3年未満で、リスク要因なし→ 休薬の必要なし
2.投与期間3年以上か、3年未満でもリスク要因あり→ 処方医と歯科医の協議の上で決定

ここで言う「リスク要因」とは、ステロイド剤の使用や糖尿病、喫煙などを指す。
2.の場合、処方医と歯科医が骨粗しょう症治療中断のデメリットと歯科治療の必要性をよく相談し、可能なら3ヶ月程度休薬した後での外科的処置が望ましいとされている。
(もちろん、休薬期間は長ければ長いほど顎骨壊死の頻度は低下する。)
そしてBP製剤の再開は、理想的には侵襲的歯科治療後2ヶ月が目安らしい。

私は、何人もの患者さんに関して処方医に問い合わせたことがある。
「BP製剤を3ヶ月ほど休薬してもらっても構いませんか?」
「いいですよ。」
二つ返事である。
今まで、一度も「休薬はできません」と言われたことがない。
あまり必要性のない薬なら初めから処方しないで欲しいと思うのは、私だけではないはずだ。

国内で使われるBP製剤経口薬は、商品名ダイドロネル、フォサマック、ボナロン、アクトネル、ベネット等。
歯医者さんにかかる際、もしこれらの薬を服用していたら、必ず申し出て欲しい。

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同業者の方に書き込んで頂けるとは、ありがとうございます。
そして貴重な症例レポート、大変参考になります。
私の抱いている印象が間違いではないと確信しました。

おばあちゃん、大丈夫でしょうか?骨髄炎にまでなると厄介です。
ここまで来ると、もはや立派な医原病ですね。
しかし大抵の医者は歯医者を見下していて、意見されるのを嫌う傾向があります。
連中の一部は「骨粗鬆症による易感染性で顎骨壊死する」と反論しますが、BP製剤で人為的な大理石病を起こせば、当然血流が悪くなって感染しやすくなる、とは思い至らないのでしょうか?
患者さんの為に正しいと思ったら、医科と喧嘩してでも投与を中止させるべきかも知れませんね。
我々はもっと声を上げましょう!

2010/12/26(日) 午後 10:52 [ ひろゆき ]

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ひろゆき先生のお考え通りだと思います。骨代謝を強制的にストップさせるわけですので壊死した組織はそのままです。たぶん、感染して壊死するとかじゃなくて、はなからただの枯れ木状態にしてしまうと思われます。閉鎖系の骨格とかならばまだいいですが(骨折したらくっつくのかな?)、開放系の口腔内は歯根のように骨の深くまで達しているところから骨髄炎一直線ですね。まだ抜歯後壊死でも抜歯窩を閉鎖してあげれば回復の見込みはありそうですが。
先生の写真のように骨の露出があっても周囲フィステルぼこぼこでなければまだ義歯は使えるんですよ。痛くないし。
いっそのこと壊死骨にインプラントでも入れて義歯を支えられないかなあって思います。ペリインプランタイティスなんて越えてます。たぶん、腐骨も溶解しないでしょうから案外長持ちするかもしれません、、、、。明日はその場で義歯を作ろうと思います。 じー、

2010/12/27(月) 午後 10:09 [ aso*k* ]

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痛くないっていうのが逆に不気味ですよね。完全に壊死しているというわけですから。
もし壊死骨の厚みが診断出来れば、そこから飛び出さないように浅くインプラントを打つという選択もありかと思います。
で、マグネットか何かのアタッチメントを付けて義歯を支える、と。
下手に粘膜負担にして褥瘡を作る危険性を考えたら、そちらの方がましかも知れません。
臨床医は、時として苦渋に満ちた選択を強いられますね(>_<)

2010/12/27(月) 午後 11:14 [ ひろゆき ]

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同業者です
BP製剤5年以上飲んでる患者さんです。2011年2月に骨鋭縁が露出し、歯科大に行くのを拒否するので、感染予防しながら削除しました。ところが6月に下顎6番の頬側の付着歯肉と歯肉頬移行部あたりの骨が露出しました。約5ミリ直径歯科大に行くように言ったところ、拒否。そして他院に行ったようです。ある会合のときにそちらの先生から、私のところから患者が来たと。ちゃんと処置をしろと叱責されました。何をしたんですか?と聞いたところ、ちゃんと骨を削ってあげたと。どうなんでしょう この歯医者

2011/7/7(木) 午後 6:25 [ nor*cya**jp ]

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nor*cya**jpさん、書き込みありがとうございます。

