京都を感じる日々★マイナー観光名所、史跡案内Part1

写真容量の関係で、過去の記事をかなり削除していますが、よろしくお願いします。

嵯峨野・嵐山・洛西他

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宝筐院

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宝筐院は思い出深いお寺です。
高校生の頃、歴史に興味があって、楠木正行(まさつら)と足利義詮のお墓があるということで行ってみたのが宝筐院でした。一人でお寺を訪ねる事などほとんど無かったためか、観光地なのに誰もいない境内が以外でした。寂しいお寺だな・・そんなことがいつまでも心に残りました。
その後、1、2回新緑の頃に行っているのですが、やはり地味な印象が残っています。(ただし静かな雰囲気は好きですよ。)今回、初めて紅葉の頃に行ってみました。





宝筐院は、元は平安時代に白河天皇により創建され善入寺というお寺でした。
その後衰退しますが、南北朝時代に夢窓国師の弟子の黙庵周諭禅師が復興し、この時に臨済宗の寺となります。室町幕府の2代将軍足利義詮は黙庵に帰依し、善入寺の伽藍整備を行いました。寺の位置は現在と変わらないようですが、東から西へ総門、山門、仏殿が一列に並ぶ立派な寺院だったようです。
将軍義詮の死後、善入寺はその菩提寺となり、8代将軍義政の時代に、義詮の院号(=宝筐院)に因んで寺名が宝筐院と改められました。応仁の乱以後、次第に衰退し、幕末には廃寺になりますが、その50数年後に復興されたということです。





宝筐院が明治に復興された大きな理由は、楠木正成をはじめとする南朝の忠臣を顕彰する運動が各地で高まったためでもあります。正成の子、正行は「小楠公」と讃えられ、彼ゆかりの遺跡を保存し、菩提を弔うお寺として、宝筐院は再興されることになりました。そして、大正六年に完工します。

楠木正行と足利義詮というライバル2人の墓が並んでいるのは不思議ですが、これは以下の有名なエピソードによります。
正平三年・貞和四年(1348)、楠木正行が、四条畷の戦いで高師直率いる足利軍と戦い23歳で戦死した後、黙庵上人は、その首級を生前の厚誼により善入寺に葬ります。
後にこの話を黙庵から聞いた足利義詮は、正行の人柄を褒め讃えて、自分もその傍らに葬るように頼んだということです。正行の英雄ぶりも立派なら、敵将を讃え自分を傍らに葬らせた義詮も大きな人物だったというお話です。
現在、楠木正行と足利義詮の墓と伝わる2基の石塔が並んで祀られています。五輪塔は正行の首塚、三層石塔は義詮の墓ということです。宝筐院の再興時に残されていたのはこの2基のみだったようです。





さて、やはり紅葉の頃は普段と違って多くの観光客が集まっておられます。
あまりこのお寺がどういうお寺かはご存じない様子で、楠木正行と足利義詮のお墓はほとんど眼中にない様子です。それも仕方が無い事かもしれませんが、私は、初めて2人のお墓を訪ねた時の事を思い出して、人のいない静かな時にでもまた訪ねてみたいと思いました。

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閉じる コメント(7)

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高師直はいったいなぜ「こうのもろなお」と読まれるのでしょう。
「高」は名字であって本姓というわけではありませんのに(本姓は高階氏)。
こういう例はほかにはたぶんない気がします。(同じような読みの名字として宗氏がありますけど、「そうの某」といった読み方はしませんし)
豊臣秀吉の場合には「の」が省略されますけども、それと同じように一種の慣習的な例外と思うべきなのでしょうか。

2008/11/5(水) 午後 9:01 [ hig*_p*ste2*00 ]

中々面白いですね。「こうの」の「の」ですね・・読み下しで無いので、貴族の日誌等の同時代資料でも判明しないのでしょうか?
慣習的な例外以外で考えられるとしたら、可能性は少ないと思いますが、高氏が、名門高階氏の一族(他の武家同様、信憑性の問題もあるようですが)としての誇りもあり「の」を付けて称していたのか?
また、太平記等で後世に伝承される際に、「こうの」と読まれ、言葉の流れで読みやすいために、後世に定着していったということも意外と有るかもしれませんね。

2008/11/8(土) 午前 0:30 [ hir**i1600 ]

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貴重なアドバイスありがとうございます。

>貴族の日誌等の同時代資料でも判明しないのでしょうか?
どうなんでしょうか。
私は歴史学、日本史学を専門に大学等で修めた経験がありませんので古文書等にはあまり詳しくはないのですが、
師直は、尊氏、直義と共に南北朝期の第一級に重要な人物ですから、同時代資料には頻繁に出てくる気はするのですが・・。


