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アガサ・クリスティーは戦争中に自分の身を案じて、ポワロとミス・マーブルの最終稿を書き上げて、自分の死後発表し、その印税を夫と娘に行き渡るように出版社へ預けました。
まあ、案じていたのは自分のことではなかったんですね。
それが、ポワロの「カーテン」で、実際にはファンの要望でアガサの生前に発表されました。
あまり好きではなかったと言う、その主人公の幕引きのカーテンそのものである本作がテレビシリーズの最終回となりました。
こんな凄まじい最終話を遺すのか〜…。
と、ちょっと怖くなったと言うかアガサのポワロに対する愛憎入り混じる感情がよく表れているな、と思いました。
―神以外が人を裁くことを許されるのか?
「オリエント急行の殺人」でも直面した、この題材を史上最凶の犯人と対峙したポワロの前に甦らせます。
しかし、いつ死ぬかも分からないのにスゴイな〜、と思いませんか?
実際この作品は30年以上埋もれていて、公表の翌年にアガサは亡くなっています。
ポワロとの戦いの果てなんでしょうね。
私なら気が変わるかも知れないし、逆に最終回が決まっているから安心して書けるっていうのもあるけど…。
ポワロの時代は、緩やかに流れているのですが、テレビシリーズは1930年代に統一しているそうです。
それでも、シリーズとシリーズとの間が空いた時は、住まいとか近代化しているんですけどね。
ポワロは第一次大戦で、ベルギーから英国に避難してきた移民で、しょっちゅうフランス人に間違われます。
作中にはドイツ人やエジプト人やら、いっぱい外国人が出て来ますが、時折出て来るギリシャ移民が、もうチョー変なんですよね〜!
本当にギリシャのイメージ悪くなるワ〜
まあ、こういう風に思われているんだろうけど…。
アガサの2番目の夫が遺跡ハンター…じゃなくて(笑)、考古学者で、アガサ自身も発掘現場で仕事しているくらいですから、アジア〜アフリカの話が結構あるんだけど、シリアの調査団とか出て来て、この頃は平和だったんだな〜…(と、言うか20年前も平和だったのに!)と、アンコールワットとか、行けるようになったところと、今は行けなくなったところと、差し引きどうなんだろう?と考えさせられます。
最後に、「ミス・マーブル」ももちろん好きです。
探偵でもなんでもないおばあさんが、事件と関係ないところから、フッと登場する感じとか…。
ポワロが実力で捻じ伏せていくのに対して、マーブルは「○○長官に聞いてみてくださる?」とか、結構権威に顔が利いて、それを印籠のように振りかざします。
(じゃないと、おばあさんが捜査に口出し出来ないよね)
作品の中では「鏡は横にひび割れて」が秀逸でしょう。
(なんで、映画があんな変なタイトルなのか疑問…)
悪意のない加害者と再会した被害者…。
その罪深さはマーブルだからこそ理解出来るのでしょう。
アメリカドラマの「ジェシカおばさんの事件簿」は、それから見ると劣るけど、ジェシカが、「出しゃばり婆さんは、すっこんでろ!」とか言われるところは好き
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