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新しくなった東京都美術館に『メトロポリタン美術館展―大地、海、空―4000年の美への旅』を観に行って来ました。
概要がよく分からないまま行っちゃったんですが、サブタイトルのように自然や動物を題材にしたニューヨーク・メトロポリタン美術館の作品を集めた展覧会でした。
正直、風景画ばっかりだとキツイかな〜、と思うんですけど、そんなことなくて、風景画もとてもキレイでしたが、動物を題材にした工芸品が面白かったです。
「馬の小像」はホメロスの時代。
「猫の小像」はアレクサンドロスが世界を席巻した時代。
そんな風に思って見れば、ロマンが湧き立ちます。
しかし、この「シロクマ」は素朴に「いいな〜」と、思って見ていたんですけど、そのキャラクター商品がハンパなくて、シロクマパワーにビックリさせられました。
植物…のカテゴリーの静物画も名品揃いでした。
…と、言ってもやっぱり風景画ですね〜。
パンフレットにもなっているゴッホの「糸杉」(↑上図)がメインですが、ジョージ・イネスの「日の出」の陽光に思わず眩しさを感じます。
私が一番気に入ったのは、ワージントン・ウィットレッジの「鱒池」ですね。
森の奥にあるような池の風景なんですが、手前の横たわる古木に掛かる陽射しが温かで、その温度と木の香りが感じられる名作でした。
新しい都美館は全体はそんなに変化してませんでしたが、トイレがすごくキレイになってました。
〜2013年1月4日まで上野の東京都美術館にて。
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展覧会
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昨日は代表戦の前に上野に契丹展を観に行ってきました。
いや〜、上野が激混みでしたね!
平日とは思えない賑わいで、「何かあったのか?」と思う程でした。
とは言え、芸大の方はその喧騒から離れていてワリとゆっくり観れました。
契丹と言えば、10世紀初頭の唐朝滅亡の混乱の中、モンゴル草原に生まれたとてつもなく大きな国家です。
世界史の授業で「耶律阿保機」(やりつあぼき)と言う名を聞いた覚えはあると思います。
キタイ族と呼ばれる遊牧民族で、その騎馬軍団は草原の歴史のみならず中華の歴史にも深く関わってきました。
唐で起こった楊貴妃を発端とした安禄山の変の中核となったのが、チュルクとキタイの精鋭八千騎でした。
このキタイ族をまとめたのが耶律阿保機で、それまでのグループ代表者であるカガンを有力部族のリーダーによって選挙交代制で行っていたものを、自ら即位式を挙げて王朝を立ち上げたのでした。
彼はその王朝を「大キタイ国」と称し(契丹は中国の当て字)、統一国家を創って行きました。
2代耶律堯骨はさらに国家を広げ、中華全土へも支配権を拡大しようとしていましたが、夢破れ、それでもキタイ国家は東は日本海、南は北京地方から大同一帯、西北は間接ながらモンゴル高原の中央部に至る巨大国家となりました。
その約二百年の契丹の栄華を偲ぶ(?)のが、本展覧会です。
3人のプリンセスにスポットを当ててその文化を追うようになっています。
実は歴史には相当詳しいと言えるのでしょうが、契丹の文化は説明出来るほどよく知らなくて、結構興味深かったです。
日本だと平安時代の中期から終盤くらいの時代ですが、まあ埋葬品とはいえ金銀豊富でビックリしますね。
日本の平安時代は祭事のとき以外はアクセサリーを身に付けないじゃないですか。
ネックレスや髪飾りとか素朴ながら豪華です。
それにしても、龍と鳳凰ばかりで、それが清盛の平家納経の入れ物とかを連想させて面白かったですね。
メインはこのチラシでも使われている彩色木棺です。
色もキレイだけど、装飾が凝っていて全部に言えるんですけど、鐘(鈴?)のようなものがいろんなモノに付いているんですよ。
馬に揺られると、キレイな音が出るんでしょうね。
遊牧民族らしい馬具もよかったです。
それから、陶磁器ですね。
こんなにスゴイとは思わなかったです。
白磁の美しさと言ったら…いくらするのかなあ?(笑)
失念してましたけど、東京展が最後だったんですね!