>言葉の流れで読みやすいために、後世に定着していった
たしかに太平記等の伝承段階で「こうの」が定着した可能性はあると思います。
歌舞伎 忠臣蔵では吉良を高師直に擬していますけども、歌舞伎風に「高師直」を発生するとき、実際に自分で発声してみて思ったんですが、「の」を付けたほうが付けないで発声するときより格段に言いやすいですね。

またはっきりとした答えが得られましたら、ご報告いたしますね。

2008/11/9(日) 午後 10:43 [ hig*_p*ste2*00 ]

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今晩は。そしてお久し振りです。「の」という読みの上での送り仮名の挿入のお話。興味深く拝見させて頂きました。さて件の「の」ですが、これは所謂「氏名」としての「名字」ではなく、『姓』と呼ばれる職掌上での呼び方といわれております。日本の古代社会の構造的特色の1つとして例えば「何々家の誰それ」と言う場合『何々の朝臣何々』という呼び方をします。この場合の『朝臣』は官職としての地位のことであり、『の』はその後の官職を表現し修飾するものとされています。例えば足利義満は“国王御教書”と呼ばれる史料群の中で『日本国王源道義』と表され、これを読釈すると「にほんこくおう みなもとのみちよし」となります。当初、姓と氏は厳密な意味で限られた家柄(公家)にのみ用いられていましたが、それが中世(武家の登場)の頃から武家がその正当性を主張する際の根拠として官職を得るために公家姓を要求したためにこうした現象がおきたとされております。もっと詳しいことはただ今勉強しているテーマの一部ですので、またご報告させて頂きます。 茶々丸

2008/11/14(金) 午前 1:20 [ cha*ham*ru*ar*_3rd ]

話の流れからわかると思いますが、姓と苗字の違いは知った上での、あくまで高一族に限っての疑問ということかと思います。高師直の「高」は、「名字(苗字)」と思われるのに「こう」と読まず、「姓(氏)」のように「の」が入っているのはなぜかというかなりマニアックな話なのですが、これは当時の武士では例外的な読みのようにも感じます。高一族の祖先は公家の高階氏の一族だったともされますが、やはり正当性を主張する意味で、公家性を誇示するために官職として「の」を用いた可能性があるということでしょうか?私は、高一族は、平安時代の源義家の家来に遡り下野国に土着して鎌倉時代には代々の足利氏に仕えてきた豪族だったということから、当初は「こう」で、勢力を強めてきたある時期から、血筋の正当性を主張して権力を強化するために「姓(氏)」のように「こうの」と称し始めた可能性もあるかな?とも思った次第です。あるいは、単なる後世に誤って「こうの」と読まれとか、最初から当時の武士の中では例外的な「こうの」だったということが考えられるのか?当時の資料等ではどうなのか?ご専門として教えていただければありがたいです。

2008/11/14(金) 午前 10:08 [ hir**i1600 ]

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ご質問の趣旨を取り違え、失礼を致しました。ただ今、調査中ですが『高』氏は美濃の出自とされ、足利譜代の家人の筆頭であり、師直を幕府の執事、師泰を侍所の長として登用しております。この両者、殊に師直の場合は例えるならば『側用人』的な存在として絶大な権力を有していたとされております。現在調査の続行中ですので、詳しいことがわかりましたら、又ご報告させていただきます。これは推測にすぎませんが、もしかしたら『音』の問題があるかもしれませんね。今昔物語集や宇治拾遺、鎌倉時代の日蓮の手紙の中には“賢王愚王”を“けんのうぐおう”と読む事例があります。更に古文で用いられる“なめり”という表現は元々の“なるめり”が“なんめり”となり“なめり”となったとされています。そのためこれを音として読む時には“なんめり”と読んでも構わない、と日本文学を専攻している友人から聞いたことがあります。これから今川了俊の『難太平記』をひっくり返してみます。申し訳ありません。茶々丸

2008/11/15(土) 午前 2:40 [ cha*ham*ru*ar*_3rd ]

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ただ今、調査続行中で申し訳ありませんが、今暫くお時間をいただけますでしょうか?。この件に関しては私も個人的に興味を持っていますので、出来うる限り出典を明らかにしてご報告させて頂きたいと存じます。お話の前提である、公家の日記とのことですが、当時の日記は殆ど漢字が使用されているために“読み”に関しては他の説話集や近世で呼ばれる所の町方文書のような仮名書き史料をあたっております。その方が正確な読み、発音の表記がなされている可能性は大です。茶々丸

2008/11/20(木) 午後 8:50 [ cha*ham*ru*ar*_3rd ]


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