|
嵯峨鳥居本にある檀林寺は、祇王寺の隣にあるお寺です。
学生時代に一度行ったはずですが、あまり記憶がありません。この日は私が初めての拝観者のようで、お寺のお話好きな受付のおじさんが「ここは宝物館にすごい宝物がたくさんあるから、じっくり見てると1時間から2時間はかかるよ。」と話し掛けてきました。
さて、この檀林寺は、平安時代初期に嵯峨天皇の皇后橘嘉智子(檀林皇后)が創建した由緒あるお寺で、平安期には12の塔頭を持つ壮大な寺院だったようです。檀林皇后は、当時来日していた中国の義空僧正を師とします。これにより檀林寺で日本で初めて禅が教えられることになったそうです。
檀林寺創建と同じ時代、嵯峨天皇の皇子、左大臣源融が付近に別荘を建設し、この嵯峨の地は、嵯峨天皇関係者を中心に別荘や寺院が立ち並んだ平安京の衛星都市のような場所になりました。
その後、これらの寺院や別荘は衰退し、源融の別荘は清涼寺へと変わります。檀林寺もその後の衰退してしまったため、その旧地には天龍寺が建てられました。
さて、昭和三十九年(1964)に現在地に再建された本堂と霊宝館には、檀林皇后縁の宝物をはじめとして、日本や中国の仏教美術品が多数展示されています。
法宝閣造りという特徴ある本堂には檀林皇后を型どったという本尊の准胝観音母像、渡辺崋山筆の山鷲濤鷲図などがあります。
霊宝館は展示スペースが狭く、宝物が所狭しと並べられていて、どこか古美術店のような感じです(それもギャラリー風の店では無く、沙汰な道具屋さんのような・・・m(__)m)この展示方法が、今風の魅力が無いので、お寺も今ひとつ人気が無い気がします。限られた中での変更は現実的には難しいでしょうが、展示方法が違えば、霊宝館の魅力も増すとも思います。
今の檀林寺からは、平安初期の栄華を感じることは出来ません。僅かに寺宝にその時代を偲ぶ物があるのみです。ただ人気寺院の多い嵯峨野にあることで恩恵を受けているようです。隣の祇王寺を訪れた観光客が、境内の紅葉に惹かれて門を潜られているからです。
特に寺宝に傑出するものは無く、お勧めするほどでは有りませんが、紅葉もまずまず綺麗で、親しみ易いお寺ではあります。
|