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大沢池に行きたくなった理由ですが、実は、湖畔の石仏群を再見したくなったからでした。
この春、「芸術新潮」に、京都の「古美術柳」の柳孝さんの目利きぶりを紹介する記事が連載されました。白洲正子さん関係を中心に、骨董に関する本を書かれてきた青柳恵介さんが、日本一とも言われる古美術界の大御所柳孝さんと対談するわけですから一読に値します。柳さんの若き日の古美術との出会いや失敗談など、興味深い記事でした。
その中で、柳さんが、青柳さんを京都の大原の別荘(大きな宝篋印塔のある素敵なお庭)にご招待されたり、京都市内を案内された内容が出ていました。
なんと、柳さんが、京都で一番好きな場所が、大沢池湖畔の石仏の辺りだというのです。
日本一の骨董商一押しの場所が、大沢池湖畔なのか、私も少なくとも3度程は行っているのですが、かなり前です。石仏はそれほど目立たずに確かに有りましたが、京都一とは??
それで、今回見に行った次第です。
20体近くの石仏は、鎌倉時代中期のもので、時代の割りに彫りがしっかりしています。
大きさは様々ですが、1メートル以上の物も有り存在感があります。
今は暑い夏場のため少し風情的には弱いかもしれませんが、秋の頃や、雪化粧でもまた見てみたい魅力が感じられました。これからは石仏を見るためだけに、ここに来るのも良いかもね。
嵯峨野には他にも色々石仏があり、化野念仏寺の石仏は有名ですが、清涼寺にも素晴らしいものが有ります。また、私の好きな当尾の石仏群を見に行きたい気がしてきました。
ここで俗的な話題・・・古美術店で扱われる石仏は、ほとんど小仏のみですが、道路工事等で大量に出土したものが、市場に流れるというのがほとんどです。(路傍の仏様を盗むなど、通常は無いハズですが・・・)価格も他の仏教美術などに比べると非常にお安いです。
当然ですが、出土地域的には、古代からの先進地域の関西地方からは、古代・中世の古い石仏が多く、価値(価格)が高いものが有ります。苔むしたり、磨耗したものが、一見古く見えますが、苔はすぐ生えますし、磨耗だけでも判断できません。古いものは奥行きが有る、全体の3分の2程は土中に埋めるというバランス的大きさ、元々の彫りの状態、彫られている仏様等の種類・・色々なポイントから鑑定されて、鎌倉だ、室町だと人気があるわけです。
近世に入ると庶民が石仏造立にかかわるようになり、現存する石仏の約八割近くが江戸期のものといわれています。江戸期の関東地方では、様式的にも白由で面白く可愛いものがあります。江戸期のものは大量に現存しますので価格もお手頃です。
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