9/17まで。東京藝術大学美術館にて。
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国立西洋美術館に『ベルリン国立美術館展』を観に行ってきました。
フェルメールの「真珠の首飾りの少女」のポスターで紹介されているヤツです。
15世紀から18世紀のヨーロッパ絵画と彫刻をメインとした、やや地味な内容でしたけど、結構いい作品があって見応えありました。
他にも、フィリッポ・リッピなどルネッサンスの先駆けとなった画家の作品も多くて、結構この第一章が面白かったです。
あとは、「龍を退治する聖ゲオルギウス」の彫刻なんかは、この堅さ…というか上手く表現出来ませんが、すごくドイツっぽくてよかったです。
第三章には、ドイツといえば…のクラーナハですが、その「ルクレティア」もあります。
ここの彫刻群は脚がスラ〜ッとしていて、クラーナハの絵と同じくこの時代の特徴なのです。
アポロンの長い脚をご堪能下さい(笑)
そして、第四章が「絵画の黄金時代」とありまして、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」があります。
私…正直、フェルメールのどこがいいのか全く分からないんですよね。
全然動かない行列に飛ばしたかったです・・・。これ、少女なのかなあ?
第五章は静物ばっかの中に「ジュリエット・レカミエ夫人の胸像」があります。
ナポレオンをも虜にし、シャトーブリアンとの世紀の愛を貫いた美女です。
20代の彼女の清楚な美しさをよく伝えている彫刻です。
この展示の目玉のひとつは、第七章「魅惑のイタリア・ルネサンスの素描」でしょう。
サンドロ・ボティチェッリの「ダンテ『神曲』「煉獄篇」挿絵素描」の2点!
ボッティチェッリと言えば、「ヴィーナスの誕生」や「春」で、ルネッサンスの扉を開いたその画家ですが、不幸な晩年を送ります。
線の魔術師(だっけ?)と、呼ばれた彼の輪郭線は本当に美しいのですが、同じリッピ工房で師事したレオナルドのスフマートが発表されるや、時代遅れとなってしまったのでした。
(スフマートだけではないけどね)
その後、キリスト教の新しい流れに傾倒し、あんなに「生の喜び」を表現した画家が、辛気臭い教訓絵ばかり描くようになってしまうのです。
むしろ、『神曲』はそういう系列ですが、そうとばかりはいい切れない、物語性を感じて下さい。
他にドメニコ・ギルランダイオの「衣紋習作」…なんてことはない着物の陰影を描いたものですが、本当に上手い!さすが、ギルランダイオ!
東京展だけにミケランジェロの「「聖家族のための習作」があります。
そんな、鳥肌が立つ程のものではありませんが、作品を造る過程が垣間見えます。
〜9月17日まで。
この後、九州国立博物館へ行きます。
それから、ドイツの美術館の展覧会ということで、お土産の中にビールがありました。
オレンジビールが本当に美味しそうで、その後がサッカー観戦じゃなかったら本当に買いたかった!(ビンの持ち込み出来ないからね…)
昨日中にUPしたかったけど、間に合わなかった…。
涼しいと眠くなりますね。
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国立新美術館に『大エルミタージュ美術館展』を観に行きました。
エカテリーナⅡ世のコレクションを元に作られたこの美術館は、世界でも有数の所有量を誇る美の殿堂です。
そこから、ルネサンス以来の400年にわたる絵画だけを持ってきた展覧会で、自然に西洋絵画の流れを追えるようになっています。
まあ、ルネサンスも近代絵画も悪くなかったんですが、18世紀の「ロココと古典派:革命の世紀」の間が一番よかったです。
「革命の世紀」って言うのは、絵の革命ではなくて、フランス革命からのヨーロッパに吹き荒れた革命の嵐のことを指していると思われます。
ロココ〜王制の円熟期の絵画は昔から好きで、特にフランソワ・ブーシェは好きな画家に必ず挙げる位なんですが、そのブーシェの2点のクピド像がありました。
普通ブーシェはもっとカワイイ天使を描くのですが、「詩の寓意」「絵画の寓意」と題されたそれは、創作の苦しみを背負ったコワイ顔で、ちょっとガッカリでした。
一番ひとだかりが出来ていたのが、このジョシュア・レノルズの「ウェヌスの帯を解くクピド」でした。(このクピドはカワイイね
ウェヌス…一般的にヴィーナスと呼ばれるこの女神の帯は(一説にはブラジャー…今のようなカタチではない)、これを着けて現れればたちまち相手の男性を性欲の虜としてしまう魔法の帯です。
一番、有名な神話はトロイア戦争の折に贔屓にしている女神・テティスの要望で戦争を長引かせ、ギリシア軍に多大な被害をもたらしている主神・ゼウスの目を逸らす為に、その妻・ヘラが帯を借りてゼウスを誘惑し、まんまと永い眠りに付かせたというホメロスの逸話です。
(トロイアが危うく落城しそうなところで目を覚ましたゼウスはカンカンに怒りました)
