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東京上野の国立西洋美術館に、『クラーナハ展』を観に行きました。
前々からチラシとかで知っていたんですが、行く予定はなくて、科学館行くついでに行くことにしました。
クラーナハ…昔は「クラナッハ」って呼んでいたけれど、いびつな身体のヴィーナスとか結構好きだったんですよね。今も好きだけど。
しかし、卒業旅行で行ったオランダのアムステルダム国立美術館で、ものすごい量の絵画をいっぺんに見たときに観たクラナッハの数々(今回来ている中にもある)に気持ち悪くなってから、ちょっと敬遠気味なんです…。
好きなモンなら、いくらでも見れるだろう!と思われるでしょうが、去年〜今年と行ったギリシャ旅行でも、博物館のハシゴの辛さが身に染みました…。4日目くらいからがキツイ…
卒業旅行も行く国行く国で、一日に3、4件ハシゴして辛かったけど、アムステルダム国立美術館は古い方へ行く流れで、最後に中世の暗い画風で終わるというのが、気が滅入って仕方なかったのです。
そんなわけで、まとまったクラナッハ…もとい、クラーナハは久々でしたが、大変よかったです。
クラーナハと言えば、父のルカス・クラーナハと同名の子供の二人のことを指しますが、まあ有名どころは大体父親です。
大体500年前のドイツの人で、宗教改革を行ったマルティン・ルターと一緒に生き、彼の肖像画を何枚か遺していて、ルターの様子を今に伝えます。
この大画家が支配階級でなかった当時の変革者の肖像を描いたというのが、100年くらい後の長谷川等伯と千利休の関係に似ていて興味深いですし、その肖像画から受ける印象が非常に似ているのも面白いです。
(二人とも黒い服だからだろうか?)
ドイツルネサンスを担ったクラーナハは大工房を開設して大量生産を可能にしました。
なので、結構なレベルの画がクラーナハ(父)の健康状態が心配になるくらい残っています。
見所はチラシにもなっている↑の「ホロフェルネスの首を持つユディト」でしょう。
(この題材、ボッテチェリにも有名な作品があるけど、クラーナハが代表かな?)
クラーナハの美女はヌードのヴィーナスでさえ、気位が高くて気品がある!
それから、ユディトの衣装に見えるように、肖像画等の服飾の細かな表現はため息モノです。
クラーナハはメチャメチャよかったんですが、ピカソも見ものです。
パブロ・ピカソはクラーナハの影響を受けて…と言うか、クラーナハの作品に触発された?いや、クラーナハの作品のオマージュ作品をたくさん描いているんですね。
今回、その中から傑作「ヴィーナスとキューピッド」のオマージュ作品と、「ダヴィテとパテシバ」とオマージュ作品が見れます。(どっちも日本にあるものだけど)
やっぱ、ピカソって天才だね〜、と唸るものです。
(むしろ、これのグッズがあったら買いまくったであろう…
ぜひ、クラーナハの魅惑の女性に魅了されてください。
グッズのこのユディトの帽子をかぶったテディ・ベアが悩むところ…。
〜1月15日まで。但し、明日28日〜1月1日まで休館(汗)
月曜休み。但し、休み明けの1月2日は開館。
隣の科学博物館との「お隣チケット」2800円がお得。(ぴあかロッピーのみで発売)
やべ〜、今日から休館だったか〜。
道理で混んでた。
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展覧会
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アカ〜ン!もう東京展の終了一週間切ってしまった!