BP製剤を5年以上投与されている、という時点で既にどうかと思います。
最新の論文を知らない医者もいますので注意が必要ですね。

それと、先生は間違った対応はされていません。
転院先の歯医者に、「ちゃんと処置をしろ」と叱責されたんですか?
その歯医者も、数ヶ月経って骨露出が再発すれば思い知りますよ。
BP製剤をナメてはいけません。

2011/7/7(木) 午後 7:57 [ ひろゆき ]

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ありがとうございました。
会の理事の先生ですし、会議の打ち上げの席で
数人の前で言われたので、歯科大まかせの自分の
考えが間違っていたのか、と感じていたのです。
先生のブログを見て、力強く感じた次第です。
近隣の整形外科の先生も、すぐにBP製剤を骨密度を測定し
予防的に投与するようです。
歯科医が大袈裟に騒ぎすぎると言っているようです。
おおはやりな整形外科ですので反論もできません。

2011/7/7(木) 午後 9:17 [ nor*cya**jp ]

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この件に関しては、患者さんを味方につけることが早道だと思います。
私もBP製剤が絶対に悪いとは言いませんが、現状では必要性の少ないケースにまで投与しているように感じますね。

その大はやりな整形外科、あまり長期投与していると、骨折の予防どころか逆に骨折が多発するようになりますよ。
つまりは、患者さんに迷惑をかけているわけですね。

2011/7/7(木) 午後 10:21 [ ひろゆき ]

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私のところのおばあちゃん、7ヶ月ぶりに来ました。BP剤投与してた総合病院の口外が面倒見るといってたのでそれっきりでした。抗生剤投与するとぜんぜん違うとところにフィステルがポコポコ出来て来て、義歯が使えなかったのですが。グルメのおばあちゃん。以前はちょっとでも義歯がズレることも許さないくらいシビアだったんですが、下顎義歯なしでもいろいろ食べられるわよって、、、。あいかわらずポコポコとフィステルがあり、骨露出していた前歯部は、一層削除してパックかなにかで塞いでありました。要するに打つ手なしってこと。大学の同期にも一度聞いてみたんだけど、腐骨除去して、って簡単に言ってくれたけど腐骨とただの壊死骨の境界すらわからないのにどうやるのだろう?私の予測では、周辺の知覚麻痺などはないので骨体部はまだ大丈夫だけど、顎堤と見なせるレベルはたぶん全部壊死してるんだろうなと想像しています。BP剤飲まなくなってだいぶ経っているけど壊死骨は生き返りはしないので、化石みたいな状態。
整形でも治癒しない骨折が今後ばかばか出てきそうですね。まあ、あっちは感染の心配がないだけ気楽なんでしょう。

2011/8/18(木) 午後 10:05 [ aso*k* ]

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そこまでの症例は、私も経験していません。恐ろしいですね。
自分は破骨鉗子で掴んでポロポロ崩れるくらいが腐骨だろうと勝手に判断してますが、実際はもっと範囲が広いと思います。
壊死骨を放っておくのは気分がよくありません。かと言ってまさか顎骨切除するわけにもいかず、総合病院の口外でも打つ手なし。
仰るように今後、難治性の骨折が問題化するでしょうね。

2011/8/18(木) 午後 11:08 [ ひろゆき ]

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同業です。安易にBPを出しすぎだと感じます。休薬の相談をしても以前は無知な医者が多いものでした。近頃は他の薬に変えている場合が多いようです。

2011/9/13(火) 午前 11:51 [ aqu*q*a1117 ]

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aqu*q*a1117さん、書き込みありがとうございます。
ようやく医師サイドにもBP製剤の危険性が知られてきたようですね。
NEJMに掲載された論文のお陰でしょうか。

2011/9/13(火) 午後 0:12 [ ひろゆき ]

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大腿骨骨折の恐れが副作用として周知されたようですね。服用している患者さんが増えて参りました。それも5年選手とかすでにベテランです。悪性腫瘍にも効果があるとかで男性でもでてくるのかな。
さすがに一人経験してしまうと抜歯はためらわれます。
上顎でもおきるのでしょうか?