その魅惑の帯を着けているウェヌスに扮するモデルの名は、エマ・ハート。
この絵のモデルをしたときは22歳くらいで、社交界にデビューした後だと思われます。
平民出ですが、この後歳の離れたハミルトン卿と正式に結婚し、エマ・ハミルトンと呼ばれます。
更に彼女を有名にしたのは、英雄ネルソン提督との恋でした。
老いたハミルトン卿が死に、ネルソン提督が戦死した後の彼女は自暴自棄になり、大変な借金を抱えて落ちぶれてしまいました。
ヴィヴィアン・リー主演の映画『レディ・ハミルトン』では、プロローグだかエピローグだかで老女が万引きをする場面があったことを覚えています。
しかし、この時の彼女は上昇の真っ只中で、顔を半分隠した構図ながらその目が男を誘っているようです。
最早、帯の魔力も必要としない程のコケティッシュな魅力を余すところなく伝えています。
落ちぶれようが何だろうが、この絵の中に彼女は永遠の女神として遺されました。
新古典主義特有の陶器のような肌をした女神と男神の姿を描いたこの作品。場面は女神・ヘラの遣いで夢の神・モルフェウスを起こしに来た虹の女神・イリスの姿です。
航海から帰って来ない夫を待ち続けて、結婚の神であり夫婦の守り神であるヘラに祈り続ける妻の姿に居た堪れなくなった女神はお使いのイリスを呼んで、モルフェウスに夫は難破して死亡したことを伝えるように命じます。
モルフェウスはその名がモルヒネの語源となったように、本来人に甘い夢をもたらす神ですが、すぐにその妻の許に行き、夢に入って行きました。
魔法でも使ってシャララン
淡い期待を断ち切られた妻は嘆いて、海辺に打ち上げられた夫と共にかわせみに変身しました。
(オウィディウスの『転身物語』のハナシなので)
実際、イリスが起こしたのはモルフェウスの父親の眠りの神なんですけど、そんなことは置いといて、美少女として描かれるイリスが美少年の許に舞い降りる構図は官能的です。
モルフェウスが眠る寝台の台座にはゼウスの恋の遍歴が彫られているようで、ゼウスが雲に化けて女性を誘惑する場面と、牛に変えられた少女を取り戻す為にゼウスに命じられたヘルメスが、アルゴスを眠らせて退治する場面です。
もちろん、この展覧会のメインポスターに使われているマティスの「赤い部屋」とかもよかったですけど、近代絵画が最後だと目治しの為に前の間に遡らないといけないのが不便…。
〜7月16日まで。火曜休み。
週末、オススメです。
金曜中にあげようと思ってたのに、帰宅してウッカリ4時間寝てしまった…。
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渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムに『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想』展を観に行ってきました。(今日ではないよ)
この展覧会のメインは何と言っても、日本初公開の「ほつれ髪の女」(ずっと、“ほつれ毛”だと思っていたよ…汗)です。
そして、ダ・ヴィンチ工房作と言われる「岩窟の聖母」(ルーヴルにあるのと同じ構図のヤツ)
他は、ダ・ヴィンチのデッサン(?)と、ダ・ヴィンチ作と言われる(真贋は難しい)数作と、工房作、それにダ・ヴィンチ派でくくられる画家の作品と、同時代の作品です。
ダ・ヴィンチの影響を強く受けたラファエロの工房の作品やなんかもあるのですが、正直イマイチの作品が非常に多いです。気に入った絵以外、あんまり熱心に観ないのとをオススメします。
じゃないと、帰ってからの記憶がパッとしないです。
何はともあれ、「ほつれ髪の女」は、ナカナカでした。
「モナ・リザ」は永遠の微笑ですが、この「ほつれ髪ー」は、「岩窟の聖母」や「聖アンナと聖母子」につながる慈愛の微笑と言えるでしょう。
ゆったりとしたその微笑みをご堪能ください。
とはいえ、ミ以前ケランジェロのデッサン見た時は魂が震える感じだったけど、そんなでもなかったのは、やっぱ私がダ・ヴィンチをあんまり好きじゃないからでしょうかね?(笑)
「岩窟の聖母」は本物なのか、みんなよく分からなかったようで、微妙な見方している人が多かったです。
でも、もっと上に飾って欲しかった…。見下ろすのは心苦しいじゃないですか。
あとは、「アイルワースのモナ・リザ」でしょうか?
これはモナ・リザ自身の若い頃を描いた本人の作という説もあり、意見の分かれる名画です。
モナ・リザよりかなりカワイイ
実際はダ・ヴィンチの真作とされるのは、いかにもダ・ヴィンチっぽいものだけではないので、見分けって難しいですよね。
なので、ちょっと見方が難しい作品が多かったです。
土産ものもよかったですし、皆さん足を運んではいかがでしょうか?
夕方から夜なら、わりとゆっくり観られるようです。金・土曜は21時までやっています。(他は19時まで)
〜6/10まで。
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