中将の君のひとりごと

歴史とサッカーが好きな私のオススメを紹介します。最近はもっぱら旅人か、映画評論家気取りですが…

オススメの本

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

安野光雅『旅の絵本』

イメージ 1

このブログも開設から1年たちました。
一周年記念はこのお題と決めていたのに、29日はウッカリ忘れて違う話題を持ってきてしまいました。

気をとり直して、本の紹介です。
画家・安野光雅氏の代表作『旅の絵本』は1977年に1巻は発行されました。

青い服を着た旅人が、舟を漕いでその土地に辿り着き、馬に乗って旅をします。
絵本の中に文字はなく、私たちは旅人の巡る道の周りで繰り広げられる世界に目を凝らして楽しむようになっています。

始めは画面いっぱいに広がる街や村の中から「旅人」を探すだけでいいでしょう。
ですが、旅人が通り過ぎたそこには驚く程たくさんの物語があります。
絵画のシーンや童話の一場面、映画のシーンや有名人など実にたくさんの物語が盛り込まれています。

1巻はヨーロッパ編で、2巻はイタリア編、3巻はイギリス編、4巻がアメリカ編です。
1983年発行の4巻の20年後、スペイン編の5巻がいきなり出ていてビックリしました。
4巻、アメリカ編の最後が「メイフラワー号」の到着で、5巻の最後が出港と物語は時間と空間を超えてつながっているのです。


私が一番読んで欲しいのは、この5巻の翌年に出た6巻の「アンデルセン編」です。
童話の父であるアンデルセンの生誕200年に合わせて創られたこの本は実にたくさんの物語が詰め込まれています。

そして、初めての試みとしてページごとの「解説」が付けられるようになりました。
(2006年に出た2巻の改訂版にも解説が付いています)
答えのない物語であるのが、この「旅の絵本」の醍醐味ではありますが、6巻に関してはこの「解説」が重要なのと同時にアンデルセンへの案内板ともなっています。

アンデルセンといえば、「人魚姫」や「赤い靴」、「みにくいあひるの子」など、知られている話が何十のありますが、安野氏はそれだけでなく「ちがいがあります」や「モミの木」など小話とも言える話もたくさん取り上げていて、アンデルセンへの憧憬の深さを伺えます。

それだけでなく、「柳の下で」や「「風は語る」、「あれはだめな女だった」などの不条理な、決して子供には語られない話が盛り込まれています。
この本を読んだら絶対に『アンデルセン童話』を読破したくなるハズです。

全巻読んで、また見直すと解説には書いていないたくさんの場面が解るようになっています。


今年の9月に7巻「中国編」が出ました。
開きが逆になっているだけでなく、絹に描く手法となっていてかなり毛色が変わっています。
物語というよりも、街の様子に重点を置いた1巻に立ち返った構成となっています。
でも発色が悪くて旅人が探し辛い…

『容疑者Xの献身』

イメージ 1

ようやく『容疑者Xの献身』を読みました。
かなり前に買っていたんですが、その時読む本が立て込んでいてすぐに姉に貸したら全然戻って来ず、
ようやく先週返して貰いました。
なぜか私は本を返して貰えないエピソードって結構あるんですよね…。

ハナシは戻ってこの作品、映画を先に観ていて内容知って買いました。
しかも映画は2回観たので、本当に細かいシーンも覚えている状態です。

しかし、面白かったですね〜。
登場人物は映画のキャストを想像しながらになったので、芋洗坂係長と佐野史郎は残念ながら浮かびませんでした。(小説ではそんな感じだ、と映画の感想の中に書いてあった)
事件自体は同じですが、構成はちょっと違いましたね。

靖子は美人でないようで、だからこそ「人は時に健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある」
という言葉が生きるのでしょう。
私は結局原作を読んでも、それが靖子に対する愛情なのか、靖子親子に対する愛情なのかは分かりませんでした。

確かに小説として優れていたけれど、映画で大幅に構成を換えたのは正解だと思います。
小説の議題は謎解きではなくて「そんな愛情が本当に存在するのか?」ということだと思うからです。

私は子供の頃から推理ものは得意だったので、結構早くに謎が解けましたが、でもこのトリックだと本当は成立しないんじゃないかと思っていたので、原作を読んでちゃんとその時のことも考えてはあったので安心しました。

映画と原作はラストが少し違っていました。
堤さんの演じる石神の最後の咆哮は、一方的だと思っていた愛が思わず返されたことに対する喜びが混じっていて余計に涙を誘うものになっていました。

こんな優れた作品をこんなに面白く書ける人を本気で尊敬します。
小説はめったに読まないのですが、面白いひとときでした。

『長勝院の萩』

イメージ 1

本日紹介するのは、杉本苑子著の『長勝院の萩』です。
主人公「お万の方」は徳川家康(最初は松平元信)の最初の側室で、家康の次男・秀康(のちに結城姓となる)を産んだ人です。

家康は今川家の人質だった駿河時代に正妻の築山殿との間に嫡男・信康を得ていますので、その後に愛情を受けたと言いますか…ゴニョゴニョ…。
とにかく築山殿の激しい嫉妬の対象となった彼女に待っていたは壮絶な仕打ちでした。

