中将の君のひとりごと

歴史とサッカーが好きな私のオススメを紹介します。最近はもっぱら旅人か、映画評論家気取りですが…

古代史

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二ヶ月くらい前に、教育テレビの「地球ドラマチック・選」で、このアンティキテラの機械のことをやってまして、10回くらい平気で見返す程にハマりました。
(同じく選の、マヤ文字は見たのにな〜…)
 
それは今から100年以上前の1901年、ギリシャのペレポネソス半島とクレタ島の間にある小さな島の沖で、嵐に遭った海綿獲りの船乗りが偶然に見つけた古代の難破船。
それはローマ時代の大型の貿易船と見られ、ギリシアの宝物を積んでの航海の中嵐に遭ったのでしょう。
 
船の時代は二千年程前ですが、積荷の青銅製の見事な彫刻は更に300年以上遡ることが分かりました。
そして、一緒に引き上げられた幾つもの歯車で出来た機械のことは、二度に及ぶ大戦の混乱に永らく忘れられていました。
 
この番組では、機械の解読に挑むトニー・フリースのチームの苦労と発見に主題が置かれています。
古代のロマン…。
これが少しづつ解かれていくドキュメンタリーは、本当にワクワクさせるもので、何度見ても飽きません。
 
それで、文献に当たってみたいと、「アンティキテラ」について検索してみると、図書館にある本は一種類で、そもそも日本語で読めるものがこれしかないのでした。
科学ジャーナリストのジョー・マーチャントの書いた「アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ」です。
 
そこで分かったのは、この遺跡の引き揚げを行ったのが、最初に発見した海綿獲りの漁師たちで、酸素ボンベもない時代に大変危険な作業であったこと。
これが一体いつの時代のものであるのか、見分けが難しいこと。
 
そして、研究の栄誉の為に大変な裏切りが何度も行われたこと―
 
つまり、著者が書きたかったのは、アンティキテラの機械の謎が解かれていく様子ではなく、それに伴った正義に反する行為の告発でもあったのだと分かります。
 
テレビ番組では、フリースのライバルのように扱われていたマイケル・ライトこそ、本来ならアンティキテラの機械研究の主役であるべきだったのです。
この本を読んで一番衝撃を受けたのはそこで、物凄く正義に反した者への神の鉄槌を考えさせられました。
 
それから、かなりイライラするのが、この西洋人たちが、「古代にこれほどの科学知識があったのか?」と何度も何度も立ち止まるところ。
もう、科学の進歩が一方通行だと思い過ぎ〜!!
キリスト教に改宗した時点でたくさんの科学を捨て去ったことを自覚するべき!
神の名の許に、地動説を告発したことを忘れたんじゃないでしょうね〜、と言わずにおられない><
(実際はローマ帝国でも発展こそなかったけれど、細々とその技術は伝わっていたけれど、ローマ帝国の滅亡で完全に失われ、東ローマから伝えられたイスラムにおいて歯車の技術は残された)
 
宇宙人とか言い出さないだけマシだけど、文化大革命で実にたくさんの人材と文化を失ってしまった中国と同じことが起きたと言えば分かりやすいのかな?
 
この今に残る小さな機械が何を表わそうとしていたのか?
そのロマンだけでも充分に読み応えのある本です。
早く、アテネの考古学博物館で実物見たいな〜、と心が逸ります。

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卯喜多ドラみ
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