「古代ギリシャ」展・・・、6月も7月も観に行って、先週も行きました。
なんでこんなにUPが遅れたかと言うと、
…まあ、複雑だったんだよね〜
これ、自分がギリシャ行く前だったら、感動で泣いただろうな〜・・・、と行く度に思います。
とにかく、内容の濃い展示でした。
展示は新石器時代の宗教的行事に使われたと思われる人型の像から始まります。
我らが縄文土器を思わせるふくよかな女性像が並びます。
それから初期青銅器時代に入り、キュクラデス文明へと続きます。
白い両腕を身体の前で重ねた女性像のヤツです。
アテネにあるキュクラデス博物館から、いっぱい借りてます(笑)
クレタ島のクノッソス宮殿に代表される王宮跡からの発掘品が並んでいます。
黒地に白と朱で絵付けされた水差しやカップのデザインのモダンさには目を見張ります。
正直、このカップのレプリカあったら欲しかった…。
この時代には王宮の物品整理で文字が使われます。粘土板の文字にて残されるのは長屋王亭から出た木管の内容にとてもよく似ています。
ミノタウロスの神話を出すまでもなく、牛を神聖視していた文明で、牛頭形リュトンは見ものです。
この同時代に栄えたのがテラ島。
サントリーニ島の名の方が通りがいいでしょう。
この島の繁栄は紀元前1600年代に起きた大噴火によって島の多くの部分が沈み、他は火山灰に埋められて保存されることになります。
その傑作のひとつが、チケットやチラシなどでも使われている、この「漁夫のフレスコ画」です。
こんな観光シーズンにコレを貸し出していいんだろうか?と、余計な心配をしてしまいました。
他、有名なフレスコ画のボクシングのなんかは、アテネの国立考古学博物館にあるんですが、この「漁夫〜」は普段はテラ島まで行かないと見れないものです。(ローシーズンは博物館開いてないかも知れないけどね)
容器の描かれたイルカやなんかもいいです。
この噴火の影響か、クレタ島のミノス文明も程なく終わりを告げます。
理由は分かっていませんが、ギリシャ本土から来た人々がこの島を征服します。
ミュケナイ文明と言われる王の統治下にホメロスに謳われた繁栄がギリシャに訪れます。
シュリーマンに発掘されたミケーネは黄金の仮面に代表される黄金品で有名ですね。
そして、暗黒時代を迎えます。
「暗黒時代」は決して暗黒ではなかったと、近年の主張ですが、こうして順を追って見ていくと、まあ幾何学模様のツマらなさ!
あの素朴なタコや色鮮やかな植物の画がいかに優れていたか!
ミノスやミュケナイの雅やかな王宮文化は消え失せて、文化の成熟度で言えば大きく後退した印象の暗黒時代を経て、「古代ギリシャ世界」と言って想像する都市国家によるギリシャ文明が始まります。
(絵も描かれたことが分かっているが、一枚も残っていない)
アルカイック時代から民主政の誕生したクラシック時代の名品はどれも素晴らしいです。
「武装するアキレウス」の皿が特にお気に入りです。
(画像ありません)
その他、白地のレキュトス。
これに入れたオリーブオイルで遺体を清め、墓に供えられました。
正直、考古学博物館にもっといいのがあったのになあ…とは思いましたけど、美しいです。
ペルシャとの戦争とポリス間の抗争で、アテネの栄華も陰りを見せて、やがてマケドニアが勢力を伸ばします。
アレクサンドロス大王の父親フリッポス二世によって、ギリシャ世界は新しい局面を迎えます。
ヴェルギナを代表する王墓から冠やらの多くの装飾品が発掘されました。
テッサロニキ博物館やヴェルギナ博物館にはもっとスゴイ王冠がありましたが、ナカナカ見所のあるものが来ています。
他に宮殿や民家跡から発掘されたのが、小像の数々です。
例の「エロスを伴うアフロディテ像」もあります。
張り付いているエロスは生まれたばかりのカンガルーの赤ちゃんが母親のポケットへと自力で這い上がる様子を思わせます。
「抱擁するエロスとプシュケ」も見れます。
愛くるしい少年少女がキスする像で、結構このレプリカがギリシャでは売られていますが、ここでもグッズ展開して欲しかったなあ…。
アレクサンドロス大王の東征と共に「ヘレニズム時代」とまります。
文化的には爛熟期でしょうが、この時代の彫像は本当に美しいです。
今回はとても美しい「アルテミス像」が来ています。
正面写真じゃなくて、もっと右側から写真を撮って欲しかったなあ…。
前かがみの様子が若々しくて躍動感があるんですよ。
他には青銅の青年像が来ていて、美しい裸体を惜しげもなく見せてくれます。
展示室は他にオリンピックの間があって、競技にまつわる展示品があります。
オリンピア行きを断念した身としては恨めしいような気持ちもありましたが、趣向を凝らした部屋でした。
本当にギリシャ行く前だったらなあ…。
ロドス考古学博物館の壷を見て、超複雑でした。
まあ、ギリシャでの上下にギッシリ並べられた展示に比べ、ひとつひとつ壷を堪能できるのはありがたかったです。
それから、3回行きましたが、グッズが微妙に変化していてよかったです。
3回目は「聖闘士星矢30周年記念」グッズまでありました。(メモとかマスキングテープとかクリアファイルなど)
自立する程分厚い図録ですが、なかなか読み応えのある内容で、ギリシャに興味ある方、ギリシャ行きを考えている方には絶対お薦めの一冊です。 上野の東京国立博物館・平成館で〜9月19日まで。
その後、長崎県立美術館で10月14日〜12月11日、
神戸市立博物館で12月23日〜2017年4月2日と巡回します。
長崎行こうかな〜…(しつこい)
ブログは5回以上書き出しては断念して、いや、さすがに3回目見に行ったらすぐ書こうと思ったんですよ。
でも、ノロかなんかの食中毒で4日寝込んで、レッズ戦まで断念するハメになったのでした
ああ、私のギリシャ愛が〜! |
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大和和紀先生と言えば、大正ロマン香る『はいからさんが通る』や、「源氏物語」マンガ化の決定版と言える『あさきゆめみし』で金字塔を打ち立てた現在活躍中の女流漫画家です。
私の先生との出会いは「はいからさんが通る」で、爆発的に周りで流行ったのを覚えています。連載はとっくに終わっていたから、アニメ化のせいかなあ?
