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先月、無料拝観券があるので、高台寺に行って来ました。
お馴染みの豊臣秀吉の正室・北政所ゆかりのお寺です。今回は、お寺の沿革なしで私の印象のみです。
この夏に行った多くの寺院は、ほとんど閑散としていたのですが、さすがに高台寺は違いました。
拝観受付では、2つの団体観光客40人程度の集団やその他の個人客が溢れています。
私は無料拝観券を持って来ているので、そのまま受付を素通りして、団体客の集団に挟まれたような感じになって、まず書院に上がりました。
(前に書きましたが、高台寺の墓地には家の墓があります。お墓参りの際も、受付にお墓参りですと言って素通りしているので、いつもの行動です。)
展示されているのは高台寺所蔵の「百鬼夜行図」の絵巻物や、円山応挙「幽霊図」などです。
応挙の作は興味があったのですが、全体的に今ひとつの印象です。
そこから、方丈へ渡ります。
ここでは、秀吉所用と伝わる同寺所蔵の「鳥獣文様陣羽織」が作製当時の姿に復元されて公開されたばかりということで、ペルシア産のタペストリーの陣羽織が展示されています。なるほど派手です。
そこから、小堀遠州の作による桃山時代らしい庭園を眺めながら、彩色天井が美しい開山堂へ。
ここは、高台寺の初代住持、三江紹益禅師を祀るお堂で、左右の壇上には木下家定(ねねの兄)、雲照院(家定の妻)等の像も安置されています。
開山堂から「臥龍廊」という長い廊下を通って霊屋に登ります。
この「臥龍廊」は老朽化により長らく通行不可でしたが、最近、渡る事が出来るようになったそうで、初めての体験でした。
さて、一番の見所の、「霊屋」です。
北政所の墓所で、秀吉と北政所をお祀りしています。秀吉と北政所の木像が安置されていて、須弥壇や厨子等は、華麗ないわゆる高台寺蒔絵が施されて必見の場所です。
さらに有名な「傘亭」と「時雨亭」です。千利休の意匠による茶席で、伏見城から移築したもので、この2軒は土間廊下でつながっています。
そこからは印象的な竹の道を通り山を下っていきました・・
すぐれた建築や庭園、特に霊屋は、やはり1度は見ていただきたいです。
ただ、前から感じるのは、塔頭の圓徳院境内に「掌美術館」という高台寺の寺宝を展示した小さな美術館を作り観光客に見せているのですが、高台寺内で展示した方が、魅力的に感じるようにも思います。
保存管理上難しいのでしょうが・・
それと、観光化という点で思うことが少し。
高台寺が、今のような京都の人気ある観光寺院になったのは「ねねの道」の完成の影響が大きいと思います。以前の高台寺は、特別拝観時のみ公開されていた観光客にあまり知られていないお寺だったと記憶しています。
1994年に京都市は、産寧坂の伝統的建物群保存地区で張り巡らされていた電線の地中化に着手、さらに1997年から石畳の敷設工事を進め、夜の散策のために和風の街灯も設置して、翌年、現在の「ねねの道」が完成します。こうして、清水寺から続く京都東山の新しい散策コースが誕生し大成功していきます。
高台寺は、塔頭の圓徳院境内に、「京洛市ねね」という商業施設を建設、この地区はショッピングと散策を楽しめる文化ゾーンと謳っていきます・・
観光客からの税収アップにより、大喜びの京都市や観光業界、高台寺でしたが、昔ながらの風情が失われたことも否めません。
時代の流れで仕方が無いのかもしれませんが、
観光客の少ない夏場でも、拝観入口に人が溢れている様子を見ていると、以前の趣のある風情が失われてきたなあとつくづく感じます。
近くの清水寺も、もちろん夏場でも観光客が多いです。でも、西国三十三ヶ所巡礼のお寺として、古くから庶民に親しまれてきた懐の深い清水寺とは違い、高台寺は静かに鑑賞すべきお寺だと思うからです。
私の家は高台寺の会に入って、ずっと年会費を払っていますので、少しクレームっぽく書きましたがお許しください。高台寺は、宣伝用ポスターを近所に貼ってくださいと送ってきます。無料拝観券も送ってきます。まだまだこのお寺との関係は続いていくようです・・・・・。
お寺から出ると、結局無料拝観券を使わないままだったことに気付きました。
書院入口で券を渡すと思い込んでいたのですが、受付に提示するべきだったのかな・・?
団体客の中に紛れ込んだような感じになっていたのかな?
拝観券が、また余りましたので、この秋の紅葉の際にも行くことになりそうです。今度は、ちゃんと受付に券を出しますからね。
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