歴史の激動の中で運命に翻弄される「お万の方」は男から見れば、従順な放っておけないタイプの女性でしょう。(従来のイメージの夕顔タイプかな?)
彼女は決して築山殿のように自我を主張することはありません。
しかし、お万の方はとんでもない方法で築山殿に仕返しをします。


名門・今川家の誇りゆえにやがて自滅する築山殿。
それは自爆と言ってよく、息子の信康さえも巻き込まずにはいられない破壊力でした。

この信康事件は家康の心に大きな影を落とします。
ここで書かれる徳川家康は決して善意の人でなく、かといって悪党でもない中庸の人物として書かれています。

確かに信康の切腹は同盟者である織田信長の命でありました。
しかし武田家残党との繋がりを疑われた信康を切る決断をしたのは、父である家康に違いありません。
そんな計算が出来る家康だったからこそ、時代が彼を選んだといえます。

男と女のねっとりと絡みつく愛憎劇ですが、ゲンナリすることもなく意外なことに一気に読めます。
この分厚い文庫本を古本屋で2冊まとめて買ったところ、中と下で(笑)、姉に上を買ってくれるように頼んだら、姉は自分で3冊揃えてしまったくらいハマります。


「お万の方」が産んだ結城秀康は家康から何かと疎まれましたが、彼女自身が疎まれていたということはなく、後の大奥で「お万の方」という名は誉とまります。
家光に女性開眼させた、尼から大奥総取締となった寵姫も「お万の方」の称号で呼ばれました。

イメージ 1

う〜…、具合悪い…。
早退してしまった。

しかし、空き過ぎるので、ここはオススメの本で更新します。


『影の系譜―豊臣家崩壊―』(杉本苑子著)です。
主人公は誰だろう…?秀吉の姉・「とも」でしょうか?
豪農出身のともが思いがけない弟の出世で引き上げられてしまった戸惑いと悲劇がテーマです。

戦国の世は下克上といいますが、ここまで一家全員が引き上げられた例はないでしょう。
すでに結婚していた「とも」と妹の「きい」(『女太閤記』は調べもせずにパクッてしまい、この杉本さんが付けた名前を使ってしまった)のその夫も侍と為らざるを得なかったのです。

秀吉の兄弟は秀吉と同じく子宝には恵まれず、兄弟の中で子供を持ったのが秀吉の他にはこの「とも」だけでした。
秀吉もそうでしたが、しかも全員男子で、血なまぐさい争いに巻き込まれてしまいます。
長男は僅か4歳で、秀吉の謀略の為に人質に出されていますし、三男は十代で不審死します。


結局のところ、三人兄弟の全員を養子に出した「とも」はその三人の死を目の当たりにすることになります。
狂気のDNAを持った秀吉の犠牲となった息子たち…。
「とも」は全てを失った後に何を見たのでしょう?

三兄弟の悲劇にも増してよく書かれているのが、秀吉の妻たちの描写です。
この作品での淀殿は本当に艶やかな美人です。
よくもまあ、この本をパクッて書いたのに、あれだけ北政所を美化出来たものだと御大のウデに感心するくらいです。

そして、関白秀次…。
杉本さんの真骨頂とも言える清清しい青年の美しさが余すところなく語られています。
傷ましい事件のせめてもの救いではないでしょうか。

この本から、秀次に興味を持って色々調べるようになったのですが、本当に出来た若者でビックリしました。
暗い話ですが、間違って2冊も買うくらい面白かったです(笑)

『シュガーベビー』で言い足りなかったこと。

大人になって読み直して、作者自身が神話世界を再構築したことが理解するようになって、このマンガを
読む目も大分変わりました。
「指環物語」や「ハリーポッター」と同じようにして創られたのですが、天界の様子はかなり違う様相を
示しています。

神々も天使も天に属するものが実に無欲です。
彼らはあくまで全ての人間を慈しみ、人間が己の力で心の中の神の存在に気付くように手助けをするのです。

そんな神々にも増して神々しい存在なのが、二人の男性です。
一人は主人公・シュガーの父親である”J”と呼ばれる「パパさん」です。
(私は随分長い間、この言い回しについていけなかった…)

もうひとりが近所に住むシュガーよりちょっと年上(?)の少年です。

二人とも幼いときに父親を亡くし、立派な母親によって育てられました。
父親への思慕という痛みを抱えながらも、二人は恐ろしい程の慈愛を持っています。
そして、この二人は善意でしか行動しないのです。

特に大人になって読み返し、「パパさん」(…)の行動の全部が他者への愛を発端としていることに驚かされたのです。
そしてそれがひとつも骨が折れることだとは考えられないのです。

アーモンドに至ると、純粋な分だけ奉仕の精神は更にエスカレートしていきます。

彼らこそが天界のものであるかのように。
「パパさん」の行く末は分かりませんが、「源氏読み」のように「反復とずらし」から考えるなら
きっと彼らの父親のように早くに神に召されたことでしょう。


.
卯喜多ドラみ
卯喜多ドラみ
女性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
検索 検索
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブログバナー

過去の記事一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事