それから再会したのが、額田王をヒロインとした『天の果て地の限り』でした。
姉の影響じゃなかった気がする…。多分、友だちからコミックを借りて読んで、かなり後になって自分で買った。
そのコミック読んだ関係で、「あさきゆめみし」の連載を知って読み始めて全部私が買ってたから、姉は関係なかったんだなあ…。
(姉が別マ派じゃなかったからであろう)
でも、『天使の果実』、『虹のナターシャ』、現在連載中の『イシュタルの娘』を紹介したのは姉でした。
2年ほど前に姉の部屋行ったら、『にしむく士』と『紅匂ふ』と『ポケットの中の奇跡』があって、読みふけりましたねえ…。
こう書くと、大ファンってワケでもない感じですが、私は他の好きな漫画家も作品全部読むワケではないので、充分大ファンと思って下さい。
と、言うか尊敬する漫画家であることは間違いありません。
前にも「あさきゆめみし」だけの原画展を観に行ったことがあるのですが、本当にキレイでした。
今回もデビュー作の「どろぼう天使」から「はいからさんが通る」の原画など、多くのの名作が展示してありました。
大和和紀先生の歩みを止めることのない活躍は尊敬しかないです。
そして、私なんかが言うのもおこがましいですが、画がピークに向かって行く様子が手に取るように分かります。
特に「あさきゆめみし」のカラーの充実ぶり…このカラー原画、絵画として後世に残すべきです!
「イシュタルの娘」は書家である小野於通を主人公とした戦国時代の物語です。
コミックは大阪の陣のところ。真田幸村も大活躍です。
平安時代に負けず絢爛豪華な世界なんですけど、カラー画見ると物足りないような…。
私は戦国時代の画も描いたことがあるので、もうちょっと絢爛豪華なイラストも見たいような…。
それで、グッズがまあ連載中だから仕方ないんですが、「はいからさん」と「イシュタル」が幅を利かせ過ぎてちょっと正直これじゃない感が…。
目的の「あさきゆめみし」も、「そこで主人公はいいんじゃないの〜?」って感じのチョイスだし…。
もっとお金使う気満々だったのに、あんまり買いたいものがなかったです。
例えば、「あさきゆめみし」の女君10枚組の絵葉書セットとかあれば買うのになあ…。
もっと、絵画としての完成度を基準にグッズにして欲しかったなあ、と言うのが、あくまで私の個人的見解です。
真田幸村のポストカードがすごく売れてたみたいだから、関係ないのかも知れないけど。
まあ、でもイラスト原画は息を呑む美しさです。
「あさきゆめみし」で「源氏」を学んだ方も是非見て欲しいです。
と、言っても、7月12日までです。
お急ぎください。
(11日は20時まで。12日は17時まで。)
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両国の「江戸東京博物館」にて行われている、大河ドラマと連動した特別展を見てきました。
大河ドラマ特別展は「江」の時以来です。
(「八重」も「官兵衛」も行きたかったんだけど、忙しくて行けなかった…)
今回の見所はなんでしょうねえ…。
有名な信繁の画も昌幸の画もあります。ホンモノです。
(「江」の時にお市と浅井長政の掛け軸が前期後期で交互だったので、2回行くハメになった)
でも、この二つの掛け軸は江戸時代製作なんで、前期のみの展示だった「武田晴信画像」が目玉だったかなあ…。
本当の信玄のものだと言われているヤツですよ。
(長谷川等伯の鷹かなんかと一緒のヤツじゃなくて)
残念ながら、すでに後期なんでそれは観れなかったけど、私の一番は『武田勝頼・同夫人・信勝画像』です。
これも桃山時代のもので、悲劇の一家の肖像です。
最期まで夫に付き従った若き婦人がねえ…。
(大河はそこに触れるとブレるということで省略したんでしょうけど、この夫人が一番健気だと思う)
それから多くの書状類があって、その中でも興味深いのが、関が原合戦の前に書かれた「石田三成書状」でしょう!