2012/5/17(木) 午後 9:52 [ aso*k* ]

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こういう報告があるのに、未だに無知な整形外科医がいますね。
患者さんに聞くと服用開始から7年目になるので、「骨折予防にはなりませんよ」と皮肉たっぷりの紹介状を書いて中止を要請したら、なしのつぶてです。

上顎でも骨壊死は起きますよ。
歯槽突起が1/3顎以上露出しているような、凄い症例を診ました。
ただ、悪性腫瘍のためBP製剤の中止はできないんですけどね。

2012/5/17(木) 午後 10:31 [ ひろゆき ]

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なんか、ワイドショーとかで取り上げてくれないかなあって思いますよ。こういう本当の大問題はとりあげないですからね。製薬はスポンサー様ですから。
顎骨ズルズルで悪臭放って生きて行く(痛くないからタチ悪い)のも辛いでしょうね。でも、上顎でもなるとなれば結局全ての骨で起こるということですね。休薬なりしたら再び骨の代謝は復活するのでしょうか。だいたい飲み続けさせるってところがもうダメって思うのですが。
うちの患者さんの場合、患者さんにすべてを話して処方している主治医を問いつめるように仕掛けました。しらばっくれながら、じゃあ止めてみましょうか〜、って院内の口外にお鉢をまわしたそうです。

2012/5/18(金) 午後 10:57 [ aso*k* ]

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こうやって声を上げていれば、いつか取り上げてくれるかも知れません。
BP製剤を止めずに抜歯した場合に必ず骨壊死が起こるわけではありませんが、一部の整形外科医が主張するように口腔内を清潔にしていれば問題ないというのは誤りです。
どうしてそんなに薬を出し続けたいんでしょうかね...。
多分、自分の患者が骨折するまで分からないんでしょう。

2012/5/18(金) 午後 11:54 [ ひろゆき ]

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その後うちの患者さん、腐骨除去して半年以上経って先日久々に来たんですが、なんか綺麗になってました。顎堤もほとんど無いけどなんか入れ歯屋としては義歯いれたくなってきましたわ。でも本人は特に何も言わないので作ってません。腐骨にインプラントだったらリジットサポート義歯ができたかも、、、、なんて考えてはいけないな。
腐骨と健全骨の境界ってわかるんですかね?麻痺も無いみたいだから顎骨までは大丈夫だったってことなんでしょう。前歯部から始まって小臼歯部を飛び越えて大臼歯部からいきなり膿が吹き出した時は骨髄炎極まったかと思いました。

2013/1/28(月) 午後 9:33 [ aso*k* ]

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患者さん、綺麗に治って良かったですね。

腐骨と壊死骨の境界はほぼ分かりますが、壊死骨と健全骨の境界は正直はっきりしません。
(もちろん、骨から出血すれば100%健全骨ですが...)
思うに、歯医者が何もしなくてもBP製剤投与だけで既に壊死骨が出来ているんです。
その壊死骨に抜歯などの外科的侵襲が加わると腐骨になる印象ですね。
今後、口腔外科領域では壊死骨と健全骨を見分ける、骨を評価する必要性が増してくるでしょう。

2013/1/28(月) 午後 11:57 [ ひろゆき ]

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内緒さん、あまりお役に立てない記事で申し訳ありません。

血液内科等でどうしてもBP製剤を投与する必要がある場合は、前もって歯科を受診してもらって外科的処置が必要なら先に済ませておくのが定石です。
(かなり周知されてきたとは言え、知らない先生も多いですが)
もし紹介を受ければ、投与のスケジュールを勘案して少し無理しても一度に多数歯の抜歯等を行います。処置終了からBP製剤投与開始までの期間が長ければ長いほど顎骨壊死の起こる確率は下がりますから。

ただ、いったん発症してしまうと有効な治療法がないのは確かです。
BP製剤を中止できればよいのですが、そのせいで元疾患が増悪しないよう両科の緊密な連携と、時にはギリギリの判断が必要かも知れません。

ご主人の症状が改善することを願っています。
エアーフロスは非侵襲的なので、易感染性の患者さんが口腔内を清潔に保つツールとしては理想的と思います。

2013/2/20(水) 午後 7:39 [ ひろゆき ]

はじめまして。
検索してて、正に母の症状に当てはまってたので、お邪魔しました。
高齢(76歳)で、心臓疾患等、病気のデパートのうえ、発症してしました。今まで、数々の試練を耐えて生き延びてきた母ですが、
今回ばかりは、かなり厳しそうで落ち込んでいます。
最善の策は、ないんでしょうかねえ?

2013/9/25(水) 午後 7:41 アテQ

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アテQさん、はじめまして。
診たわけではありませんので、お母様が本当にBP製剤に起因する顎骨壊死なのかどうか分かりませんし、情報が少なすぎて何が最善策なのか、残念ながら私がここでお答えすることは出来ません。
まずは主治医の先生にご相談下さい。
BP製剤が不可欠なケースもありますので、決して無断で内服を中断されたりしないようお願いします。

2013/9/25(水) 午後 11:50 [ ひろゆき ]

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