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ホントはねー、3週目くらいの見なきゃいけない映画が3本あるんですが、先週の「世界ふしぎ発見!」を見て、どうしてもすぐに観たくなり、月曜に行きました。
夢枕獏の「沙門空海唐の國にて鬼と宴す」を原作としたもので、構想8年―。
納得のスケールです。
遣唐使船で一般学生として入唐した空海が、「長恨歌」を執筆中の白楽天(白居易)と共に宮廷で起こる事件から、やがて30年前に起きた安禄山の変の渦中に葬られた楊貴妃の死の真相に迫る物語です。
原作では、空海と組むのは橘逸勢(空海・嵯峨天皇と共に三筆とされ、のちの皇后・橘嘉智子の従兄にあたる)なんですが、ここでは若き白楽天を使ってます。
このアレンジはよかったですね。
私は橘嘉智子の小説を読んだことがあるので、この二人の祖父が「橘奈良麻呂の乱」を起こした奈良麻呂で、逸勢自身も承和の変で配流になることなど普通に知っていますが、まあ日本人でも馴染みないですしね。
それに、玄宗皇帝と楊貴妃の物語である「長恨歌」を書いた白楽天を配したことで、楊貴妃とその時代への強烈な憧憬というものが、観ている方も追体験できたと思います。
「長恨歌」が海を渡って、「源氏物語」へと繋がるワケですが、「源氏物語」が醍醐・村上天皇の時代になぞらえて書かれたように、玄宗皇帝の時代も唐にとって本当によい時代だと言われていました。(楊貴妃以前のことらしいが…)
よく「昔はよかった」って、感嘆に対して、「過ぎたから良く感じる」みたいなことを言う人がいますが、歴史は下から上、もしくは後ろから前へ、一方通行に流れているわけではなく、科学だって発展の一途を辿っているわけではないように、新しい時代が必ずいい時代でもなく、突如として夢のような時代…「黄金の時代」と言われる時代がたま〜に出現するのです。
その時代を以て、生存していなかった人ですら、「昔はよかった」と、言っているのですね。
頓珍漢な返事はしないでね。
そして、まさにその「黄金の時代」を体現したのが、楊貴妃の誕生日?に開かれた「極楽之宴」なのです。
その語り手が阿倍仲麻呂。
一挙に30年前の世界へ、私たちを誘ってくれます。
チェン・カイコー監督特有の美女降臨!(「PROMISE」の鳥かごに匹敵する!)
夢のような宴の演出も素晴らしく、後に物語のキーパーソンとなる二人や、詩人・李白の登場もとても鮮やかで印象的です。
チェン・カイコー監督の特徴は鮮やかな映像美、だけでなく、「男の純情」だと思うんですよね〜。
一途な彼らに胸アツでした
ミステリーとしてもとても面白かったですし、楊貴妃とその時代の美しさ、そしてセットで再現された長安。
そこにあることの説得力ですかね〜。
切ない物語に引き込まれること必至です。
俳優さんもみんなよかったです。
超越した空海の染谷将太、野心的な白楽天のホアン・ジュアン。
そして、語り手である阿倍仲麻呂の阿部寛も存在感たっぷりでした。
日本語版の吹き替えもとてもよかった。誰と知らずに見てて、吉田羊さんと東出さんは分かったけれど、他みんな声優さんかな?と思ったら、結構豪華な俳優さんたちだったんですね。
メチャクチャ上手でした。
何はともあれ、やっぱりチェン・カイコー監督は好きだー!!
あと2回くらい観たいけれど、まだ3本残ってるんだよなー。
そうそう、中国タイトルは「妖猫伝」で(実際、妖猫の話でもある)、邦題「空海」でもいいんだけどさ、「王妃」って…。
「楊貴妃」は日本でも十分通用する固有名詞なんだから、絶対タイトルに「楊貴妃」入れるべきでしたね。
日本人としては空海がもっと法力的なもので無茶苦茶やってもよかった(笑)
中国人は超人的なイメージ持ってないのかもね。(中国でも有名らしいけど)
追記:かなり後に字幕版を観に行きました。
正直、字幕の方がよかったです。
吹替えの方の力量関係なく、長安のシーンは中国語の方が距離を感じることができたのでよかったです。
日本のターンは日本語で、海を渡って中国語なのが、遣唐使の旅に思いを馳せられたので。
染谷将太はすごく上手かった感じだけど、阿部寛は(中国語)吹替えだったね…。
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