真田昌幸とその二人の息子宛に出されたもので、内容は真田一族への西軍への勧誘です。
これを、東軍となり真田家の存続を果たした信幸が保管していたと言うのが、本当に面白いですよね〜。
きっと、昌幸方も家康からの書状をかなり永く保管していたんじゃないでしょうか?
そして、その書状を隠していたのが、120番の『吉光御腰物箱』です!
「絶対に開けるな」と、言い残しこの箱の中に歴史がしまい込まれたのですよ。
いつか必要になる時が来るかも知れないと…。
江戸幕府の崩壊後、この箱は開けられて意外な中身にご子孫も驚かれたそうですが、一筋縄ではいかない真田という家を物語る遺品です。
個人的には、その箱と同じところにあった小松姫所用のものがすごくよかったです。
蒔絵の食器セットやら扇やら、本当に上品で、大切にされたお姫様の様子が浮かぶようでした。
殺伐とした男の世界の一服の清涼剤みたいな空間でした。
他にももちろん甲冑や刀もたくさんあります。
これからの大河ドラマの展開を思うと、すごくいい展示でした。
〜6月19日まで。(月曜休館)
これが、先に決まっていてのついでの上野だったんですが、シルクロードに思いっきりハマり過ぎて図録二冊は持てそうもなかったので、あんまりグッズは買いませんでしたが、和歌山に行かないと買えないものとか売ってありました。
大河を見てない人でも真田家が好きな人は足を運んでください。
(言われなくても行ってるんでしょうねどね)
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東京国立博物館を出て右に上って行くと、東京藝術大学大学美術館があります。
そこでは、「黄金のアフガニスタン」展と平行?して、『アフガニスタン特別企画展 バーミヤン大仏天井壁画〜流失文化財とともに〜』を行われています。(無料です)
メインは、このバーミヤンの大仏の天井にある壁画のありし日の姿を再現したものです。
バーミヤンの大仏は、2001年にタリバンによって爆破され、修復不可能な損傷を追いました。
それまでは、地元のイスラム教徒でもある村人は祖先の信仰を尊重するだけでなく、大仏に見守られて過ごすことに安らぎを感じていたのでした。
「日本人は宗教に寛容」だとはよく言われますが、他にも近年他の宗教になって久しい人々が昔から続く祖先と神に捧げものをする儀式を続けている地域はたくさんあります。
誰かが、崇めていたものを尊重することはむしろ普遍のことだと思うんですよね。
前回のアフガニスタンの秘宝だって、モンゴルの支配などを潜り抜けて残ったのは、遊牧民族の「誰の墓であろうとも墓は荒らしてはいけない」という掟があったからです。
さて、この天井壁画はバーミヤン大仏の頭の上に描かれていたもので、展示は丁度大仏様の頭に乗って見上げた光景を再現したカタチになります。展示も天井です。
なので、実際には見ることが不可能な光景なんですね。
調査隊が残した写真から再現された壁画は浄土の再現とはまた違った、ここでの仏教美術の集大成ではないでしょうか。
しかし、戦争とタリバンの征服でここの壁画も切り取られて世界中に流出してしまいました。
日本画家の故平山邦夫先生が中心となり、ブラックマーケットなどを通じて日本に来た文化財を救出・保存し帰還させるという事業を進めています。
これは、「菩薩とクシャン人供養者」
日本で見つかった文化財のひとつです。
なんとなく、日本の八百万の神の様子に似ているなあ…と思いました。
他にも壁画の断片などが展示してあります。
無事に帰ることを心から願います。
しかし、バーミヤン大仏が爆破されたときの研究者や地元の人々の悲嘆を思うと胸が痛いです。
〜6月19日まで。
東京藝術大学大学美術館 陳列館にて。入場無料。(「アフガニスタン展」のチケット提示とかも要らないです)
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